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信孝なんかに『本能寺の変』のとばっちりで殺されていられません~信澄公転生記~   作者: 柳庵


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449話 バテレンが来た!什壱の段 嘘吐き

ども、坊丸です。

バテレンを伴って明日、さっそく登城しろやぁ!勝家ぇ!っていう内容(意訳)の文章を懐に帰宅した坊丸です。


って、玄関にまだ草履や履物がたくさんありやがるんですが!

もしかして、ルイス・フロイス御一行まだ帰宅してないんですかね?

明日急ぎの使者を立てなくて済んだのと早く対応してくれる信長伯父さんの懐の深さを伝えてあげられることを喜ぶべきなんでしょうが…。


未来知識で出したスペイン料理ぽい何かが口にあったのかという答え合わせがすこしはかり怖いような…。知識の出どころ聞かれると困るしなぁ…。まぁ、仕方ない。


「先ほど、親父殿が信長様に出した書状への返事を持って津田坊丸!帰宅致しました!」


とりあえず、早く帰宅したことを皆に伝わるように大音声でご挨拶。

すると、若衆さん達がすぐに広間に案内してくれましたよ。


「坊丸様。バテレンへの饗応、いまだ続いております。特にルイス・フロイス殿は、プリンをいたく気に入ったようで、ロレンソ殿や通事の方、文荷斎殿の分さえも食べ続けております」


って、おい!アイツら食いしん坊かよ!

それとも何か、和田惟政殿の岐阜屋敷はバテレン衆にろくな飯出さんかったんか?などと思いながら、大広間に到着。

うん、ロレンソ了斎さんともう一人の日本人修道士?ご自分の師匠たるルイス・フロイス司祭がプリンを美味しそうに頬張るのを見ながら、酒を呑んでるね。

柴田家の面々はいつもよりすこぉし穏やかに呑んでるご様子。

とりあえず、書状のことを伝えないとね。


「親父殿、宴も(たけなわ)のご様子でございまするが、信長様よりのご返信を持って坊丸が戻りました。皆様方、しばし、箸を休めてお聞き願いたく」


そう言って、懐の折封をかざしながら広間に突入ですよ。


「お、おう。信長様よりのご返信、もう来たのか。では、確認させていただこう」


親父殿が反応してくれたので、折封を掲げながら親父殿の前に着席&折封を手渡し。毛受兄弟も近くには居ますが、小姓経由とか面倒なので、直です、直。

で、親父殿が開封しはじめますが、面倒なので、内容をかいつまんで言上。


「信長様におかれましては、明日、バテレン衆にご面会の時間を取られるとのことにございます。親父殿にはバテレン衆を伴い、午の刻に登城するようにとのことでございました。詳細は書状をご確認ください。

なお、本来ならば取り次ぎの使者を出すべきところ、急ぎなので、柴田家に帰宅する間際のそれがしを使者の代理としたとのことでございまする。それについては、『許しおけ』とのことでございました」


「ということじゃ。ルイス・フロイス殿、ロレンソ殿、ルイス・ナカイ殿。明日、信長様がお会いになられるとのこと。まさか、この様に迅速に対応いただけるとは思いもしなかったが…。明日、巳の刻三刻頃にでも当家に参られるが良い。その後、ともに岐阜城表御殿に向かうことといたそう」


親父殿の話をすぐに翻訳している様子のルイス・ナカイ殿。ルイス・フロイス司祭に耳打ちしております。


「オブリガード!」


「『大変嬉しい、感謝します』と師が、申しております」


「やはり、信長様のもとにやってきて良うございました。信長様はキリスト教に寛大なご様子。明日、我らキリスト教徒の窮状と日乗の悪…行ったことをしかとお伝えさせていただきましょう、アーメン」


ロレンソ了斎さんが日乗さんに少なからずお怒りなのがよくわかりました。絶対、悪行って言おうとしたよね、今。

宗教絡みのゴタゴタには首を突っ込みたくも巻き込まれたくもないので、できれば穏便にお願いします。いや、ほんと。


よし、信長伯父さんからの召喚命令の伝達完了!もう、自室に下がっていいですかね?奇妙丸様の小姓仕事と使者の代理のお仕事終えたんで。


「おお、先程、ルイス・フロイス殿が会いたいと言っていたのが、そこにいる津田坊丸ですぞ。坊丸、ルイス・フロイス殿にご挨拶を」


げ、挨拶してなんか話す流れか、これ。

仕方ないっすね。向きを変えて居住まいを正してっと。


「柴田家預りにして織田家嫡男奇妙丸様の小姓衆をあい務めまする、津田坊丸にございます。以後、見知りおきを」


信行パパの謀反の話や織田家連枝の話はバテレンの方々に話しても面倒くさ…、説明が長くなるので、今回は割愛。そう、残念ながら割愛します。


「プヂン!グラシオーゾ!…」

「『プヂンという甘味が大変美味しかった。他にも故郷の料理に近いものがあった。この国にきてからは食べていないので、大変懐かしかった。坊丸様は、何処で祖国の料理を知ったのか?』と師が、申しております」


あ〜、やっぱり、そこ、気になっちゃいます?気になっちゃいますよね。だから会いたくない気持ちがあったんですけどねぇ。


「堺の商人と取引している津島の商人に聞きました。それをもとにどうにか似たものを作った次第。お口に合って何よりです」


いつもの南蛮の最新知識は全部堺の人間からの又聞きという無理な言い訳をしますが…。

駄目だ、ニッコニコのルイス・フロイスさんを直視できない…。右斜下に視線をやってその視線から逃げるけど…。

たぶん、今、自分、メッチャ目が泳いです。自覚できるほどに。それこそ、バタフライ泳法かバサロ泳法並に。


「『それは良いことを伺った、堺に行った時には同じ様な料理が無いか探してみます』と師が、申しております」


ごめん、ルイス・フロイスさん。たぶん、いくら探しても、堺にもないと思う。

そのうち、プリンとかの甘味を普及させるから、その時まで待っていて…。いや、ほんと、ごめん。

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