第六章 ウルフェルトの秘密3
時間にしてわずか数分後。
森に行ったときと同じ方法で、イノセンティアに戻ってきたジークとユウナ。
二人は現在、イノセンティアの中心地――高く聳える城の前に立っていた。
ここに居るのは似非勇者ウルフェルト。
そして、ここにの最奥にあるのは《勇者の試練》。
「ここまで近づけばいくら巧妙に隠そうが、魔力の流れでハッキリわかる」
「じゃあ、やっぱりジークくんが言った通りなの?」
と、深刻そうな表情を向けてくるユウナ。
ジークはそんな彼女へと頷く。
(少し離れた場所――おそらく《勇者の試練》から、細く長い管のような魔力がウルフェルトに伸びている)
そして、その中を通っているのはミアの魔力。
それはウルフェルトの中に入ると同時、奴本来の魔力と混じり汚染。
結果、件の醜悪に歪んだミアの魔力となっている――もはや間違いない。
「ウルフェルトはどういう手段かは知らないが、《勇者の試練》からミアの力をかすめ取っている――あいつは決して勇者なんかじゃない」
奴は絶対に許せない……否、許されない事をしている。
万死に値する罪人だ。
『常勝魔王のやりなおし』の3巻の発売が決定しました!
発売日は11/1なので、皆様に読んでいただけると嬉しいです!
なお書籍版ではいつもの通り、エ○シーンを大量追加しております――具体的にいうと一万文字近くは加筆しているかと……。
これからも気合いいれて書かせていただきますので。
書籍版3巻、コミカライズ版合わせてよろしくお願いいたします!




