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第49話 魔法研究所(仮)の戦術魔法教官①

話し合いが終わり、国側の参加者達はめいめい撤収に取り掛かり、官僚の皆さんは早くも退室を始めていた。


往路と同じく、VTOL機なのかヘリになるのかはわからないが、復路も陸軍が空路で満峰山まで送ってくれるという。それがいつになるか、取り敢えず俺達も会議室から退室しようかと席を立ったところ、ふいに竹内中尉から声をかけられた。


「土方竜太さん、ウチのボスが挨拶したいって言うのだけど、少しお時間いいかしら?」


勿論、断るなんて選択肢は存在しない。



会議室には既に俺達と新村司令達のみとなっていた。こちらは援助を受ける側なのだから、本来なら俺の方から挨拶と援助の礼を述べに新村司令の元を訪ねなければならないところなのだ。


「閣下、この度は誠に有難う御座います」


「閣下は止せ。そう硬くなる必要はない。肩が凝るぞ。」


「はぁ。」


新村司令はそう言うや、頭を下げる俺の背中をバンバン叩いた。


俺は将官相手に構えていだけに、意外なフランクさに少々拍子抜けした。


「これからはお互い長い付き合いになるんだ。胸襟を開いてやろうじゃないか、なあ?」


なあ?と振られた幕僚の神田中佐は、新村司令から引き継いで話を進める。


「先程伝えた援助とは別に、何か困った事があったり、必要な物があったらその都度言ってくれて構わない。可能な限り手配しよう。」


「有難う御座います。とても助かりますが、何か有るのでしょうか?」


上手い話には裏があるものだ。


「いや、大した事じゃないさ。魔物狩りと情報提供の他にこちらからの依頼を受けて貰いたいのだ。」


俺達が思っている以上に国防軍の俺達への期待値は高いのかもしれないが、様々な想定外の出来事に際して便利使い出来る駒にしたい、という思惑もあるのだろう。勿論、俺達にしても国防軍がそうした要求をして来る事は想定内だ。しかし、そこには転移者達の命が掛かっている為、実施困難な依頼や要求に唯々諾々と従う事は出来無い。そこは一言でも確認しておかなければならない。


「わかりました。可能な限りで良ければ依頼に応じます。」


「勿論それで構わない。それと、移動手段は検討するが、たまにはこちらに顔を出してくれ。司令と私からは以上だ。」


新村司令と神田中佐は別れ際に俺と握手をして退室して行った。しかし、竹内中尉は残っている訳だが、


「さて、私からも幾つか伝達事項があるから、もう少し付き合ってくれる?」


まだ何か有るようだ。いい知らせか、悪い知らせか。


「まず1つは」と言うや、竹内中尉は真琴の肩を抱く。


「?」


「ジャ〜ン、実は私と朝倉少尉は士官学校の同期生よ!」


「はあ、」


今日はよく「はあ」と言う日らしい。


「マコォ、全然連絡付かないから、どうしたのかと思って心配したよ。こんな所に居たとはね。」


「ごめんね、最初は成り行き上秩父に残らなければならなかったのだけど。今は任務プラスαで、ね。」


そう言って真琴は俺をチラッと見る。


「ほほ〜う?あのお堅いマコにも遂に彼氏が出来たか。」


竹内中尉はほぉほぉとか、ふむふむとか言いながら俺を値踏みするように見る。


「ちょっと、優!やめてよ、竜太君に失礼だよ。」


「まぁまぁ、マコの彼氏がどんな男か気になるんだよ。」


長くなりそうなので、友達同士の再会に水を差すようだったが、俺は竹内中尉に伝達事項その2以降について促した。


「盛り上がっているところ申し訳ありませんが、伝達事項の続きをお願いします。」


「ああ、ごめんなさい。それでは手短に。それは土方さんとご友人の斉藤さんの身分についての事よ。」







お読み下さり、誠に有難うございます。

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