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第148話 謎が謎呼ぶ謎ワード

竜太「やあみんな、土方竜太だ」

サキ「リュータ、この物語も中盤を過ぎたんでしょうか?」

竜太「さぁねぇ。果たしてどこまで続くのか、作者のみぞ知るってところかな」

舞「でも、そろそろアニメでいえば主題歌と主役メカを交替させて心機一転させる時期じゃないですか?」

雪枝「どっちも無いけどね」

真琴「ついでに路線も変わっちゃったりして」

竜太「おっと、ダブルゼータの悪口はそれまでだ。それでは『魔法修行者の救国戦記』スタート!」


エーリカ「じゃあ、リュータMkⅡとかw」

アーニャ「リュータRXとかw」

屋上から制圧隊、射撃隊を率いて中庭に出ると、そこには砕かれて滅びた竜牙兵だった灰が火山灰のように真っ白に積もり、その上に破壊された盾や剣が重なっていた。


「なあタケ、百歩譲って竜牙兵の骨はわかるとしても、あの剣や盾は一体何処から出たんだろうな?」


単純に考えれば元から盾も剣も死霊術者が用意しておいて、竜牙兵に持たせたと考えればいいのかもしれない。じゃあどうやって用意したのか?千以上の盾と剣だ。揃えて、運んで、持たせるだけでもかなりの人手が必要なはずだ。しかし、ここにはそんな人手は何処にも、少なくとも魔王国軍には無いはず。全くもって謎だ。


斉藤は拾い上げた竜牙兵の剣を裏、表としげしげと手に取って見ながら考え込む。


「結構ちゃんとした剣だな。元から用意したものじゃないとしたら、錬金的なものかもしれないな」


出ました、錬金術。異世界だけに本当にあるのか?じゃあ、俺が錬金術師になったとしたら「竜の錬金術師」とか?


「くだらない事を考えている暇があれば、さっさと部隊を進ませておけ」


斉藤は俺に冷たい視線を向ける。流石は親友。念話など使わなくても俺の考えがわかるか。


「わかっているよ、眼鏡の錬金術師よ」


「誰が眼鏡の錬金術師か!」




第1キャンパスの左右から戦兎族、有志連合軍が続々と中庭へ進出し、俺達は合流した。


「神使様、戦兎族に戦死者は出ておりません。このまま行けます」

「神使様、有志連合軍も犠牲者皆無。行けます」


戦兎族のラキィさんと有志連合軍のリドリーの報告を聞き、いよいよ俺達はアルメウス公爵を攻めるべく彼が陣を構える大講堂へと歩を進めた。




「待ちかねたぞ、異世界からの勇者よ」


また出たよ謎ワード。今度は「勇者」かよ。


「…残念ながら俺は勇者なんかじゃない。通りすがりの魔法修行者だ。憶えておいてもらおう」


魔王がいるのだから勇者もいるのかもしれない。だが、それが俺じゃない事は確かな事だ。そして出て来た謎ワード「勇者」。だが、俺は敢えてスルーする。何故ならアルメウス公爵からのブラフかもしれないからな。


「そうか、通りすがりの魔法修行者か。君が勇者であればと思っていたが残念だ」


いや、そんなに残念そうには見えないんだが。



今の状況は?といえば、中庭の竜牙兵どもを屠った我等神聖パレンナ同盟軍は、灰だらけの中庭を難なく通過して大講堂にいたり、遂にアルメウス公爵と彼の率いる吸血鬼家臣団と対峙している。彼等の総数はアルメウス公爵も含めて35人。


無論、大講堂とはいえ神聖パレンナ同盟軍の全員を収容する事は出来ない。いや、入ろうと思えば入れなくはないが、大人しく座って講義を聴く場面なんかじゃない。


という訳で、今、大講堂で吸血鬼と対峙しているのは満峰集団と黒狼族、それに戦兎族の例のお二人さんといったところだ。


これだけ人数を絞っても、吸血鬼達よりも数的には圧倒している。だが、吸血鬼の能力がどんなものなのかは知り得ていない。まさか某第4真祖が主人公の小説のように眷獣とかは出ないと思うが、吸血鬼の能力がどんなであれ、負ける事はないだろう。それだけの自信が今の俺にはある。


そして、俺はこれ以上この戦いで味方に犠牲を出させるつもりは無く、吸血鬼をただの一人だって大講堂から出すつもりも無い。大講堂を戦兎族と有志連合軍に包囲させ、猫の子一匹すら逃がさない体制を整えてある。


「御託は結構だ」


「若い者は気が短くて困ったものだ。どの道この後やる事は決まっているのだ。今少し君と話をしてみたいのだがね。どうだろうか?」


何かを企んでいるのかもしれない。言葉による毒は聞く者の精神に入り込み、疑心を生み、心を腐らせる。聞く事によって発動し、作用をもたらす呪術もあるのだ。


だが、と俺は考える。アルメウス公爵、吸血鬼の王の最後の言葉だ。ここは聞いておくべきではないのか、と。


「何か言いたい事があるならば聞こう」


「ちょっと、リュータ。駄目だよ、吸血鬼は人の心を操るのよ?アルメウス公爵の話なんて聞いちゃダメよ!」


慌ててエーリカが俺に翻意を促す。まぁ、言いたい事はわかる。だが、


「大丈夫だ、俺には効かないよ。耐久性があるからな。それに皆には聞かせないようにするから」


何と言っても俺の父親は人の心を操る能力者だ。俺は18年もその影響下にあった。勿論、吸血鬼の王とはレベルが違うだろうが、心構えが有るのと無いのとでは術の効き方は違う。


俺は風魔法で空気を振動させると、俺の背後に控える仲間達に俺とアルメウス公爵の会話が聞こえないよう音を遮断した。


すると、忽ち俺とアルメウス公爵の周りが無音状態となる。


「これで誰にも聞こえないはずだ」


「済まないね、気を使って貰って」


う〜ん、気障ったらしいのが実に様になっているな。何千年、という事はないだろうが、少なくとも何百年に渡る気障道(?)の蓄積はそんじょそこいらの輩が出せる代物じゃないという事か。


「だが、こんな事して大丈夫なのか?その"角"は魔王への裏切りを許さないと聞いたが?それに軍監だっているんだろう?」


「心配して貰えるとは嬉しくなる。だが、無用だ。この"角"はそこまで高性能ではない。具体的な魔王への叛乱を起こし、それを向こうが認知しなければ"懲罰"は発動しない。それにあの軍監も我等が同志なのだ」


いや、また「我等が同志」なんて謎ワードが出た。俺はどっちの世界とか関係無く大切な存在を守りたいだけであり、この世界の連中の事情なんて興味も関心も無いのだが。あまり俺を巻き込まないで欲しい。


いや、だったら問答無用で仕掛ければよかったか?失敗したかな。




いつも『魔法修行者の救国戦記』をお読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。


それでは次話もお楽しみ!


「みなさんは日々、本当にたくさんの訓練をこなしてらっしゃると思います。

たくさん汗もかいてらっしゃいますし、つらい思い、苦しい思いもされていると思います。

みなさんが1滴汗を流すと、誰かが流す涙が1滴減ると思います。

みなさんがたくさん汗を流してくださるので、我々は涙を流さずに済んでおります。

僕がこうして今、ヘラヘラしていられるのも、みなさんのおかげです。

我々の未来から悲しみを取り除いてくださって、本当にありがとうございます。感謝しています。頑張ってください!」


カズレーサー・沸騰ワード10より

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