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第103話 異世界、ここはイイ世界?③

竜太「やあみんな、昨日振り。土方竜太だ。今回は読者の皆様からのお便りを読みたいと思います。それではペンネーム"山羊の権左"さんからのお便りです」

「初めましてですぞ、竜太殿」

竜太「…」

「某、29歳の年齢=彼女無しの若造でござる。某も竜太殿のような立派な魔法使いを目指してござったが、遂に某にも見目麗しい彼女が出来申したのでござる」

「そこで竜太殿に相談がござる。某、後三月で誕生日、齢30となり申す。竜太殿のような立派な魔法使いになりたく候えども、折角出来た見目麗しい彼女ともナニを致したいのでござる。某は魔法と彼女、どちらを優先にすべきでござろうか?お答え、期待してますぞ」


竜太「…勿論、彼女でしょ。そんな事で悩んでると、彼女に他好きされて逃げられちゃうぞ。それに俺は魔法使いになった過程がちがうからな。という訳で『救国の魔法修行者』スタートです!」

どこかの誰かの思惑はともかく、魔王国軍は精霊樹を利用した世界線を越える装置を開発していた。という事は、この世界から元の世界へ戻る手立てはあるにはあるという事だ。駄菓、だがしかし。


「ねえ、今の話だとサラクーダ市は既に魔王国軍に降伏したか、陥落しているみたいだけど、実際どうなの?」


アーニャがギュンターに若干詰問調で尋ねる。多分、アーニャに他意は無く、俺にはデレるけど、普段からこんな感じだ。


ギュンターはアーニャの少し上から目線の詰問調の問い掛けに憤るでもなく喜ぶでもなく、不可解そうに答えた。


「降伏も何も、サラクーダ市は元から魔王国側に付いていますよ?」


「どうゆう事?我がキャストン侯爵家を始め、周辺の市や部族もサラクーダ市と対魔王国軍の同盟を結んでいたし、同盟の有志連合軍は侵攻して来た魔王国軍と戦っていたのよ?」


「僕も詳しい事はわかりません。ですが、僕達が南部前線から移動して来た時、サラクーダ市は魔王国の自治都市でした」


こう言っては悪いが、アーニャと猫娘達以外の転移者達はエルム大森林の山奥や田舎に住んでいたからエルム大森林の大都市であるサラクーダ市については全く詳しくない。ここは一つ、キャストン侯爵家の御息女であらせられるアーニャお嬢様に情報を頼るよりなさそうだ。しかも、アーニャは有志連合軍に従軍して魔王国軍と戦ってもいる。


「アーニャはどう思う?」


「これだけの情報じゃ何とも言えないわ。侯爵家の娘といったって有志連合軍じゃ私なんて下っ端もいいとこだったし。でも、サラクーダ市が降伏してもいないのに魔王国の自治都市になっていたとすれば、サラクーダ市が元から私達を裏切っていて、魔王国に内通していたのかもしれないわね」


アーニャはそう言うと、忌々しそうな、悔しそうな表情で下唇を噛んで俯いた。


確かにギュンターの情報だけではサラクーダ市がアルベルトさん達を裏切っていたかどうかまではわからない。だが、俺にもこれには何かしら陰謀の臭いが嗅ぎ取れた。


サラクーダ市は健在だった。しかし、敵側に寝返ったか、そもそも内通していた、かもしれない。ならば、魔王による侵略戦争やモンスターアタックについての謎を解く鍵がサラクーダ市にはありそうだ。



ぱちっ、と焚火にくべた薪が爆ぜた。


奇しくも、今集まった全員が黙って焚火を見詰めている。何かを考えている者、考えてそうでいて実は何も考えてない者。俺が率いているこの集団も到底一枚岩ではない。それぞれの立場による思惑があり、魔法研修生達や助教の大沢軍曹は早く元の世界に戻りたいだろうし、もしかしたら転移者の中にはこのままこの世界に留まりたいと思っている者もいるかもしれない。


「俺はサラクーダ市を目指そうと思う。市が敵の手に有ろうが無かろうがそこに問題解決の鍵があると思うからだ。だが、俺達は出身の世界も違えば種族も違い、立場も違う。だから、サラクーダ市を目指す前にここにいる全員の意思を確認したい。俺と一緒に行くも良し、このままここに、この世界に留まるも良しだ」


俺がそう言うと、あっちこっちでごにょごにょと話し合いがもたれ、暫くして結論が出たようだった。


ギュンター「僕達黒狼族はリュータ様と共に参ります。サラクーダ市には族長である父や姉、部民達がいるかもしれません。みんなを助け出したいのです」


ガーライル「無論、俺達は大将と一緒にどこまでも行きます」


アーニャ「…私達もリュータと一緒に行くわよ。当たり前でしょ」


エーリカ「リュータ、ずっと一緒だって私に言ったじゃない。黙って俺について来いって言いなさいよ、馬鹿!」


俺「ごめん」


サキ「リュータさんとだったら、どこまでも一緒に行きます」


ラミッド、アミッド「兄貴と一緒に闘うぜ!」


ミア「ラミッドが行くなら、私も」


アックス「先生について行きます」


との事だった。みんな、有難う。


さて、魔法研修生達はどうか。彼等は元の世界に帰るという目的は俺達と同じでも、国防陸軍からの二人にしろ、アメリカからの三人にしろ俺の部下って訳じゃない。俺達に付き合ってサラクーダ市へ行く必要は無い。大沢軍曹にしてもそうだ。彼は俺の部下ではあるが、それは魔法研修においての話。魔王の侵略戦争やモンスターアタックの謎解きのための部下じゃない。


武田少尉「土方教官、魔王の侵略は我が国にまで及んでいます。私達も日本国国防陸軍の軍人として国を守る義務があります。それが例え異世界であっても魔王が我が国を侵すのであれば看過出来ません。私も山本も大沢軍曹も教官と一緒に行きます」


オスカー「魔王はステイツも侵略している。戦友の敵を討ちたいんだ。俺も行くぜ」


フレデリカ「わっ、私も両親の敵を討ちたい。リュータ教官と一緒に行きます!」


トッド「上に報告しなければならないからな。俺も行くよ。どの道一緒に行かなきゃ帰れないしな」


そういう訳で、俺達は一路サラクーダ市を目指す事となった。勿論、ギュンターが言ったようにサラクーダ市が敵側であるとの前提で行動しなければならない。


まぁ、ある意味出たところ勝負ではある。俺達はサラクーダ市の事は殆ど何も知らないのだ。しかし、待っていても何も始まらない。ここは威力偵察じゃないが、相手を知るためにもこちらから仕掛ける必要がある。


取り敢えず、明日からはオッピス街道をサラクーダ市に向かって進む予定だ。





いつも『救国の魔法修行者』をお読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。


それでは次話「街道をゆく」にご期待ください。


「屁の突っ張りは、いらんですよ!」

          『キン肉マン』より

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