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ジークとユウナと狐娘族4

 なんやかんやで、八重が合流してから数分後。

 ジーク達は現在も、イノセンティアの大通りを散歩中。


「そ、それでその後はどうなったんだ!?」


 と、ジークの背後から聞こえてくるのは八重の声。

 そんな八重は、彼女の隣を歩くユウナへとさらに言葉を続ける。


「魔王と同じ宿魔人のブラン……強敵だ! しかも魔王は連戦続きで絶体絶命なんだ! こままじゃ負けちゃうぞ!」


「そこがジークくんのすごい所なんだよ!」


 と、八重へと返すユウナ。

 彼女は自慢げな様子で八重へと言う。


「なんと、勝っちゃうんだよ!」


「ど、どうやって勝ったんだ!?」


「それがね、わざと相手の力を引き出すような戦い方をするんだよ!」


「!?」


 とまぁ。

 ジークの背後からは、ジーク武勇伝がひたすら聞こえてくる。

 正直、かなり恥ずかしい。


 なんせ。

今はブランの話をしているものの……。


(がっつり、最初のエミール戦の時から話し始めたからな)


 どうしてこんな事になったのか。

 それは簡単だ。


(まさか『八重に俺が良い奴とわからせる』方法が、俺のエピソードを全部話すだとは思いもしなかった)


 たしかに合理的ではある。

 ジークはユウナのために、そしてミアの顔を立てるため――不本意だがそれなりにいい事をした自覚はある。


 だがしかし。

 ユウナが語るそれは、ユウナによる独自の解釈が入っていて、聞いていてやばい。

 例えば――。


「ジークくんがね、盗賊と戦った理由は困ってる人のためなんだよ! きっと許せなかったんだよ! ジークくんはそういう人なんだ……苦しんでいる人を絶対に放っておけない――正義の心が燃え盛っているんだよ!」


「お、おぉ! 魔王は熱血正義の魔王なんだ!」


 と、聞こえてくるユウナと八重の声。

 地獄だ。


 先も言った通り、独自解釈もりもりユウナ。

 全肯定素直アホの子八重。


「どうかな? ジークくんがいい人だって、わかってくれたかな?」


「わかったぞ! わかったから、もっと魔王の話を聞きたい! 八重はいい事をする勇者が大好きなんだ! だから、いい事をする魔王は大好きだ!」


 と、またしても聞こえてくるユウナと八重の声。

 前者、ユウナは八重へと嬉しそうに言葉を続ける。


「じゃあ次は決戦の話はどうかな?」


「偽物勇者エミールを懲らしめるんだな!」


「もちろん、ここでもただ戦うだけじゃないんだよ!」


「八重知ってる! きっと魔王は街の人を解放するために戦うんだ!」


 わいわい。

 きゃっきゃっ。


 ユウナと八重による地獄トーク。

 それはまだまだ続くのだった。


『常勝魔王のやりなおし』書籍版3巻

めちゃくちゃ早いところだと、もう読者様の元に届いているみたいです!


エ○シーンが見れるのは、書籍版のみです!!

それはもうかなり加筆しているので、よろしければ読んでみてください!!

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