ブランは興味を持ってみる6
あれから数分後。
場所は再び噴水広場。
「あは♪ ナイス人選じゃないですか!」
と、聞こえてくるのはアイリスの声だ。
彼女はブランへと言葉を続けてくる。
「安心してください! 私が最強の課題を出してあげますとも!」
「…………」
「さぁ、どんなのがいいですか!? エッなのと、エッなの……それともエッな感じがいいか選んでくださいよ♪」
「……………」
「さぁさぁ、どうですか!? どうなんですか!?」
悪魔羽をパタパタ。
悪魔尻尾をふりふり。
ブランの周囲を旋回しているアイリス。
正直、少し鬱陶しい。
ブランはアイリスの事は好きだ。
けれど、こういうモードのアイリスは少し苦手た。
などなど。
ブランが心の中でため息をついていると。
くいくい。
くいくいくい。
と、引っ張られるブランの服。
アハトだ。
「ブラン、どうしてアイリスを呼んでしまったのですか?」
と、彼女はそんな事を言ってくる。
なるほど――アハトはきっと、こう考えているに違いない。
先ほどブランが言った『誰かに課題を出してもらって、それをどちらが上手くこなせるか』勝負。
ブランはそれの出題者として、アイリスを呼んできたのだと。
「ユウナやジークの方が、出題者としてまともに機能すると思うのですが」
「ちょっと! どういう意味ですかそれ! 失礼ですよ――私がまともじゃないみたいじゃないですか!」
と、ブランの思考を裂く様に聞こえてくるのは、アハトとアイリスの会話だ。
見れば、アイリスは尻尾を逆立てながら、アハトへと言葉を続ける。
「何百年も生き、知識を蓄積した私がまともじゃない訳があろうか!? いやない!!」
「おまえの場合は、その知識をエロに向けるから信頼がないのです!」
「ほぉ……では、アハトはエロに興味がないと?」
「な、ないです」
「ほぉ、ほほぉ……」
「え、えぇい! ブラン! どうしてアイリスを呼んだのですか!」
きれいに飛び火した。
しかし、アハトの疑問はかなりいい疑問だ。
ブランも先ほどから、その答えをアハトに言いたかったのだから。
さてさて。
しかして、その答えとは。
「ん……アイリスが勝手にきた。ブランは呼んでないし、呼ばない……アイリスを呼ぶと、いろいろと面倒になるから」
直後。
訪れるしばしの静寂。
ブランはジトっとアイリスを見。
アハトもまた、何か言いたげな様子でアイリスを見ている。
そして、当のアイリスはというと。
「あは♪ なんか面白そうな電波を、ブランとアハトから受信したので、全速力できちゃいました!」
きゅっぴーんっ!
と、擬音が見えそうな笑顔を浮かべてくるのだった。
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