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第137話 Tチームの大乱戦③

雪枝「やあみんな、土方雪枝だよ。舞ちゃんはお兄ちゃんと剣道部で一緒だったでしょ?何か面白いエピソードある?」


舞「高校の時に女子の部室で怪奇現象が多発して、見える娘が言うには「いる」って」

雪枝「うんうん」

舞「それで何でか先輩にお祓いして貰おうって事になったんだ」

雪枝「お祓いってw」

舞「女子部員みんなで先輩に頼みに行ったら、いいよって。そうしたらみんな先輩が部室に来るからって怪奇現象そっちのけで臨時大掃除になっちゃったんだ」


雪枝「それでお兄ちゃんはお祓いなんて出来たの?」

舞「結局、先輩を部室に招待して、みんなでお茶会して記念写真撮って。そしたらピタッと起こらなくなったんだ」

雪枝「女子剣道部がお兄ちゃんとお茶会したかっただけのような気がするけど、『魔法修行者の救国戦記』スタートです!」


舞「でも、みんなで撮った写真、部員の数が合わなくて、明らかに多いんだよ」

雪枝「舞ちゃん、それって…」

舞「うん。他の部の女子部員」



☆ケリィ視点


「うぐっ」


首に蛇腹鞭のデュラールが巻き付きかれ、元ギルマスは呻いた。実は蛇腹鞭となったデュラールにはギザギザの"返し"が、特にその先端に一杯付いているんだ。


その鋭い"返し"は元ギルマスの首に深く食い込み、血管を食い破って出血を強いる。そしてあたしはデュラールで更にギリギリと首を締め付け、"返し"は気管を破り、血液は気管に入り込んで呼吸を困難にさせた。


勿論、元ギルマスは吸血鬼になっているのでこのくらいではすぐに死にはしない。だけど、吸血鬼といえども陸上で息をする生き物である以上は呼吸をしなければならない。しかし、気管に詰まった血液で呼吸が出来ずに苦しい。


もうこの段階で元ギルマスは首の激痛と呼吸困難で冷静な判断など出来ない。そして、私との戦いよりも先にこの苦しみを取り除こうと、遂に槍から自らの左手を離したのだ。


その瞬間、あたしは元ギルマスに巻きつけた蛇腹鞭のデュラールを解くと高く跳躍する。そして、デュラールを今度は斬馬刀に形状を変化させて頭上高く振りかぶると、元ギルマスの左肩から右胸にかけて一気に斬り裂いた。


「ぐあぁぁぁ」


あたしが元ギルマスを斬った残心から振り返ると、元ギルマスの胸の裂孔からは青い炎が吹き上がり、忽ちその全身がその炎に包まれて灰になった。どうも心臓も切り裂いてしまっていたみたい。


「ありゃ、致命傷になっちゃったか」


あたしも大言壮語はしたものの、流石に吸血鬼となった元ギルマスは少々手強かったかな。


あたしが周囲を警戒しつつ荒くなっていた息を整えていると、不意に後ろからふわっと上着が掛けられた。背後を獲られた事に一瞬ドキッとしたけど、掛けられた上着匂いと気配からそれがノブだとわかる。


「ケリィ、あの吸血鬼を倒したんだな。大丈夫か?怪我は無いか?」


ノブは2体の吸血鬼を倒してすぐにあたしの元へ来てくれたみたい。うん。これでノブにあたしの存在感をアピール出来たはず。


「ありがとう、怪我は無いよ。でも、どうして上着を?」


私は気遣ってくれたノブお礼を述べると共に、不思議に思った事を尋ねた。ノブは一瞬言葉を詰まらせたようになった後、視線をあたしから逸らせ、その理由を答えた。


「あぁ、いや、その、ケリィの服が破けていたから、」


「!!」


ノブに指摘され、自分の服、特に上着を見る。すると、あたしの服は元ギルマス吸血鬼の槍の打突によりズタズタに破け、あたしは半裸のような状態になっていたんだ。


急に恥ずかしくなったあたしは、両腕を抱いてノブが掛けてくれた上着の前を合わせた。


「見た?」


「あ、うん。ごめん」


ノブもそう答えると、恥ずかしそうに下を向いてしまった。か、可愛い!


思い起こしてみれば、あたしが異性に肌を見られたのはこれが初めてだったりする。もう、こんなに恥ずかしいなんて。


「ノブ、戦兎族の女のあられもない姿見たんだから、責任取ってよね!」


あたしは少し恥ずかしそうに上目遣いでノブにそう迫る。勿論、戦兎族の女云々は恥ずかしさを誤魔化すための冗談だ。でも、この光景をユリィが見たなら、きっと「ケリィ、あざと〜い」とか言うんだろうなぁ。


でも、効果は バツグンだ!ったみたい。


ノブは一瞬黙り込むと、おずおずと、でもしっかりとこう言ったんだ。


「わかった。俺で良ければ責任を取る!」


えぇっ!半ば冗談で言ったのに、ノブの奴、本気にしちゃってる。でも、本人がそう言ってるのだから、いっか?


「じゃあ、ノブ。これからよろしくね?」


「あぁ、男に二言は無い。俺に任せろ」


こんな流れであたしとノブは付き合う事になったんだけど、あたしとしては命懸けの対価としては十二分かな。


ここは戦場だから、そろそろこの甘い雰囲気から気持ちを切り替えていかないといけない。でも最後に一言だけ。


ユリィ、お先にゴメンね。あんたもライバル多いけど頑張んなよ!


いつも『魔法修行者の救国戦記』をお読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。


それでは次話「Tチームの大乱戦④」をお楽しみに。


「一人消えても明日はまた、だれかがその穴をうめる…

そして、まただれかが帰らぬ人となる…


生と死のシーソーゲーム…

どちらにかたむくかは

だれもしらない…


ここはエリア88…

背中に死を宣告された

男たちのねぐら…」


『エリア88』第3巻より


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