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第八章 白竜は堕ちる3

 時はあれから数時間後。

 場所はジークの寝室。


 現在、ジークはブランから聞かされたことを、一人考えていた。

 なお、ブランが話したこと。それを纏めるとこんな感じだ。


 冒険者ギルドルコッテ支部は白竜傭兵盗賊団と組んでいる。

 それどころか、実質的に白竜傭兵盗賊団はルコッテ支部の配下にあった。

 主な役目は村を襲ったり、人を誘拐すること。


 しかしその時、わざと生き残りを逃がしてやるそうなのだ。

 そうすれば、襲われた人が冒険者ギルドへ依頼をしに行くのだから。


 ようするにこれ、マッチポンプだ。

 エミールは自分で事件を起こし、自分のギルドで解決しているのだ。

 それも法外な金を請求することによって。


「クソだな、あいつ」


 やはり、冒険者ギルドルコッテ支部は、エミールもろとも潰す必要がある。

 奴はどう考えても勇者の名を名乗るに相応しくない。

 奴が勇者として存在しているだけで、ジークを激しく不快にさせる。


(出来るだけ早い方がいい。明日中に決行するか)


 などなど。

 ジークがそんなことを考えたその時。


「まおう様……きた」


 聞こえてくるのは、ブランの声だ。

 実は《隷属の証》を刻むために、彼女を呼んでおいたのだ。

 ジークは扉を開き、彼女を中へと招き入れた後、彼女へと言う。


「それじゃあブラン、《隷属の証》を刻むからベッドの上で仰向けになって」


 こくりっと頷くブラン。

 彼女はとことこ歩いてベッドに登ったのち、指示通り仰向けに寝転がる。

 そして彼女は――。


「また……まおう様のものにして欲しい。ブランを……まおう様にあげる」


 と、言ってくるブラン。

 ジークはそんなブランのお腹に、《隷属の剣》を突き入れ――。


「……っ」


 と、何やら身体を揺らすブラン。

 ジークはそんな彼女へと言う。


「どうした? 痛みはないはずだが」


「ん……まおう様のものになれるって想像したら……なんだか身体が勝手に跳ねただけ」


「そうか、大丈夫なら続けるけど」


「ん……続けて」


 …………。

 ………………。

 ……………………。


 などなど。

 そうこうすること数秒。


「よし、《隷属の証》はしっかり刻めたな」


「ん……これでブランは、まおう様のブラン」


 と、言ってくるブラン。

 今では、服の下にしっかり淫紋が浮かんでいるに違いない。


(これでブランの能力も全部手に入れられたわけだ。あとはいよいよ、明日の一件を残すのみ……ブランも疲れているだろうし、今日はそろそろ)


「……まおう様」


 と、ジークの思考を断ち切ってくるブランの言葉。

 彼女はもそもそ起き上がると、ジークへと言ってくる。


「お礼とお詫びがしたいから……うつ伏せで寝て」


「お礼とお詫びって、なんの?」


「ブランに本当のブランを教えてくれたお礼……それと、迷惑かけたお詫び」


「いやだから、そういうのはもういいって。俺は気にしてないし、さっきユウナと話して解決しただろ?」


「ん……でも、ブランの気が済まない……特にまおう様には」


 ジーっと無表情で見つめてくるブラン。

 これは彼女の言い分を聞かなければ、決して引かない覚悟が伝わって来る。


(ブランは早く休ませてあげたいし、ここは俺が折れた方がいいか)


 考えた後。

 ジークはブランへと言う。


「わかったよ。ブランの気がそれで楽になるなら、付き合う」


「魔王様……優しい」


 ジークはそんなブランの頭を優しく撫でたのち、指示に従うのだった。

 その後、ジークはブランにマッサージしてもらったのだった。

 彼女が疲れ、ベッドで寝てしまうまで。


さて……これは毎回、言ってることなのですが


面白かったら、この部分より更に下(広告の下あたり)から、マックス星5までの評価や感想できますので、してくれると参考になります。


また、続きを読みたいと思ったら、ブクマしてくれると励みになります。


ブクマとポイントはどちらも、作者が連載する活力になっています。

冗談抜きで、執筆するモチベーションに関わって来るレベルです。

すでにしてくれた方、本当にありがとうございます。

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