ユウナとブランと冒険者3
「いやぁ、さすがユウナちゃんだぜ!」
「それな! どんな怪我でも一瞬で直しちまうとか、さすがはユウナちゃん!」
と、言ってくるのは冒険者達だ。
彼等は今では、すっかりぴんぴん状態だ。
(あたしの回復魔法が、しっかりと効いたみたいでよかった)
などなど。
ユウナがそんな事を考えていると。
「ん……ブランもやりすぎた。氷漬けにするのは今後しない……反省」
と、聞こえてくるブランの声。
冒険者達の一人が、そんな彼女へと言う。
「そんなに重く考えなくていいって、ぶっちゃけブラン様にやられた怪我よりも、仲間内で受けた怪我の方がダメージデカかったし」
「ん……ブラン様?」
「ほらほら、ブラン様って冒険者ギルドでの立場、俺達より上っしょ?」
「エミールの直属の部下だった事を言ってる? それなら……もうただのブランでいい。ん……ブランはもう、エミールと関係ない」
「え、マジ? でも呼びやすいからなぁ、そっちの方が」
「ならそれでいい……ブランはいいブランだから、清く正しくあろうとする人間には心が広い」
ブランがそう言った瞬間。
どよどよとざわめき始める冒険者達。
その内容を聞いてみると。
「清く正しくあろうとしてるって、俺達の事?」
「じゃね?」
「え、やべぇ……なんか滅茶苦茶うれしいんだけど」
「それな。やっぱ、これからは正義の冒険者の時代なんだわ」
ここでユウナはとある事に気がつく。
やはり冒険者達は、ユウナの言葉を守ってくれているのだ。
心を入れ替え、良い冒険者になろうとしてくれている。
(それなら、なんであんなに暴れていたんだろ)
考えた後。
ユウナはそれを問うべく、冒険者達へと言う。
「ところで、どうしてさっきはあんな事になってたの? 魔法まで使ってたみたいだし、喧嘩……ってわけじゃないんだよね?」
「それなら簡単っすよ! こいつが新冒険者ギルドの方針にかんして、あまりにもアホな事を言ってきたんで――」
「あ? 誰がアホだてめぇ!」
と、会話に混ざって来る別の冒険者。
これでは、また戦いが始まりかねない。
故にユウナはそんな彼等へと再び言う。
「ちょ、ちょっと待って! とりあえず話を聞かせて!?」
「実は――」
と、一連の騒動を語り始める冒険者達。
彼等の言葉をまとめると、こんな感じだ。
結論から言うと、彼らが揉めていたのは、新冒険者ギルドの依頼料について。
旧冒険者ギルドは依頼するだけで、法外な金を取られていた。
新冒険者ギルドでは、まずそこを治そうという事になったそうなのだ。
そして問題が発生した。
住民達のために、依頼料無料にした方がいい派閥。
最低限の依頼料は取らないと、新冒険者ギルドが立ち行かなくなり、住民を守れなくなる派閥。
この二つが言い争いを始めたのだ。
結果、その言い争いはエスカレート――件の騒動に至ったそうな。
「だから、そもそも今の俺達は住民達からの信用がねぇんだ! しかも、住民達には大きな負い目がある……無料の方がイイって言ってんだろうが!」
「はぁ!? このバカが! それだと長い目でみたら、冒険者ギルド潰れるから、住民のためにならねぇって言ってんだろうが!」
「なんだその口の利き方は!?」
「あ!?」
「お? なんだ、やるか?」
と、睨みあう冒険者達。
中には互いの胸倉を掴んでいる者達も居る。
「だ、だからちょっと待って! 暴力はダメだよ!」
言って、ユウナは冒険者達の中へ割って入る。
すると。
「そうだ、ユウナちゃんに決めてもらおうぜ!」
「あぁ、そうだ! それがいい!」
「ユウナちゃんが決めた事なら、どんな事でも従うぜ!」
「おうとも! ユウナちゃんは新冒険者ギルドのグランドギルドマスターだからな!」
と、聞こえてくる冒険者達の声。
なんだか、難しい話になってきた。
けれど、騒ぎが治まって本当によか――。
「え、グランドギルドマスターってなに!?」
ものすごく早い所だと、そろそろ『常勝魔王のやりなおし』2巻が置いてあるころだと思います。
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エ〇シーンは約2章分くらい追加しております!
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アハトのあんなシーンがあるかも・・・
さて
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