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信孝なんかに『本能寺の変』のとばっちりで殺されていられません~信澄公転生記~   作者: 柳庵


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417話 ノンホモ牛乳ってバターになりやすいんですね

頑張って並び順を整えました。

色々と頭を使いました…。

ども、坊丸です。


初めて牛乳をゲットしました!しかも、自分の手で搾って!

戦国時代にて牛乳関連の知識、すなわち搾乳とパスツリゼーションを石田村に普及させたい坊丸です。

で、徳利でお燗風パスツリゼーションでできあがった牛乳をいただくことに。


さすがに徳利から飲むのは如何なものかと思ったので、飲むのに適した器を探してもらったところ、出てきたのはなんと馬上杯!

蛇の目や猪口でなくて本当に良かった。徳利からお猪口に注いだらぱっと見ただ酒呑んでるだけに見えますからね。


牛乳を飲む時の正しい姿はやはり片手を腰に当てて!今は牛乳瓶がないので馬上杯から一気にいただきます!


うん、生温かい!パスツリゼーションした後、ほとんど冷めてないからホットミルク状態ってか!

でも、甘味をより感じられて、それはそれで、よし!そう思うことにしよう!


「坊丸様、大丈夫で?」


「いやぁ、牛乳!美味しゅうございました!加藤さんや仁左衛門さんもどうです?」


すると、ブンブン頭と手を振って拒絶する加藤さん。そんなに強く拒絶しなくていいじゃないですか、加藤さん。そして、仁左衛門さんは興味津々といった雰囲気。この人、好奇心強めだよね。

え?おまえが言うなって?それはそうと、サクッと牛乳、飲んでいただきましょう。


「では、仁左衛門!どうぞ!」


有無を言わせず、馬上杯に牛乳を注いで、力強く仁左衛門に渡してみます。そこに添えるは織田家スマイル!ほぼ圧でしか無い気もしますが、そこはそれ。牛乳の普及活動ということで。


「では、いただきます」


ゴクゴクゴクっと。


「ふむ。今まで飲んだことがない味わいですな。甘味と何とも不思議なコクがある」


「でしょう!自分はこれが欲しかったのです!」


「ですが…。」


「ですが?」


「この牛乳とやら、日持ちはするので?今の様子なら搾って牛乳を得ることは今後できましょうが、岐阜の御屋敷まで持っていく間に腐っては、意味がござりませぬぞ」


くっ。忘れてたよ、今は戦国時代。冷蔵管理も物流速度も平成令和の日本より何段も劣るんだった…。


「坊丸様。お話中申し訳ありませぬ。徳利の牛乳の上に何やら浮いてまいりましたぞ」


加藤さんに言われて徳利を見ると、少し温度が下がって、牛乳からクリームが分離し始めているご様子。そうや〜。ホモなんとかしないと生乳って乳脂肪分が分離してくるんやった〜〜。これも問題でしたよ…。


って、脂肪分が分離するなら、アレが簡単に作れるはずですよ!そう、バターが。


「仁左衛門さん、牛乳を口のもう少し広い蓋ができる器に移してもらえます?よく見たいから」


あ〜、やっぱり乳脂肪分が分離し始めておりますな。

よし、振ろう。そして作るんだ!バターを。その昔、柴田の親父殿たちに作ってもらったように!


「ふぅむ。加藤さん、仁左衛門さん。この器を頑張って振ってもらえますか?」


「ご命令とあらば」


「どれ、お手伝いいたしましょう。家のものも手伝わせまする」


しぶしぶという感じの加藤さん。今からバターできるから、坊丸くんを信じて振って!

そして、仁左衛門さんと仁左衛門さんの家の方々も巻き込んで、牛乳フリフリタイムですよ。

しばらくすると液体が動く音がだんだん減って来ましたよ!もう良いかな?


「おおう。何やら白く固まっておりますぞ。そして、牛乳が、減っておる」


「見せてください!」


加藤さんがそういうので、器を受け取り、蓋を開けてみると、出来ていました!


バター、そしてバターミルク。さっそく飲んじゃう、バターミルク。捨てるのもったいないからね。うん、バターミルクは、牛乳とは少し風味が違いますな。乳脂肪分が抜けてアッサリした味わい。これはこれで美味うまし。

で、バターをヘラで集めて形を整えてっと。そうそう、練り上げる時に塩をひとつまみっと。そして思ってたよりも少ししかできないのね、バターって。


手伝ってくれた皆さんに出来立てバターをちょっとづつ振る舞いました。まぁ、油の塊なんでね。仁左衛門さんのお家の方々でも好き嫌いが分かれてましたよ、ハハハ。

加藤さんが牛乳のときと違って、「美味い!これは良いものですな!坊丸様!それがし、牛乳よりもこちらが好みですぞ!」と強く食いついております。


「と、まぁ。こんな感じです。晩秋から初春は寒いから石田村から岐阜まで牛乳を運んでも大丈夫だとは思いますが、夏場はこのようにバ、じゃなくて、牛酪として固めたものをいただければと。牛乳も酪も坊丸が買い上げて、キチンと金子をお支払いいたしますので、宜しくお願いします」


「うーむ。一年中となると、雌牛をもう一頭手に入れねばなりませぬな。それと種付けの時期をずらさねば…。しかし、雌牛を手に入れる、そのような元手は…」


チラチラこっちを見ながら、そんな話をする仁左衛門さん。そんな話をされたら、出すしか無いじゃないですか!牛の買い付け資金。

チキショウ!仁左衛門さんたら、村を発展させるために上手に坊丸を使うんだから!名主と言うよりも交渉上手な商人やないかい!


後日、岐阜の柴田屋敷に届いた第一段の牛乳は、運搬の壺の中で、馬の歩行に合わせた上下の振動で勝手に一部がバターになっていたわけですが…。まぁ、それはまた、別のお話。

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