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第121話 神聖パレンナ同盟小爆誕

竜太「やあみんな、五日振り。土方竜太だ」

サキ「リュータさんの世界では願い事を叶えたい時ってどうしてますか?」

雪枝「七つのドラゴン○ールを集めるのよ」

舞「聖杯を手に入れるのです」

真琴「幻の銀水晶!」

山本「四魂の玉は?」

武田「ワンピース!」

畠山「ボルテックスを手に入れろ!」

斎藤「…イデ(ボソッ)」

トッド「猿の手」

竜太「あーっ、もう!努力すんだよ、努力を!それじゃあ『救国の魔法修行者』スタートだ!」


サキ「色々な手段があるんですね。私はもう叶えつつありますけどね」

三者会談の二日後の朝、会談での取り決め通り俺達満峰集団、戦兎族、有志連合軍サラクーダ派遣隊はパレンナ宿場街を出発し、一路サラクーダ市へ向けて進軍を開始した。


会談では三者が連合し、その名称をどうするかについても話し合われた。何でも、呼び名が無いと不便だという事だった。


それぞれが「自分達」と言った場合、それぞれが所属する集団を指すのか、それとも三者が連合した全体を指すのか?


勿論、そこは会話の流れでわかるだろうし、文章ならば文脈でそれが何を意味するのか読めるだろうが、あった方がいいだろうという事だ。


この名称については皆から多くの候補が挙げられた。俺が聖戦だとか、選ばれた戦士だとか言ったものだから、それに因んだものが多かったのだが、雪枝が挙げた(多分ウケ狙いで)名称をこの世界の皆が気に入って食いついてしまい、大いに盛り上がって圧倒的多数でそれに決まってしまった。その名称とは、驚くなかれ「神聖パレンナ同盟」だ。


正直、俺は嫌だった。なにが神聖なんだか。しかし、戦兎族のグレンダ女王も「なかなかよろしいのではないでしょうか?」と乗り気で、有志連合軍のアンドリューも「神に選ばれし我々に相応しい」とやる気満々。そんな空気の中で「神聖?ちっ、違いますから」とは流石の俺も言い難かった。


そして、名称、作戦と来て話し合って決めたもう一つの重要事項。指揮命令をどうするか?


グレンダ女王とアンドリューは、俺が神使なのだから俺が盟主と主張し、神使とかいう問題を出されると俺もこれを拒む事は出来なかった。どうしてって、自分で神だ精霊だ聖戦だとぶち上げてしまったからだ。あの場を治める為に言ったとはいえ、何かと縛られる。


という訳で、俺達神聖パレンナ同盟軍はサラクーダ市へ向けてオッピス街道を進軍中。俺は盟主なので街道を進む隊列の先頭を仲間である満峰集団と共に進んでいる、徒歩で。


盟主なのに何故徒歩かといえば、単純に乗る馬が無いから。例えあったとしても乗馬なんて出来ないけどね。因みにグレンダ女王もアンドリューも馬上の人だ。他にもそれぞれに少数ながら騎馬兵がいるが、彼等に相棒たる馬を譲れなんて到底言えるものではない。まあ、俺達は身体強化の魔法が使えるので徒歩での行軍も苦ではない。


ここでざっと神聖パレンナ同盟軍の戦力を説明しておこう。俺達満峰集団は人狼の黒狼族も含めて総員76人。国防陸軍魔法研修一行は全員が魔法戦闘が出来る上、人狼は言うに及ばず殆どが格闘戦も戦える。


グレンダ女王率いる戦兎族は300人兵力で、150人の槍兵、60人の弓兵、女王の親兵が20人、騎兵が5人に輜重兵という陣容だ。騎兵は隊としては運用せず、単騎での伝令や偵察に用い、輜重兵は搬送物資の護衛のみならず、陣営の護衛も兼ねているという。隊列の周囲に展開している野伏の実数は知らされていない。


一方、アンドリュー・フォークナー率いる有志連合軍サラクーダ派遣隊はというと、人数は戦兎族と同じ300人。だが、その陣容は 戦兎族とは些か異なっており、その殆どが槍兵で占められている(3騎の騎兵あり)。その理由は、有志連合軍が作られた事情によるらしい。


魔王国が周辺国に侵略を開始すると、エルム大森林ではサラクーダ市により森林内の自治都市、自治領主、部族の集落などに魔王国軍の侵略に抗す為の連携が呼びかけられて有志連合が発足された。それと同時に各勢力が兵力を提供して有志連合軍が建軍される。


しかし、このような事態は誰もが初めてであり、提供された兵力も兵科も装備もバラバラで、要するに有志連合軍は急拵えの寄せ集めの軍隊だった。


そんな軍隊を率いて魔王国軍相手に遅滞行動で時間を稼いで大勢の住民達をサラクーダ市まで避難させたアルベルトさんは大したものだと思う。だが、有志連合軍の野戦軍主力が壊滅する。そして生き残りの勢力が再結集したまではいいものの、サラクーダ市とは分断され、有志連合に参加した各勢力の本拠地は既に住民は避難して魔王国軍に占領されてしまっていた。


そうした状況下で新に大量の武器の入手は困難であり、外輪山のドワーフの村々からどうにか槍と剣が手に入るのが精々だったそうだ。


有志連合軍サラクーダ派遣隊が槍兵で占められているのはそうした事情があった。それでも有志連合軍の首脳部はサラクーダ市に部隊を派遣するにあたって良い装備を与えていると思われる。全員が揃いの槍を携えているのはそういう事だ。



俺は一応この神聖パレンナ同盟の盟主という事になり、サラクーダ市攻略の指揮も俺が執る事になっている。だがしかし、俺に城攻めの経験など勿論無い。まあ、大学では日本史専攻で国防陸軍の短期現役予備士官養成課程も受講して戦史も学んでいるので現代人としては多少の知識はあると言えるが。


常識で考えればアンドリューが前に言った通り攻城兵器も無く、この七百人に満たない兵力で城塞都市を攻めるなんて、例え敵に内通者や裏切り者が出たとしでも不可能だろう。


だが、俺達には魔法がある。強威力の魔法攻撃で城壁を砕き水濠を埋める。市内に突入してアンデットを滅ぼして市民らを解放、プラントモンスターと角型寄生体を焼き払い、吸血鬼や魔術師を皆殺しにする。行き当たりばったり感は否めないが、これならこの兵力でも行けるだろう。それに俺達には足りない兵力を補う切り札、とまではならないが隠し球もあるのだ。



パレンナ宿場街からサラクーダ市までは徒歩で丸一日になる距離だ。朝にパレンナ宿場街を発ち、現在のところ敵に発見された兆しは無い。このまま行けば夕方までには俺達が最初にサラクーダ市のアンデットと干戈を交えたサラクーダ市を見下ろす丘に着く事だろう。という事で、昼になったので大休止を取る事となった。


昼食の準備に取り掛かる。食事に関しては、それぞれの勢力がそれぞれで用意する暗黙の了解となっている。勿論、食糧が足りない場合は互いに融通し合う。


俺達の食糧は放棄された村々やパレンナ宿場街に残されていた食糧を摂取した物だ。大麦が多いが、小麦粉に豆類に塩もあり、黒狼族が狩った獲物を魔法で加工して干し肉も作った。戦兎族も有志連合軍も当たり前だが食糧持参だったので、自分達で消費する分としては結構余裕ある量がある。だがしかし、


「大麦のお粥か。贅沢は言えないけど、野菜と果物が欲しいところね」


真琴がそう呟くと女の子達はうんうんと頷いて同意している。


真琴が言ったように、俺達の食糧事情は繊維質とビタミン類が不足している。獣人や人狼はヒト族と違って体内で多くの種類のビタミン類を合成出来るようで余裕そうだが、ヒト族はそうも言えず、取り敢えずは持参したビタミン剤で不足分を補っている。


幾つかの大鍋で大麦の粥が煮えている。粥には大麦の他に豆と干し肉が入っていて、味付けは塩のみだが、野外で食べるにはこれはこれで結構イケるので俺は嫌いではない。


給食係、じゃなくて主計担当を手伝ってもらっている人狼の女の子達から椀に粥をよそって貰うと、俺はエーリカ達と地面に腰を下ろして車座になって「いただきます」と言って食べ始める。メンバーはエーリカ、サキ、舞、真琴、雪枝、アーニャ、フレデリカにケリィとユリィ。え?ケリィとユリィ?


「な、なによ!」


皆に視線を向けられ、やや怯むも強気に出るユリィ。


「別にいいんだけど、どうしてあなた達がここにいるのかなって」


「ちょっ、エーリカ、ストレート過ぎです。だけど、そうですよね」


エーリカがド直球に疑問を呈すると、舞がエーリカの表現を嗜めながらも同意する。


「あっ、いっけなぁい。言い忘れちゃってたけど、私達女王陛下から神使様方に同行するように言われてまして。戦兎族との連絡とサラクーダ市に突入する時の道案内をするから、よろしく」


ええーっ!と驚き重なる女の子達の声。


ケリィはそんな大事な事を言い忘れたにもかかわらず、てへっみたいな感じで軽く言い放った。俺達にしてみればいきなりの事だ。


「ケリィ。あんた、いい加減にしなさいよ!」


「まあまあ、そう怒んないでよ。美容に良くないよ」


「怒るわよ!」


相棒のユリィが抗議するもケリィはどこ吹く風といった感じで、きっとこの二人の間ではいつもの事のようだった。


なんだか更に騒がしくなりそうだが、女王から遣されたなら拒む訳にもいかない。相互の連絡とサラクーダ市突入時の案内と言うが、決して額面通りではないだろう。


「話は大体分かった。取り敢えずは粥が冷めないうちに食べてしまおう。話はそれからだ」


きっと女王からこの二人には何かしらの密命が下っているだろうが、彼女達の実力は折り紙付きだ。使えるものは遠慮なく使う事にしよう。


(立ってる物は親でも使えって言うしな)




いつも『救国の魔法修行者』をお読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。


それでは次話もお楽しみに。


水でもかぶって反省なさい!

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