ジークとユウナと狐娘族7
そうして時は夕方。
場所は変わらずイノセンティア。
現在ジーク達は帰り道についていた。
「今日はとっても楽しかったぞ!」
と、聞こえてくるのは八重の声だ。
見れば、彼女は狐尻尾をふりふりジークへと言ってくる。
「魔王と友達になれてよかった! 今度また遊ぼうな!」
「あぁ、イノセンティアに居るうちはいつでも付き合ってやる」
と、ジークは八重へと返す。
そして、彼はそのままさらに八重へと言葉を続ける。
「というか、俺を成敗するのはもういいのか?」
「魔王は良い奴だから大丈夫だ!」
「お前の事もユウナの事も、騙しているだけかもしれないぞ?」
「そんなことない! 八重は今日――魔王の行いを見た! その結果で判断したんだ……魔王はとってもいい奴だって!」
「…………」
まぁ、茶屋で団子をいくつか驕っただけなのだが。
それ以外にジークは何もしていない。
しいていえば、ユウナが八重にひたすら『ジークの武勇伝』を紹介していた。
だがしかし。
(八重の奴、茶屋で奢ってからいきなり態度が変わったからな)
なんなら、いきなり『魔王は八重の一生の友達だ!』とまで言われた。
胃袋を掴むというのが、どういう意味かわかった気分だ。
まぁ、若干意味は違うだろうが。
などなど。
ジークがそんな事を考えていると。
「よかったね、ジークくん!」
と、聞こえてくるのはユウナの声。
見れば、いつの間にやら隣をてくてくユウナさん。
ジークはそんな彼女へと言う。
「よかったって、八重の事か?」
「うん! 八重さんに『いい人』ってわかってもらえて!」
「厳密にいうとあれ、動物的に『懐かれている』だけな気がするんだが」
「いい人だから懐かれているんだよ!」
「微妙なラインだと思うけどな……」
「でも、警戒されているよりは嬉しいでしょ?」
ひょこりと首をかしげてくるユウナ。
それは確かにそうだ。
人間だれしも、嫌われているよりは好かれている方がいい。
それに変に警戒されているより、面倒でなくていい。
故にジークはユウナへと言うのだった。
「それもそうだ……ユウナ、俺のために色々と頑張ってくれてありがとな」
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それはもうかなり加筆しているので、よろしければ読んでみてください!!




