第157話 地下室のデスメロディ②
竜太「やあみんな、土方竜太だ」
エーリカ 「最近は『呪術廻戦』が『鬼滅の刃』に続いて人気じゃない?この小説にも取り入れたらどうかしら?小学生でも真似出来るようにカッコいい決め技を叫ぶとかさ」
竜太「じゃあ「竜域展開」「竜の呼吸」「竜解」「土方竜太、修行者さ」ってのはどう?」
エーリカ 「全部パクリじゃない!最後のは技じゃないし!もう今回は私がキメるからね。それじゃあ『魔法修行者の救国戦記』スタートよ!」
竜太「でも戦う前にそういうのいちいち言ってたらこちらの意図が読まれちゃ 「黙りなさい」はい」
サラクーダ大学第2キャンパス地下室攻略中、地下1階に続き地下2階の制圧にかかるとそこには分体はおらず、魔王国軍に捕らえられていた虜囚達を発見した。
地下2階はもともと魔法の研究室であったようだが、現在は檻が設置され、虜囚達の排泄物などの臭いが漂っていた。
ここに捕らえられていたのは獣人達で、虎獣人の男性が3人、獅子獣人の女性が4人に戦兎族と思しき兎獣人の女性が3人の計10人。何れも若い男女、衰弱しているものの食事は出されていたようで、栄養状態はそれ程悪くはないようだった。要は生かさず殺さずといった感じで監禁されていたのだろう。
俺は直ぐに有志連合軍の隊長アンドリューに伝令を出し、彼等を地上階に搬送する人員の派遣を要請して救出にあたらせた。
地下2階はこのように虜囚達の発見と救出に終始したが、問題はその下階、地下3階だった。そこで俺達が発見したのは虜囚ではあったものの、彼等の額には既に分体の角が寄生させられていたのだ。
だが、幸いであったのは、地下3階での虜囚達(黒狼族の人狼3人、犬獣人5人、豹獣人が7人)はまだ角を寄生させられて間が無かったようで、未だそれぞれが自我を保てていた事だった。
さて、ではこの角を寄生させられた虜囚達をどうするか、だが。
無論、彼等を始末する訳にはいかない。それが最も手っ取り早いのだが。かといって放置すれば角の侵蝕は広がり、やがて自我を失って俺達に牙を剥き、そして分体となってしまうのだ。
そこで俺は地下4階の制圧を武田少尉に指揮を任せると、念話で斉藤に地上階から回復魔法を使える者を派遣するよう求めた。
すると、間も無く斉藤がエーリカ達を連れて地下3階に降りて来た。
「リュウから回復魔法が使える者を寄越すよう頼まれたって言ったら、お前のハーレムメンバーがみんな来たぞ?」
「ハーレムメンバー言うな。それに雪枝は妹だから」
確かにエーリカ始め、サキ、アーニャ、真琴、舞は皆回復魔法を使えるし、雪枝はかなりの使い手だ。フレデリカは、まだかなり伸び代がある。
「で、リュータ。何を始めようというの?」
エーリカが両手を腰に当てるポーズで俺に尋ねる。俺は集まってくれた全員を見回してから虜囚達の角について考えていた事を話した。
「この地下3階には角型寄生体に寄生されて間も無い虜囚達がいる。彼等をこのまま放置すれば自我を失って、やがて分体となってしまう。といって今すぐ殺してしまう訳にもいかない」
ここでいったん言葉を切り、皆の反応を窺うと、皆一様に頷く。
「だが、既存の技術では角を除去する事は出来ない。なので、まだ未知で危険はあるが俺の能力と魔法で角の除去というか、摘出を試みようと思うんだ」
息を飲むような声の後、俺の説明を聞いた皆は一様に黙り込んだ。
そこへ斉藤が疑問を呈した。
「だが、リュウ。どうやってだ?」
「アポーツで寄生している角と、角から身体中に伸びている角の根を取り寄せて除去する
。そしてすかさず回復魔法をかければ、というところだな」
「ねぇ、お兄ちゃん。それって失敗したらどうなるの?」
「先輩、そんなどうなるのかもわからない事をまだ生きている人にするなんて良くないですよ」
そういう懸念は尤もだと思う。俺達のいた世界じゃ許される事じゃない。やむを得ない場合の緊急避難という考えはあるにしても。だが、このまま
「…でもこのままその人達を放置しておけば確実に分体になって私達の敵になる。そうしたら殺すしかない」
アーニャが俺の話を継いで淡々と事実を指摘する。
「そうね、彼等がいつ角を寄生させられたのかわからないけど、着実に角の侵蝕は進んでいるんだから、どうするにせよ手を打つなら早い方がいいわね」
「「…」」
エーリカの冷淡にも聞こえる言葉に雪枝と舞は絶句していた。
こうしたところに人権主義が広がった向こうの世界と、まだまだ生きる事に精一杯なこっちの世界の考え方の違いが浮き彫りとなる。
「じゃあ、今のうちに当事者達に訊いてみたらどうですか?」
「「「それだ!」」」
サキの提案に賛同する一同。
サキは客観的な物の見方、考え方をする女子だ。議論や話合いで感情的になったり煮詰まったりした時にサキの客観的な意見や提案は実に効果的で、俺も随分と助けられている。
虜囚達の中には黒狼族の人狼もいる。俺はそれまで黙って聞くだけだったギュンターにその族長としての覚悟を問う。
「聞いた通りだ。黒狼族に関してはお前の部民だ。やるやらないの判断は任せる」
ギュンターは俯き黙って聞いていたが、やがてコクリと頷くと顔を上げた。
「リュータ様、人狼達については僕が責任を持ちます。やって下さい、お願いします」
ギュンターは人間でいえばまだ高校生くらいだ。種族や立場、住む世界などが違うとはいえ、若きギュンターにそこまでの責任を負わすのも酷な事かもしれない。しかし、顔を上げたギュンターの表情は幼さが残るものの、それは紛れも無く男の顔であった。
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それでは次話「地下室のデスメメロディ③」もお楽しみ!
ヘスラー大佐「Boys … too many boys」(ガキばかりじゃないか !)」
♪ 嵐でも、雪でも、日の光さすときも、
うだるような昼、凍えるような夜、
顔がほこりにまみれようと、我らが心はほがらかに
我らが戦車、風を切り、突き進む!
『バルジ大作戦』より




