閑話・帰還者側が依頼を受ける様になるまでの話
――帰還者。
彼らが帰還した頃の仕事だが、主に離島での活動だった。モンスターの特徴や魔法の使い方など、それらを自衛隊や同盟国の軍人に手解きを行うといったモノ。
だがしかし、自衛隊や軍人達が十分戦えるようになった頃、彼らの役目は全く無くなってしまっていた。
手が空いてしまった帰還者達が次に当たったのは、海中に現れるモンスター討伐を自衛隊の者達と共同で行うといった事。
ただ、基本的には彼らが手をだす事などは無く。主にモンスターの特徴や対処法等をアドバイスする。そういった役割だ。なので、基本的には1人が同行すれば問題が無い。
故に、帰還者達は基本的にだが、自らの家族と共に生活をして家族の安全を最終ラインで守る。その様なポジションに収まってしまっていた。
しかし、彼らの家族が危険な目に遭う。そんな事がドレぐらいの確率で起こるだろう?
誰も知らない保護地区で生活をし、更にはご近所さんは同じ帰還者とその家族以外は〝特殊部隊の人間〟とその家族。国内の重職や同盟国の者にすら伝えられていない場所で生活をする……そんなある意味で鉄壁と言える環境下で、彼らの出来る事など無かった。
そしてまた、最終ラインの防衛戦力とは言ったが、実はその役割もほぼほぼ無くなっていたりする。というのも、その特殊部隊の人達が育っているからだ。
基本的に、この保護地区を守るのは特殊部隊の隊員……というのは当然の話。また、その隊員達が地区の防衛と離島でレベリングに何かしらの任務を交代しながら部隊活動を行ってきた。ともなれば、時間があれば間違いなく強化されて行くのも当然で。
どれぐらいの間だろうか? 帰還者達は国からの要請があった時以外、何もする事が無くただただ意味のない警戒を行うといった仕事をしては、いったい何をしているのだろう? と自問自答する日々を過ごしていた。
実はこの状況には、同じ帰還者ではあるがあの〝問題児〟達も深く関わっていたりする。
というもの、基本的にモンスター討伐など危険な仕事で呼ばれるのは、その問題児達が優先だ。何故なら国側から考えると、いったい何方を先に使うのか? という話になると良く分かる。
保護地区に居る彼らは、基本的に〝大人しい〟といえる者達。であれば、なるべく〝使い捨て〟にしたくない人材といえるだろう。
逆に、TVジャックをしたり、暴走して島の攻略に出ようとした〝問題児〟だが。彼らの場合は、監視が必要かつ手綱を握るのが大変な者達といえる。……そして、ひど言い方をすれば〝怪我をしようが問題が無い〟とも言える訳で。
危険な任務につれていく場合。さて? どちらを先に連れていくのが正解だろうか。確かに其々メリットとデメリットはあるが……国が選んだのは〝問題児〟達だったと言うだけの話。
ただそうなってくると保護地区に居る者達はより一層、暇になってしまうというモノで。
そんな彼らを救ったのは、頭を抱えていたとある地域で長をやっている者だった。
彼は半ばノイローゼになりつつ、国に対して自衛隊の派遣を要請した。しかし、たかが怪奇現象の事で自衛隊を派遣する訳にもいかない。
だが、今この時期に置いて〝怪奇現象〟と言うのは気になる部分もある。というのも、じわじわと異世界が現れて来ている現状。もしかしたら何かしらの影響が出ているのでは? とも考えられる訳で。
そこで国は、余り危険そうでもないこの事件に当って、最近はかなり放置していた〝保護地区の帰還者〟に協力を要請した。
「偶に離島でレベリングに参加させて貰えるとは言え、その頻度も少ないからなぁ……最近はずっと動きたくて仕方がなかったんだよな!」
「保護地区で家族と一緒に守ってもらえるのはありがたいんだけど、完全に外界と隔離されているもんね。刺激が殆ど無いから暇で死ぬかと思ってたよ」
などといった言葉が出るぐらい、彼らは動きたくて仕方がなかった。
しかし彼らは知らない。この日を堺に、彼らの仕事が一気に増えていくという事を。
自然に近い場所で生活する場所には、何処よりも早く異世界が接近してくる。
魔力の濃度・モンスターの出現。それは人々が思っている以上に、多くの場所で現れる事となる。何故なら、基本的に日本という土地は〝自然〟の方が思っている以上に多い国だからだ。何せ、国土の3分の2が森林である。そしてまた、そんな〝自然〟と接触している村等は少なくない訳で。
彼らが〝多忙な依頼〟や〝自分達と日本人のモンスターに対する知識等のギャップ〟などで頭を抱えるまで後……。
ブックマークに評価ありがとうございます!ヽ(=´▽`=)ノ




