地球産VS異世界産 プロローグ的な何か
新章……スタートです。
その手のモノが好きな人が見れば、今の俺達が行っているモノはロマンで満ち溢れているだろう。
ただ、実際に体験している俺からしてみると……はっきり言って、限りなく神経をすり減らしてしまう内容だ。
というのも……。
「マナホイールエンジン安定。ユグドライブ稼働中……よし、マナウィング展開! アル、何時でも飛べるぞ」
「了解しました。これより空中戦に移行します」
改良に改良を重ねた決戦兵器であるロボを投入し、目の前の敵と激しい戦闘を繰り広げている。そしてまた、その敵も……。
「ふはは! よもや異世界に余が発掘した〝神の人形〟と同じモノがあるとはな!!」
以前に予測していた〝異世界にも有るかもしれない、巨大な錬金人形〟だけど、ソレを持ち込んだ者が現れた。そしてヤツはその古代の錬金人形の事を〝神の人形〟と呼んではいるが……俺が見た感じ、これは間違いなく俺が作っている〝錬金人形〟と同じ発想で作られている物。
そうなのだ。この状況は錬金人形とはいえ、どう見ても〝巨大ロボ同士の戦闘〟以外なにものでもない。
それにだ。どうやら相手の機体もまた、俺の機体と同様に空を飛ぶ事が可能なようで……本当に改良を続けていて良かったと思う。もしあの決戦に投入したままで満足していたら、恐らく今回は全く勝負にすらならなかっただろう。
「しかし良いのか? 同じ様に空を戦場にしても。余の魔力量だからこそ、こうして巨体な神の人形でも飛ぶ事が可能なのだぞ。それを、ただの人間が長い時間飛び続けるなど……不可能だろう?」
さぁどうだろうね? 態々こちらの機体の事を語るような真似はするつもりなんて無い。
だから、ドレだけ空中に留まり戦闘が出来るのか。その事で大いに悩むと良いよ。時間が経てば経つほど、彼の疑問は膨らんでいきミスを誘発する事が出来るだろうしね。
それにしても、とっても胃が痛い戦いだ。
何せ巨大ロボと巨大ロボの戦闘だ。派手以外何物でもないわけで、下手をすれば居住区を巻き込みかねないし、そんな居住区からはこの状況がよく見えるのか……モニター越しに観客の姿を発見してしまった。
いやいや、緊急事態なんだから避難しておけよ! と思うんだけど、クラスメイトだった男子達なんてほぼ全員の姿を確認できちゃったからなぁ。……やはりロマンに惹きつけられてしまったのだろう。
ブラスミさんに関しては分からなくもない。何せ、この機体は彼との共同開発だからね。その成果を見たいのだろう。
「でも、出来ればモニター越しで見ていて欲しいんだけどね」
「野球観戦も、ドームで見るのとテレビで見るのでは迫力が違いますから」
アル……言いたい事は分かるが、野球観戦とは比じゃないレベルでこっちは危険だからね?
確かに彼らのレベル等を考えれば、自分達の身は自分達で守れる。なんなら周囲の人間だって可能だと思う気持ちも分からなくもない。
だけど、この戦いは質量も消費している魔力量も違い過ぎる。果たして生身で流れ弾を受け止めたり流したりできるのか? と言うと、疑問が残るわけで。
「フォゥ達も目を輝かせながら見て無くて良いんだけどなぁ」
「神獣や雪様の召喚精霊が居るので大丈夫だと判断されたのでは?」
おかしい。どう考えてもおかしい。
こちとらかなり必死だというのに、神獣や召喚精霊にヒーローが居るからと、皆は安心しきった状態でまったりと観戦モードとか。
いやまぁ「がんばれー!」と応援してくれるのは嬉しいんだが、本当に大丈夫なのか? とこちらとしては不安で仕方がない。
そしてまた、相手も相手な訳で……。
「ふはははは! 楽しい。実に楽しいものだな!! 余がこの人形を見つけた時、これで異世界を蹂躙する事が出来る! と思っていたのだが……いやはや、こうも心が踊るバトルを繰り広げる事が出来るとは!」
ロボによる戦闘に興奮して、なんだかとってもイッてしまっている。
あれか? 本人としては、彼にとっての異世界である地球を蹂躙するつもりだった。だけど、全く戦いにはならないだろうと思っていたと。だけど、彼の予想は思いっきり外れてしまい、しかもそれ自体は彼自身が望んでいたモノだった。という事だろうか。
なんて傍迷惑な話だ。
いやまぁ、地球を……と言うか、彼にとっての異世界を蹂躙したいと言うのは理解が出来なくもない。何せ、この戦闘に突入する前に彼自信が語っていた事だ。だけども……。
とりあえず、彼が満足する為にも徹底的に戦い、そして彼の機体を破壊する必要があるだろうね。はぁ……コックピットを破壊しないようにしながらの戦闘になるのか。そうしないと、中に居る彼を潰してしまう。
「殺すつもりは無いからなぁ」
「同情ですか?」
それあるけど、これはある意味では〝尻拭い〟的な戦いでもあるからね。はぁ……正直、しっかりと決着を付けていなかった〝おじいちゃん〟と〝おばあちゃん〟。この事だけは流石に恨ませてもらうよ?
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