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第48話 会議始まった?②

そして、その後は口頭でのみの遣り取りとなる。非公式の援助の、更にあまり表沙汰には出来ない密約の類だ。


小休止になると駐屯地の3名以外の国側の出席者達はそれぞれ会議室から退室して行った。すると新村司令と神田中佐、竹内中尉の三人は席を立って俺達の元に来ると、早速その本題を切り出した。この新村司令という人は多少せっかちなのかもしれないが、蝶々ヲ要セズ剣アルノミといった根っからの武人タイプなのだろう。俺としては好感が持てるオヤジさんだ。


「さて、ここからはオフレコだ。我々と君達のみの同意事項となる。」


新村司令はそれだけ言うと、俺達全員を「わかっているだろうな?」といった感じで見回す。そして誰からも異論が出ないとわかると話を続けた。


「では、そちらから事前に提案があった通り、転移者達で作る自衛組織には害特封地の内側から魔物の掃討を行ってもらいたい。そしてその中で知り得た情報も適宜提供して貰いたい。よろしいか?」


「こちらから言い出した事ですから承知しています。」


「差し当たって何か要望は有りますか?」


具体的な内容になって神田中佐が話を引き継いだ。魔物の掃討をするという事なら武器が必要だ。転移者でも有志連合軍の兵士達は剣などを所持している者もいたが、大半の者が領民を守っての撤退戦からの敗走の際に主兵装を失っている。ましてや狼村の村民に至っては身一つで転移して来ているため武器と言えるようなものは誰も何も持っていない。


俺はこうした事情を話し、転移者達が必要とする武器の提供を依頼した。


「銃などの現代兵器は渡せないが、具体的にはどういった武器が必要なんだろうか?」


実際に武器を取って戦うのは転移者達だ。なので当事者に話を振ってみる。


「ガーライル、どんな武器が必要だ?」


ガーライルは急に話を振られてしどろもどろになりながらも答える。


「えっと、まず剣と槍、弓矢、ナイフ、盾と鎧なんかも有ればいいと思います。」


それを聞いて、思わず唸ってしまった。神田中佐も難しい表情をしている。というのも、今の時代ナイフ以外はどれも武器としてはどこも作っていないだろうから。


剣は兎も角、刀ならば国内に刀匠もいて、今でも刀を製作している。しかし刀は繊細な武器で、メンテナンスも大変であり、国防省若しくは国防装備庁から大量の発注があったら何事かと忽ちマスコミに嗅ぎつけられてしまう。槍も弓も今ではスポーツか武道。盾なんて特注になり、鎧なんて日本の物も西洋の物も趣味のレプリカぐらいしか作っていないだろう。しかし、だからといって転移者達にナイフのみで魔物と戦わす訳にはいかない。


と、ここで舞が手を挙げ、「一つ提案なんですけど。」と前置きし、武器の調達について代案を出したのだ。


「剣は取り敢えず大振りのサバイバルナイフなどで代用して、弓はエーリカさんの弓を見ると洋弓の様なので、アーチェリーでもいいのではないかと。槍と盾は後で考えるとして、鎧はモトクロスや格闘技で使うプロテクターなどで代用出来ます。まずはそういった代用品で揃えてみてはどうでしょうか?」


「何も無いよりは、取り敢えず有る物から始めて体裁を整えようという訳だな。」


「はい、先輩。」


「そのアイデアいいね。採用しよう。」


神田中佐が舞の提案を聞いて俄然やる気を見せる。こういう秀才型の人は一度方向性が定まると突き進んで結果を出すものだ。おそらく、後は神田中佐に全て任せてしまって問題無いだろう。


しかし、自分達の生存の為とはいえ、追い追い装備を整えて行くにしても、転移者達にナイフにアーチェリーにプロテクターで魔物との戦いに送り出すのも辛いものだし、彼等に対して申し訳ない気持ちでいっぱいだ。せめて装備が整うまで、俺は転移者達に出来るだけ同行して安全性を高めようと思った。



お読みくださいまして、有難う御座います。

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