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第132話 特攻野郎Tチーム

竜太「やあみんな、3日ぶり。土方竜太だ」


ガーライル「やあみんな、久しぶり。ガーライルです。大将、少し相談に乗って欲しいのですが」


竜太「珍しな。俺でよければいいよ」


ガーライル「実は俺の中で「舞狼奴」のメンバーと活動方針でちょっとズレが出来まして」


竜太「どんな?」


ガーライル「はい、俺は実は仮面ラ○ダーにすっかりハマってまして。だけど他の三人はアイドリッシュなのとか、うたプリっぽいのとかが好きなんです。この溝をどうすればいいのかわからないんです」


竜太「わかった。ならばアイドリッシュなヒーローを目指せばいいんじゃないか?そうだな、獣人だから「サンバルカン」とか参考にすれば、」


ウルク「舞ウルク!」

アイク「舞アイク!」

ライル「舞ライル!」


ウルク、アイク、ライル

 「三人揃って「舞狼奴」!」


ガーライル「三人って、俺は?」


竜太「そう言えばサンバルカンって三人だったけ。まぁ、他の戦隊シリーズも見てみてくれ。という事で『魔法修行者の救国戦記』スタートだ!」


ガーライル「大将、検索したら4人だと「ジャッカー電撃隊」しかありませんでした…」


竜太「…」

上サラクーダの街区に神聖パレンナ同盟軍は突入する。俺は突入に際し、有志連合軍へアンドリューを通じて分体には兵士単独では当たらず、数の優位を生かして集団で当たるよう指示を出した。


斬り込み隊は後方から守ってくれた援護隊、黒狼族と合流し、上サラクーダを貫くメインロードを議事堂へと進んだ。街区のそこここからは有志連合軍と分体であろう敵とが戦う戦場音楽が聞こえている。


「ねえ、リュータ、あたし達全然活躍して無いんだけど?」


戦兎族の女戦士ケリィがそう不満を漏らす。そんな事を俺に言われてもどうしようもないのだが。


「この先幾らでもあるさ、多分。っていうかここは戦場だぞ、気を抜くなよ?」


「って言われてもこうやる事無くちゃねぇ?」

「ねぇ?」


と言って顔を見合わせるケリィとユリィ。どうにも緊張感の無い2人だ。戦場だというのに、全く。


そうしている間にも、俺達は会敵も無いまま議事堂に到着した。メインロード沿いの建物に先程のような魔法で狙撃出来るような分体が配置されていたらこうも早くは着かなかっただろう。


何故メインロードに全く敵がいなかったのか?それでいて街区には敵が配置されていて、有志連合軍と分体との戦闘が行われているのだ。敵の何かしらの作戦なのか、どうなのか?


「なあ、サキはどう思う?」


俺はあまり軍事に詳しくないサキに敢えてその点について訊いてみた。別の視点からの自由な意見が聞いてみたかったのだ。


「私の素人考えですけど、単純に上サラクーダを守る気が無いんじゃないですか?」


確かにフレデリカは分体が300体程見えると言っていた。その戦力で、この上サラクーダで魔王国軍が優位に俺達を迎撃出来るのは先程の階段路と広場であり、サラクーダ大学を目指す俺達の侵攻を遅らせる事が出来るのは街区での市街戦だ。


実際には階段路で俺達の迎撃に来たのは分体が50体に広場で狙撃してきた4体だけだった。俺が上サラクーダの防衛担当者ならば持てる戦力、つまり300体の分体という事になるが、を全て階段路での迎撃と街区での遅滞行動に全振りするのだが…


確かに、この上サラクーダを守るには300じゃ少ない。奴等の戦う目的が上サラクーダ防衛ではないとするならば、じゃあ奴等は何のために戦っている?やっている事は悪手である戦力の逐次投入だ。


「何か別の目的のために戦ってるのではないかと?」


「別の目的か」


このまま奴等の目的について推測を続けたいところだが、状況がそれを許さない。


「ありがとう、サキ。参考になったよ」

「いえ、リュータのお役に立てれば幸いです」


はにかんで照れるサキ、可愛い。


いやいや、そんな場合ではないのだ。


「リュウ、どうする?このまま俺達だけで議事堂に突入するか?」


「いや、戦いは数だからな。有志連合軍と戦兎族が揃うまで待とう」


斉藤は「わかった」と頷くとあっさり自案を引っ込めた。俺の考えと、この先の展開についてをこうした形で周知させようと態と訊いたようだ。斉藤にも気を使わせているな。


分散した味方の再集結を待つこの時間は敵に様々な猶予を与えてしまうが、自分達にとっても小休止を取り、水分補給や携行食を口にするなど、僅かながらも一息つける時間にもなる。


時刻は正午を過ぎて14時になろうとしていた。季節は初夏で、日没まではまだ4時間以上あるが、戦力の再集結が遅れるとその後のタイムスケジュールが押されて戦闘が夜に入ってしまう。有志連合軍は上サラクーダの街区を攻略しつつ議事堂前に集まるにしても、街道ー上サラクーダルートを攻略して来る戦兎族は、分体の抵抗次第では再集結が遅れる可能性が高いのだ。


そこで俺はこちらから威力偵察と戦兎族の援護のためのチームを向かわせる事にした。


「武田少尉、人選は任せるから街区ー上サラクーダルートを攻略して来る戦兎族の援護に向かってくれないか?」


俺が何でも一人でやる訳にもいかない。この場では階級的に俺の次になり、能力的にも問題がない武田少尉がこの任務には最適だ。


「自分が、ですか?わかりました。やります!」


武田少尉は一瞬目を見張ったものの、偵察と戦兎族援護の任務を承諾すると、早速人選に取り掛かった。


「分体の背後から不意を突きます。ですから少人数でフットワークを良くし、且つ、戦闘力が高いというところで、」


武田少尉がそこまで言ったところで猛烈な自己アピールをする者が出た。誰あろう戦兎族の女戦士ケリィだ。


「ハイ、ハイ、タケダ、あたしなら魔法も使えて戦闘力も高いし、戦兎族もあたしがいれば話が通じるし。何より上サラクーダの街には詳しいからあたしが最適だよ!」


確かにケリィもユリィも魔法も使えて戦闘力も高く、戦兎族だから戦兎族本隊と合流したとしても話が通じ易い。そしてナビなど無いのだから上サラクーダの街に詳しい事は必須といえる。


「わかりました。それではケリィさん、一緒に来てくれますか?」

「もちろん。このケリィ様にお任せよ!」


武田少尉は次に大沢軍曹に声をかける。


「軍曹、いいかな?」


大沢軍曹はちょっとお調子者だが、秩父で魔物相手に連戦し、その後は草創期で手探り状態の魔法研修で努力して魔法を修得している。魔法に関して言えば、俺と斉藤を除けば何気に元の世界では第一人者(の一人)とも言える。しかも、大沢軍曹は年齢も近く、気心も知れているので武田少尉も何かとやり易いだろう。


指名を受けた大沢軍曹は、一瞬チラッと俺に「いいんですか?」という伺いの視線を走らせた。まぁ、彼は国防陸軍戦術魔法教官たる俺の部下という立場だから、一応上官にお伺いを(視線だけだが)立てたのだろう。

勿論、俺は自分で武田少尉に人選は任せると言っている以上否は無く、「俺からも頼む」と黙って頷いた。


「わかりました。お供しましょう」



そして、もう一人は、俺の予想だと彼だな。


「ワイルダー軍曹、頼む」


やはり予想通りオスカーだった。彼は第1次モンスターアタックで魔物との市街戦を経験しているし、海兵隊員としてこうした挺進任務は得意とするところだろう。それにオスカーの魔法力は強く、危険予知・回避の能力もあるから適任と言える。


「ああ、任せろ!」


武田少尉自身の個人的能力と士官としての実力は申し分無く、そして彼が選んだ大沢軍曹とオスカー、それに戦兎族の女戦士ケリィ。この4人はなかなかいいチームじゃないかと俺は思った。


武田少尉率いる挺進チームは戦兎族援護に向かわんとしていた。俺は整列する武田、大沢、オスカーからの敬礼に答礼していると、側からケリィとユリィの「あざといわね、ケリィ」「あによ!」等々の会話か聞こえてきて、


(本当、緊張感ねぇなぁ)


と、俺は少々呆れながら思った。






いつも『魔法修行者の救国戦記』をお読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。


それでは次話をお楽しみに。



サーニャ「あきらめるから、出来ないんだ!」


『ストライクウィッチーズ 』より


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