表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
146/229

幕間24 ラブリーラビットエンジェルの大冒険 完結編

竜太「やあみんな、土方竜太だ。アースラ諸族連合と日本国民との直接的な接触はまだ無いんだが、ガーライル達がSNSにダンスや歌の動画を配信していて、結構人気らしいんだよ、な?」

ガーライル「はい、有難い事に」

竜太「それでグループ名とかあるの?」

ガーライル「ええと(言いづらいな)」

ウルク、アイク、ライル「「「俺達"舞狼奴"でーす!」」」

竜太「え〜と、"まいろーど"でいいのかな?」

ガーライル「…そう、です」

竜太「そんな恥ずかしそうにするなよ。人気なんだろ?自信持って自分の道を行けばいいよ」

ガーライル「…大将!俺達頑張ります。という事で『救国の魔法修行者』」

ウルク、アイク、ライル「「「スタート!」」」


竜太「俺も入れて貰おうかな」

ウルク、アイク、ライル「「「それはちょっと」」」


結局、私とユリィあの吸血鬼騒動の真相を知る事は無かった。というのも、戦兎族の王府からサラクーダ市に住む全ての戦兎族及び同盟諸族の者にサラクーダ市からの撤収命令が出たからだった。


それは勿論私とユリィ、他の情報員や連絡員も例外じゃなく、私達は一年程となったサラクーダ市での冒険者生活にピリオドを打ち、久々に生まれ育った戦兎族のテリトリーに戻った。


それから間も無く、魔王国は何と全世界に向けて宣戦を布告、手始めに隣接する国々へと侵攻を開始した。


エルム大森林は中立地帯である事は全世界から認められている。それは魔王国だって例外じゃないけど、普段は比較的平和と言えるエルム大森林の住民達であっても、魔王国が中立を守ると額面通りに受け止めているおめでたい奴はいない、んじゃないかな?


やはりと言うべきか、魔王国軍は外輪山の谷間を抜け、このエルム大森林に侵攻を開始した。いくら魔王国軍といえど、何の理由も無く中立地帯に侵攻することはあり得ない。何だかんだと屁理屈を付けて、或いは無理難題を押しつけ、出来なかったから謀反の恐れ有りと侵攻するのが世の常だ。


魔王国軍が要求は、魔王国軍との戦闘に敗れてエルム大森林に逃げ込んだ諸国の敗残兵引き渡しだった。


確かに敗残兵はエルム大森林に逃げ込んでいる。魔王国軍は彼等を引き渡せと要求しても、ここには統一された"国"は無い。広い広い外輪山の内側には幾つかの自治都市や自治領、様々な種族の聚落が点在し、それぞれの代表が集まって何かを決めるとか、そういった集まりも何も無い。要するに魔王国軍の要求にエルム大森林を代表して責任持って回答出来る者は誰もいない状態なんだ。魔王国軍はそうした状態を見越して要求したのだろうけど。


魔王国軍の侵攻に際し、サラクーダ市が主となり自治都市、自治領、有力な種族の聚落による対魔王国軍有志連合及び有志連合軍が結成された。


私達戦兎族は女王様の命により、戦兎族と同盟する幾つかの部族と共に有志連合には形ばかり参加し、何だかんだ理由を付けて有志連合軍とは別行動を取った。


それはサラクーダ市が限りなく怪しかったから。だって、私とユリィが冒険者として活動していた一年の間でさえ一体どれだけの事件があった事か。あの吸血鬼騒動もそうだったし、行方不明になる市民の続発にサラクーダ大学での学生大量失踪事件、下サラクーダや貧民街での徘徊するゾンビ騒ぎと枚挙暇が無い。更には不可解な市自衛軍の幹部人事に市議会の無期限閉会。サラクーダ市の上も下も魔王国軍の侵攻に前後して何かが起きているのは明らかだったんだ。私達もそうした情報を王府に報告していたし、他からも報告は上がっていたと思う。


そんなサラクーダ市が持ちかけて来た有志連合に関わるとか、恐くて無理でしょ?



そうして戦兎族はテリトリーに侵攻して来た魔王国軍を撃退した。私とユリィも森中での遊撃戦では頑張ってオークの群を全滅させたりしたんだ。そんな中で私とユリィは王府から出頭命令があった。


「北の大精霊様からのお告げが有りました。もうじきサラクーダ市近郊に異世界からの神使が現れます。あなた方2人は神使と接触して行動を共にしなさい。私も神使を北の精霊樹へ導きため追って出陣します」


女王様直々の勅命を拝命し、私とユリィは再びサラクーダ市の近郊へと向かう事となった。とは言え、近郊と言われても雲を掴むような話。


「どこら辺に行く?」

「神使だっていうんだから、きっと何かしらやらかすでしょ?そうしたらそこへ行けばいいんじゃない?」

「そだね。ユリィ、頭いい〜」

「まぁねぇ」



キャストン侯爵領の領都キャストンは既に領主の命令で放棄され、領民達はサラクーダ市へ避難したという。領主はその時間稼ぎのため、魔王国軍に対し籠城しての徹底抗戦をする構えを見せつつ、魔王国軍を引き付けるだけ引きつけたら街に火を放って水路脱出したそう。


従って領都キャストンからの水運は絶えてしまっていて使えず、私とユリィは中央山地の間道を抜け、オッピス街道からサラクーダ市へと向かった。


ほぼ無人のオッピス街道を行く事3日。これまた無人のパレンナ宿場街を通過した先で、私達は遂に異世界から現れたという神使の一行を目撃するに至ったんだ。


そこはオッピス街道のパレンナ宿場街から4時間ほど歩いたサラクーダ市を見下ろす丘の上。サラクーダ市から出撃して来たアンデットと思われる軍団を百人足らずの人数にもかかわらず、強力な魔法攻撃で蹴散らし、最後には魔法で作り出した炎を纏う竜巻で全滅させていた。


「ねぇ、ケリィ。絶対アレだよね、神使って」


「アレ以外に無いでしょ」


兎に角、物凄い戦闘だった。最後に見た炎を纏った竜巻なんかはそのままサラクーダ市すら更地にしちゃうんじゃない?って程だったよ。


私とユリィは彼等と接触すべく、翌朝、彼等が引き揚げていった先のパレンナ宿場街に行き、漸く神使様一行と接触する事が出来た。


そうして神使様とご対面の運びとなったのだけど、この神使様がなんと朝っぱらから女とイチャつくとんでもない奴だったんだ。


私は別に勅命に従うだけだから、神使の男が何しょうが、誰とイチャつこうが別に構わないんだけど、ユリィは番う相手は自分より強い男じゃないとダメと常々言っていて。だから、ユリィはまだ見ぬ神使様に期待しまくりだったんだ(昨日の夜なんてずーとその話だったよ、ハァ)。その神使様が朝から狼獣人の少女と明らかに最後まではしていなくても、激しくイチャついていた事に私も何か残念な気分になった。だって、二人から唾液やら汗やら血液の臭いまでさせているんだもん、それはそういう事でしょ?


いや、別に神使だからって聖人のような人物を想像していた訳じゃないよ?でもね、だよ。ユリィなんかそのショックから立ち直るまで大変だったし、立ち直ったら直ったでどういう心理なのか、やたらそのリュータっていう神使に突っかかったり、絡んだりするようになっちゃったんだ。ユリィは認めないかもだけど、リュータっていう神使に幻滅しつつも気になってしょうがないんだろうね。親友とはいえ、人の恋路に口は出さないけど。


そうしていると、女王様が率いる戦兎族の本隊がパレンナ宿場街に到着し、やや遅れて生き残りの有志連合軍の部隊が到着した。


そして、その夜に神使様、戦兎族、有志連合軍は会合を持ち、この地で三者による同盟を結ぶ運びとなった。その名も神聖パレンナ同盟。


会合では同盟軍によるサラクーダ市攻略に難色を見せた有志連合軍の隊長と神使に従ういうグレンダ女王とで少し揉めたけど、最後はリュータが上手い事「我々は神に選ばれた戦士だ!」と全員を乗せて会合は大興奮の内に終わった。このあたりの手腕は流石神使様?って感じだったね。


そうして、神聖パレンナ同盟はサラクーダ市を攻略し、生き残っている(かもしれない)市民達を解放する。その上でグレンダ女王が神使様とこの大森林の民を北の精霊樹へと導いて行く事が決まった。


私とユリィはこのまま神使様一行に同行し、サラクーダ市攻略に際して市内の道案内をする事になった。まぁ、それだけじゃなくて神使様と女王様との連絡役もするし、神使様一行の情報を女王様に伝えたりも…


何だかんだ、この神使様と一緒にいると退屈しなさそうだから、私はこの役目は嫌いじゃない。異世界ってのも興味あるしね。ユリィはきっとリュータを狙うのだろうけど、私は神使様一行のタケダって奴が好みなんだよね。サラクーダ市攻略では、今後のために私もユリィもいいところを見せて、私はタケダに、ユリィはリュータにバッチリ印象付けておくとしようかな。




いつも『救国の魔法修行者』をお読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。


それでは次話「サラクーダ攻防戦①」にご期待ください。


「やつらと交渉できるなんて、甘い事を思うな。(略)やつらは、地球人の事なんか、なんともおもっていない…やつらは、ただ、殺す。時には、食う…」

小松左京『見知らぬ明日(あした)』より

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ