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第172話 キャストンの休日②

そう言えば斉藤はこの世界に転移してからこっち、全くと言って良い程この異常事態に動じる事が無かった。淡々とこの事態下で生き残るべく奔走し、淡々と魔王国軍と戦い、淡々と俺を支えてくれた。その動きは実に受動的にして能動的。しかし、元の世界に戻る事に関してはカケラの積極性も見せなかった。


「じゃあ、タケは最初から元の世界に戻れるってわかってたのか?」


「漠然とだけどな。はっきりした事はわからん」


いやお前、そこは漠然とであろうが何だろうが言って欲しかったぞ。


俺のこうした気分が伝わったものか、表情に出たものか、斉藤はその理由について語り出した。


「ユーリカから予知能力者は予知した未来の出来事を無闇に口に出してはならないと言われている。俺が未来の出来事をお前に話したら、お前はその予知に引きづられて本来の道を見失う恐れがある。それは結局、誰かの恣意によって未来が変えられる事を意味する。人は自らの目で未来を見通し、自らの手で未来を探り掴まなくてはならない、のだそうだ」


「そ、そうなんだ…」


ユーリカからそう言われたのならば、斉藤は例え俺達の未来を知っていたとしても口を割らせるのは困難だろう。


しかし、そうであるならば予知能力者とは実に孤独な存在だ。未来を変えるかもしれないからと予知した未来を誰にも教えられない。例え身近な誰かが死ぬ未来を予知しても、その誰かにその予知を教える事は出来ず、その死を傍観しなければならないのだ。もし予知のままその人が死んでしまったら自分を責めてしまいそう(※個人差あり)でもあり、その苦しみを共有出来る者もいない。


「じゃあ、タケは元の世界に戻る事が出来るとわかっていたからユーリカに会えなくても平然としていたのか?」


「ま、そういう事だ」


俺が揶揄っても斉藤は「それがどうした」といった感じで乗ってこない。いつも奴にはハーレムネタで揶揄われている俺としては、ここで一矢報いてやりたかったのだがな。


まぁ、しかし、異世界に転移してから慌ただしく、戦ってばかり。こうして午前中から何もせず(探知魔法で索敵・警戒中だが)、寝っ転がっていられるのも初めての事だ。たまにはこうした時間を持つのも良いだろう。


と、そんな折、屯所の外に人の気配を感じた。


「先輩、お疲れ様ですって、寝てますね」


舞が屯所の扉から顔を出す。


「お兄ちゃん、斉藤さん、そろそろお昼だよ。お昼ご飯出来てるから起きて」


「今日は私と雪枝ちゃんとリッキーですいとんを作ったのよ」


「和食を作るのは初めてでしたけど、頑張りました」


雪枝と真琴とフレデリカも舞に続いて顔を出した。


彼女達が開いた扉の向こう、屯所前庭ではエーリカ、サキ、アーニャ、ユリィが木陰の石畳に布を敷いて昼食の準備をしている。風に乗って美味そうな匂いが漂って来て、スープの匂いに食欲が刺激され、急に空腹を覚えた。


どうやら久々の親友と二人きりの時間も終わりのようだった。


「みんな、ありがとう。タケ、じゃあ昼飯にするか?」


俺と斉藤は寝転がっていた長椅子から起き上がると、屯所を出てエーリカ達の元へ向かう。


「リュータ教官、タケさん、どうぞ?」


木陰で敷き布に腰を下ろすとフレデリカが薬罐で煮出した温かい麦茶を出してくれた。俺はフレデリカに礼を述べて一口啜ると、口の中に香ばしい麦茶の香りが広がった。


「はいリュータ、熱いから気を付けてね」


ユリィが俺と斉藤に木椀から湯気の立つアツアツのすいとんを手渡してくれた。


エーリカ:「それでは皆さん、いただきます」

一同:「いっただっきま〜す!」


ハーレムハーレムと揶揄われたりもするけど、やっぱり可愛い女の子達に囲まれるのって、イイネ!

いつも『魔法修行者の救国戦記』をお読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。


それでは次話もお楽しみに!



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