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第122話 サラクーダ市って、どんなとこ?①

竜太「やあみんな、土方竜太だ。今回はなんとこの小説の作者が登場」

仁井「どうも、仁井義文です」

竜太「ええと、作者さんは今回は何で出て来たんです?」

仁井「何か質問があったらお答えしようかと」

雪枝「はい!作者さんのペンネームは何か由来でもあるんですか?」

仁井「はい。『聖戦士ダンバイン』に登場するニー・ギブンというイケメンです」

エーリカ「作者さんはイケメン?」

仁井「いえ、残念ながら…」

アーニャ「作者さんはこの小説と同時に別の小説を投稿してるけど、どっちが大切なの?」

仁井「…それを訊きますか」

竜太「えー、そろそろ枠の関係もあるので、『救国の魔法修行者』スタートだ!」


仁井「次回も続くんじゃ」

竜太「マジで?」

サラクーダ市。アースラ大陸の北西にある外輪山に囲まれたエルム大森林の、これまた北西にある自治都市である。


海に面した外輪山の一部が海蝕によって崩壊し、外輪山の内部に海水が進入した事によって出来た入江に面している。入江に注ぐノービス川左岸の入江に岬のように突き出た河岸段丘上にサラクーダ市は建造され、その北側にはノービス川の河口、南側には市に付属するルシタニウス港がある。


サラクーダ市は更に上サラクーダと下サラクーダに分けられる。


上サラクーダは河岸段丘上に東西に細長く伸びた薩摩芋の様な形で、周囲を約4オリャーグ(1オリャーグ=1km)の城壁(高さ10リョーメ、1リョーメ=1m)に囲まれている。更には河岸段丘の下を幅30リョーメの水濠が城壁を取り囲んでいる。


上サラクーダには市議会や市長公邸、裁判所、官衙やサラクーダ大学、富裕層の居住地区があり、港に付随する下サラクーダには石造りの岸壁に埠頭、倉庫群に造船所、工房群や港湾作業従事者の居住地がある。


上サラクーダが山手とするならば、下サラクーダは下町という事になるだろうか。


因みに、下サラクーダは水濠の外側となり、市の人口増加に伴って随時外側へと街区が拡張されている。拡張された街区の一部は急な拡張であったため行政の手が回らずにスラム街のようになっているという。


サラクーダ市からの脱出組であるザックの話によれば、下サラクーダの市民達も魔王国軍の侵攻に際して上サラクーダの城壁内に収容された。そして魔王国軍とサラクーダ大学の魔術師によって真っ先にアンデットにされてしまったという。つまり、俺達と交戦したアンデット軍団は下サラクーダの元市民だったという訳だ。



闇が深い。それは俺が丘の上から見下ろしている明かりがあまり灯らない暗闇に沈んでいるサラクーダ市の夜景を意味するものではない。サラクーダ市という存在そのものが闇深く思えるのだ。


俺は先程までの話し合いを思い出していた。


それは夕食後の事。明日からのサラクーダ市攻撃について各勢力と最終打ち合わせをした後、解散する前の空気が緩んだ雑談の折、舞がふと口にした疑問に端を発した。


「でも、そもそもサラクーダ市の初期の建設資金ってどこから出たんですかね?」


サラクーダ市の歴史は300年程だという。それ以前のその地域は漁村が幾つか点在する鄙びた土地で、エルム大森林では獣人、エルフ、ドワーフなどヒト族以外の種族が自給自足で穏やかに暮らしていた。


そこへ突然のサラクーダ市建設。


それは侵略でも土地の略奪でもなく、元から暮らす原住民達をも取り込んでの事だったようだ。


やがて市の建設が進むにつれ、サラクーダ市にはエルム大森林の内外から人々が集まるようになった。それは市建設の労働者として、商売のため、新天地への移住のため、そして、故国を追われた人々が亡命したためであった。


そして、市の人口は増え続け、街は更に拡張され、亡命して来た学者や魔術師を中心としてエルム大森林唯一の大学、サラクーダ大学が建学される。


「確かにサラクーダ市を建設出来るような財の蓄積はエルム大森林には無いわね」


「そうそう。私も疑問に思っていたの。だって地中海の様な地理的環境でもないのに、一つだけポツンとあんな立派な城壁を巡らせた都市があるんだもん。その辺のお金ってどうなってるんだろうって」


「へぇ、街を作るお金の流れって、面白い事に興味を持つのね?」


舞の疑問に真琴、雪枝、エーリカが食いついた。


「その辺のところって、どうなの?」


アーニャがここにいる唯一のサラクーダ市民であるザックに尋ねると、「考えた事もない」との事だった。


「まぁ、金の流れってのは結構重要な事でさ。その事件だったり、戦争だったりに誰が出資しているかが分かると、その黒幕や真犯人が予想出来たりするんだよ。だからサラクーダ市の建設に誰が金を出したかでサラクーダ市を作った目的や出資者の思惑なんかも透けて見えようって事さ」


俺がその様に説明すると、周りの皆からは感心した様な「へぇー」という声が漏れ聞こえた。


金の流れは犯罪捜査でも警察は真っ先に調べる。大学のゼミの友人はこの手法を歴史研究に取り入れて応用し、歴史上の謎を解明するのだと言っていた。ある飲み会の席で本能寺の変が話題に上り、その友人がその手法でそれを手始めに解明するんだと意気込んだところ、別の男子のゼミ生が、


「明智光秀は織田信長から四国征伐を命じられ、光秀はその資金を叛乱に流用しただろう。じゃあ本能寺の変の黒幕は織田信長ってか?」


などと言ったものだから、酒の勢いもあってそのまま殴り合いの喧嘩となり、その居酒屋を出禁にされてしまった。まあ、今となってはそれも楽しい(?)思い出だ。あいつ等元気にしてるだろうか。


「エルム大森林に財の蓄積が無いのだとしたら、市の建設費は外からの資金という事だな」


斉藤が断定するように言った。これには俺も賛成。


「では、その外からの出資者とは誰なんでしょうか?」


そう言った武田少尉の問いかけに誰も答えず、元の世界出身者達の視線は自ずとこの世界出身者、特にこの世界の国際関係に詳しそうなアーニャへと向けられた。


「う〜ん、色々な国の思惑があって、どことは断定できないわ。私の家が侯爵家としてこのエルム大森林で自治領を維持出来てたのも、森林内の力関係もあったけど、外部勢力との利害関係もあったもの」


アーニャはエルム大森林の自治領主の娘としてそれなりに政治や外交に通じているようだ。それでもやはりどことは言えないらしい。


「じゃあ、こう考えたらどうか。サラクーダ市の存在によって誰が、どの国が、どの勢力が最も利益を得ているか」


「そんなの、魔王国に決まってるじゃない」


そうした斉藤の問いに真っ先に答えたのは、意外にも戦兎族のユリィだった。






いつも『救国の魔法修行者』をお読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。


それでは次話「サラクーダ市って、どんなとこ?②」にご期待ください。


夜の闇が、茶番を隠す。

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