表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/207

第四章 少女の対抗心2

 時はあれから数分後。

 場所は変わらず宿屋の一室。


「えへへ、嬉しいな……」


 と、言ってくるのは、ベッドにちょこりと座っているユウナだ。

 彼女はシーツを身にまとい、自らのお腹をなでなでジークへ続けてくる。


「ねぇねぇ、これであたしってジークくんのものになれたんだよね?」


「あぁ、そういうことだ。そして、ユウナのあらゆる能力は俺も使えるようになった」


「そっか♪」


「……さっきから思っていたんだが、どうしてそんなに嬉しそうなんだ?」


 アイリスのような脳みそお花畑ならばともかく、ユウナは普通の女の子だ。

 そんな彼女が男の――それも魔王の奴隷にされたのだ。

 常識的に考えれば、それは最悪レベルで嫌なことに違いないのだが。


「え、嬉しいに決まってるよ! あたしはジークくんのことが好きだから」


 と、にこにこユウナ。

 彼女はそのまま、ジークへと言葉を続けてくる。


「ジークくんものになれたって印を刻まれて、嬉しくないわけがないよ! それに、これはあたしが望んだことだし!」


「そういう、ものか?」


「そういうものなの! それに、これであたしもジークくんの役に立つし、置いて行かれずに済むかなって……」


「置いて行かれずにって……俺は最初からユウナを置いていくつもりなんかない」


 きっと、ユウナはジークがアイリスと二人で旅立ってしまうと思ったに違いない。

 けれど、どう考えてもユウナを置いていくことは非合理的なのだ。

 なんせ。


(あんな一件のあとじゃ、ユウナも確実に冒険者ギルドにマークされる。あいつらに捕まったら、どんな目にあわせられるかわかったものじゃない)


 ようするに。

 ユウナを今一人にするのは危険すぎるのだ。


「それに、俺はユウナのことを役立たずなんて思ったこと、一度もない。いつも俺を庇ってくれたし、いつも傍にいて元気づけてくれた……そんな人を置いていくわけがない」


「そっか……うん、そっか♪」


 と、嬉しそうなユウナ。

 しかし、ジークはここでとあることに気がついてしまう。


「ん、その手の甲――右手のそれは?」


「え、これ?」


 と、ユウナが見せてくるのは、薄っすらと輝く紋章の様な金色の痣だ。

 彼女はその痣を撫でながら、ジークへと言ってくる。


「なんだか生まれつきあるんだ、これ。普段は見えないんだけど、魔力を使ったり感情が昂ったりすると、薄っすらと今みたいに見えるんだ」


「…………」


「でもどうして? 興味あるの?」


「いや……これは、そんな」


「?

 ひょこりと首を傾げているユウナ。

 けれど、ジーク自身衝撃が強すぎて、説明している余裕がない。

 なぜならば。


 ユウナの右手の甲――そこにあるのは、真の勇者のみに現れる光の剣の紋章。

 闇の紋章と対を成す、光の紋章に間違いないのだから。


さて……これは毎回、言ってることなのですが


面白かったら、この部分より更に下(広告の下あたり)から、マックス星5までの評価や感想できますので、してくれると参考になります。


また、続きを読みたいと思ったら、ブクマしてくれると励みになります。


ブクマとポイントはどちらも、作者が連載する活力になっています。

冗談抜きで、執筆するモチベーションに関わって来るレベルです。

すでにしてくれた方、本当にありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ