第116話 ラブリーラビットエンジェル
竜太「やあみんな、久しぶり。土方竜太だ。なあ、もしこの小説がアニメ化されたら自分のCVは誰がいい?」
エーリカ「断然早見沙織さん!」
舞「私は水瀬みのりさんがイメージ通りかな」
真琴「沢城みゆきさんかな」
サキ「上坂すみれさんがいいな」
アーニャ「Pileさんね」
雪枝「私は花澤香菜さんがいい!」
竜太「俺は小野大輔さんがいいな。それでは『救国の魔法修行者』スタート!」
俺とサキが遅れて入った食堂。何とそこにいたのは、バニーガールだった。勿論、俺達の世界で見る網タイツに胸元が強調された尻尾付きレオタード、うさ耳カチューシャを着けた接待要員のそれではない。本物のバニーガールなのだ。それも二人。
彼女達は戦兎族という獣人の一種族だ。戦兎というと勝利の方程式が決まりそうではあるが、幾種族もの獣人の中で彼女達は極めて特殊な種族であるという。
その一つとして、戦兎族は女王が治める女性優位な社会を形成している事が挙げられる。それは戦兎族の出生する男女比に関係するとされ、出生する男女比率は7:3で女性の方が多いそうだ。
また、戦兎族は獣人族の中でも特に身体能力に秀でていて、武をもって尊しとなす尚武の気風があるのだそう。戦いに勝つ事、強くある事を価値観の最上とし、強者に従う獣人族の特性が最も顕著なのだともいう。
そして、そうした文化、社会故に侮辱を受ける事を最大の恥辱とし、受けた恥辱やかかされた恥を雪ぐためなら自らの死をもってしても相手を殺す。
こうした戦兎族について聞いていると、何この鎌倉武士かスパルタ市民みたいな戦闘民族は!と、驚きを禁じ得ない。なので、さぞ恐ろしげな連中かと思いきや、こうして実際に目の当たりにした戦兎族の女性二人は、実に綺麗で可愛いのだ。
その二人の戦兎族の女性。一人はショートカットにした赤髪の左右側頭部から同色のうさ耳がピョコンと立って見える。目鼻立つのくっきりした野性味のある美人。もう一人は肩まである前髪パッツンの黒髪に同色のうさ耳はピンと立ち、白磁のような色白の肌に顔は切れ長の両眼で瞳も黒い、ちょっと日本人形を彷彿とさせる美人さん。
服装は短ブーツを履き、灰色の上衣に同色のパンツ、更に動き易そうな草色の革製防具を上から纏い、背中には直刀を背負っている。額には鉢当てを巻くその姿はどことなく忍者を思い起こさせた。
では、何故その戦兎族がこの場にいるのだろうか?そうした俺の疑問に対し、アーニャとザックがそれに応えるべく説明してくれた。
「リュータ、有志連合軍は父上が率いた主力が壊滅したけど、そもそも全滅した訳じゃない。ザックさんが言ったように主力の残存部隊が再結集して北の精霊樹の魔王国軍に非正規戦を仕掛けていて、それには幾つかの部族も別働隊として参戦していたの」
アーニャの話をザックが引き継ぐ。
「俺達が作ったザラクーダ市の抵抗組織は有志連合軍の残存勢力と秘密裏に連絡を取り合っていて、俺達もザラクーダ市を脱出出来たら合流するはずだった。有志連合軍からは合流を手引きする野伏が来ている筈なんだが、こちらの戦兎族の二人はそれとは別の目的があって来ているようだ」
要は生き残りの有志連合軍は今も戦っていて、ザック隊も迎えられて参加するはずだったと。それで有志連合軍には別働隊として色々な部族も参加していて、この戦兎族もその一つ。この二人は有志連合軍とは別の目的でここに来ているという事だな。
「よし、大体わかった。アーニャ、こちらの二人に俺達について説明は?」
「勿論、しているわ」
「ありがとう、助かる」
当然よ?という感じでアーニャはツンと胸を反らした。
「それでだ」
サキが俺と血塗れのファーストキスを交わしている間に斉藤が戦兎族の二人とザックから話を聞き、まとめておいてくれたようだ。
「聞いた通り戦兎族は部族を挙げて有志連合軍に参加している。主にゲリラ戦に従事しているそうだ。そのため主力の壊滅に巻き込まれなかったのだそうだが、今日は戦兎族から俺達に共闘の申し入れがあった」
「共闘?」
「そうだ」
敵の敵は味方、とは正確には誰が言った言葉なのか不明なのだそうだ。戦いの最中にある者ならどの時代、どの国でも当事者達なら考えそうな事ではある。敵の敵だからといって必ずしも味方って訳ではないだろうが、味方になる可能性がある存在ではあろう。まあ、味方になったからといって信頼は出来ないだろうが。
「そりゃあ味方は欲しい。共通の敵もいる事だしな。だが、俺達がこの世界に転移して、昨日の今日で共闘の申し入れとか、そんな事出来るものなのか?」
戦兎族の本隊がどこにいるのか知らないが、昨日の戦闘を斥候や偵察隊が目撃していたとしても、まだそれから24時間も経過していない。無線も電話もないこの世界で、そんなに早く情報伝達出来て、且つその情報に基づいて意思決定出来るものなのだろうか?
「リュータのそうした疑問はもっともね。だからその辺は直接本人達から聞きましょ?」
俺の考え込んでいる様子を見てエーリカがそう促した。俺が来る前に一通りの話し合いがあったような口振りだ。俺がエーリカをチラ見すると、忽ちエーリカから念話が伝わって来た。
"リュータがサキと何してたのか知らないけど、リュータからサキの匂いがぷんぷんするわ"
"すみません、俺のせいです"
"わかればいいわ。後で埋め合わせしてよね"
"必ずや"
またアーニャも俺に鋭い視線を送っている。エルフや獣人の嗅覚は全く侮れない。
まあ、それはそれとして本題に戻ろう。と、その前に名乗りくらいはしておかないとな。
「初めてお目にかかる。俺はヒジカタ・リュータという。数日前にここの皆と共に別の世界からこの世界に転移されて来た。一応この集団のリーダーをしている。よろしく頼む」
さて、目の前のウサギちゃん達から、一体どのような話が飛び出して来るものか。
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それでは次話「サキの戦い」をお楽しみに!
みんなも更新されてなくて、がっかりした事ってあるよねぇ




