時は少し戻って
プロローグに出てきた彼が現れる少し前の時間軸です。
島の防衛力強化に力をいれつつも、フォゥやフェルが神獣達とワチャワチャしている生活でリフレッシュする毎日。
そんな生活が日常となったからだろうか? 自分の中に多少残っているだろうドロっとしたモノは随分と洗い流されていった気がする。
これはアニマルセラピー要素と、守るべき子達とその子達の笑みが相乗効果でも起こしているのかもしれない。
そんな事を考えながら、それでも現状のある意味で歪ともいえる俺達の状況に対して、いったいどう向かい合えば良いのだろう? と、そんな事を考える余裕も出始めてきた。
そうなんだよね。俺と女子達とフォゥにフェル。これって傍から見ると謎といえる生活なんだよね。いやまぁ、島でサバイバルな生活をしている時からの流れだから、俺達としてみれば自然といえば自然な関係なんだけども。それでも、他視点だと〝家族ごっこ?〟なんて疑問に思うような状況なのは間違いないわけで。
とはいえだ。
フォゥの精神を考えるとね……どういった行動を取るのが正解かが悩ましい。かと言って、今の俺達が〝家族ごっこ〟じゃなく〝本当の家族〟になるってのもまた違う話で。
いやまぁ……システムさんのとんでもない宣言と言うか、契約? に近いのかなぁ。それを考えたら、多分だけど遅かれ早かれと言われそうな気もするんだけどね。ただ、俺達の考えとか精神とか、そういった諸々のモノが全く追いついていない。
特に問題なのは……まぁ、俺なんだよなぁ。
正直な話。今の生温い環境が一番心地よいと言っても良い。いや、それはどうなの? と言われそうなんだけど、これより先となると……やはりまだまだ拒絶反応が出るんだ。
きっと俺は〝本当の家族〟というモノに対して嫌悪感をまだまだ拭えていないのだろう。……そして、どこかで〝俺〟も〝あの糞達〟みたいな事をしでかさないか? と心配している部分もあるんだと思う。……血は争えないなんて言葉があるぐらいだからね。
いやでも、それを言ったら〝祖父母の血〟もあるんだから大丈夫じゃね? という話も無きにしも非ずと言えるんだけど。
と、1人になった時で時間に余裕が出来た時には、大抵そんな事を考えたりもしているんだけど……こういったのは結局、何が正解なのかなんて行動を起こしてからじゃないと分からないからね。
はぁ……モンスターを相手にするよりも、この手の話の方が難敵過ぎると思うのは俺だけだろうか。
ただ、こんな風に色々と考えていられる余裕なんてのは、突然の出来事で吹き飛んでしまうモノで……。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
俺はブラスミさんと共に、島の防衛及びその為の〝ロボの量産型〟や〝移動要塞〟についての戦力強化計画を練っていた。
「んー……やっぱりエネルギー問題が解決しないんだよなぁ」
「オリジナルの方はマナホイールエンジンとユグドライブのお陰で、ほぼ無限行動が可能なんだけどね」
このエンジンやシステムはかなりチートな機能である。
というのも、この2つを同時に使う事で魔力を無限に使用する事が出来る。……いや、実際には無限ではないんだけどね? ただ、擬似的に無限使用可能といった感じかなぁ。
「世界樹の枝を芯にして、陣が描かれたホイールをいくつも回転させる事でこんな効果が生まれるなんてね」
「ホイールを高速回転をさせると世界樹に接続されるとかね……それで、どんどん魔力を生成と供給が可能になるなんて思わなかったよ」
通常運転だと世界樹への接続はされない。ただ、少量ではあるが世界樹と似た機能を使う事が可能。
内容は単純で、使用した魔力や瘴気を、ただの魔力に戻して再使用が可能になる。そんな能力だ。とはいえ、使った魔力を全て可能という訳ではないので、ある程度のリターンがあると言った感じかな。
ただ、ユグドライブを稼働させる事で話は変る。
ホイールの高速回転により、マナホイールエンジンと世界樹が接続される事で〝使用した魔力〟を全て〝使用可能状態〟へと戻す事が出来る。
うん……何を言っているんだ? って頭が混乱しそうになる話なんだけど、実際にそういうモノだと思い込むしか無い。
「世界樹の枝で作った芯を通して、世界樹へと周囲の〝使い終わった魔力や瘴気〟を送り込み、使用可能になった魔力を逆にこちらへ送り込んでもらう事が可能とか……ぶっ壊れているよねぇ」
そんな壊れっぷりのエンジンと機能だ。なら、それを大量に量産したら良いんじゃないか? という話になりそうなモノだが……そうは問屋が卸さない。
「芯となる枝が無いし、そもそもホイールを作るのも安定して無いからなぁ」
「奇跡的に出来た星鉄だっけ? それの錬金成功率ってどんなものなの?」
成功率とか、正直考えないほうが良いレベルなんだよなぁ。と言うか、作れたという事自体が奇跡みたいな代物だし。何せ、最初に出来た時以来、全く錬金が出来ていないからね。
自分で作っておいて何だけど、鑑定だって全て弾かれているからね? 分かったのは〝星鉄〟という名前だけだし。
「エンジンに使って良かったのかも、まだ悩んでいるぐらいだしなぁ」
「でも、防衛力を上げるにはやっぱりねぇ」
決戦兵器の強化をしておく。確かに一点集中で強化を行った方が、最悪と言える事態に対して、対処出来る確率が上がると言えるから間違ってはいないと思う。
「でもなぁ、個人的にはやっぱり以前言っていた、島を取り込んで海底を移動できる要塞にした方がってのも……」
「無限に近い魔力が有ればエネルギーの問題も解決出来るけど、やっぱり逃げるよりも撃退出来る方が良いと思う」
まぁね。島には〝1度逃げて来た人達〟が多いからね。そしてまた同じ様に〝逃げ〟の選択を選ぶ事になると……不安で仕方なくなるよね。
自分達は、いったい何時まで逃げ続ければ良いのだろうか? そしてまた、安住の地を手に入れたと思ったのに……と。
そういった心理的な事などを加味すると、やはり最終的に逃げられる物を今作るよりも、先にロボの強化をとなる訳で。
「ただ、移動要塞の事も用意はしておいた方が良いと思うけど……」
「残念な事に素材がなぁ」
そうなんだよね。正直な話をすると、ロボの強化にせざる得なかった理由の1つとして〝素材が足らない〟というのも有るんだよね。
だって島を取り込める程の巨大な移動要塞だよ? いったいドレだけの素材が必要になるのやら……確かにコツコツと溜めてはいるけども、それでも1割集まったかどうか? というのが現状だからね。
「ともあれ、あの時のラスボスみたいなのが出てこない限りは、ヒーロー君達に任せたら良いんじゃない? 最終的には僕達も戦場に出たら問題無いし」
ラスボス級が出た時のみ、決戦兵器であるロボを動かす……と。それが無難と言えば無難だろうなぁ。
「となると、やっぱり量産型ロボの話も」
「今は難しいよねぇ……」
結局、量産型ロボの話も移動要塞と同じで〝いつかはやる〟といった話に落ち着いてしまう。何だろうなぁ……なんとも残念な思いしか残らない話だ。
「となると、今出来るのは〝ヒーロースーツや強化外骨格の強化〟や〝ヒロインドレスの開発〟か」
「ヒーロースーツについては現状でも問題は無いんじゃないかな? 正直、他の強化外骨格に比べて1世代どころか3世代ほど先の能力を有していると思うよ」
それはまぁ……俺達がノリと勢いで色々と手を加えまくったからね。それこそ、深夜テンション並の勢いであれこれと魔改造をしていたら、なんか出来上がっちゃったみたいな状況だったんだよなぁ。
「だから、そんなヒーロースーツのデータを基に強化外骨格を改造するのがベターじゃないかな」
「セオリーとしてはソレで良さそうだけど……変身ヒロインドレスは?」
作りたいけど、多分着てくれる人がいなさそうだなぁ……と思わなくもない。
いや、可能性が無いわけじゃないけどね? ただ、多分だけどデザイン次第で反応ががらりと変わりそうな気がする。
「大きなお友達が出てきそうなのはダメだと思うよ?」
「となると、露出少なめのバトルドレス的な感じのほうが良いかな?」
「んー……ファンタジー色が強いのもキツいんじゃないかなぁ。周りが皆似たような装備の異世界ならまだしも、地球でそれはね」
ダメだなぁ……全くどういった方向で作ったら良いのかが分からない。
流石に〝制服ベース〟とか〝ふわふわな魔女っ子ベース〟なんてのは、流石に女子達も手を出せないだろうし。あぁ、以前から色々と考えはしていたけども、これはかなり敷居が高いのでは?
「……強化外骨格を改造が本当にアンサーな気がしてきた」
「其処へ落ち着いちゃうよねぇ」
ロマンやベストを生産者としては求めたいんだけど、時にはベターな手段に落ち着くという選択もしないといけないって事かなぁ。
なんだかもんにょりとした気分になるけど、ソレはソレで島の防衛力強化という事を考えるとね。俺達の気分は二の次にしないとダメなんだろうね。
ブックマークに評価ありがとうございます!ヽ(=´▽`=)ノ
何やら謎現象が起きて、知らない間に適当に書いていた話が次話にアップされていたんだけど……なんだろう? 一応、削除はしたので問題はないのですがー、見てしまった人はそっとスルーしておいてください。
それにしてもおかしいなぁ……この話を自動更新にはしたけども、その問題の話はまだ書いている途中だったし、そもそも更新をポチっとすらしていなかったのに。更に言うと、この作品の話での無いのに(´・ω・`)




