表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【10/15 発売】肉食令嬢は、肉のために結婚することにした。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/87

58:それぞれの役割。

 



 支援部隊は現在三手に分かれています。

 治療班と補給班、それから私たち調理班です。

 串に刺したフォレストボアのお肉を直火で焼きつつ、醤油ベースの特製甘ダレを塗り、追い焼き。


「っ、なんだこの匂いは……」


 レオン様と一緒に本部へ戻られたゼルファー様が、厳しいお顔で足早に近付いて来られました。

 もしやお肉を焼くと、赤竜討伐に影響が――――。


「一本くれないか!」


 ――――あ、違いました。


 慌てて焼き上がった串をお渡しすると、串を横に向け、がぶりと勢いよく齧り付かれました。

 レオン様にも差し出すと、なぜか苦笑いをしつつ受け取られましたが、いらなかったのでしょうか?


「ん、美味い。なんというか、こういう場で食えるとは思わなかったが、美味い」


 レオン様が不思議な理論で『美味い』と言うと、ゼルファー様がコクコクと頷きつつ、三本追加で食べられました。

 ずっと討伐にかかりきりで、まともなご飯を食べていなかったそうです。


「それは、たいへ――――」


 お話ししている最中にグアォォォォォォゥといった感じの赤竜の咆哮が山全体に何度も響いていました。何度聞いても慣れません。ビクリと肩を震わせてしまうので、レオン様に心配されてしまいました。


「本当に、大丈夫か?」

「はい」

「しかし、クラウディアも怖いと思うことがあるんだな」

「なっ!? 普通にありますっ!」

「はははは!」


 レオン様からからかわれたことで、少しだけ肩から力が抜けました。フーッと息を吐き、スーッとしっかり吸う。


 ――――よし!


「ありがとうございます、レオン様」

「ん? 何がだ?」


 レオン様は素知らぬ顔をし、後ろ向きで手を振ると、赤竜の方へと歩いて行かれました。


「あいつ、ああいうキャラだったか?」

「……? 以前は違ったのですか?」

「ん? そういえば、夫人とは家同士での契約結婚だったな」

 

 レオン様たちとゼルファー様たちは、よく共闘作戦を展開するらしく、昔からの知り合いとのことでした。

 ゼルファー様から見て、レオン様は生き急いでいる英雄のようだった、とのことでした。


「生き急いだ英雄?」

「んー、本人に聞くと言い。しかし、夫人の前ではああも柔らかな笑顔をするのだな。いい妻を見つけたものだ」

「どうぞ、クラウディアと」

「…………背中から斬られたくないのでな、『夫人』と呼ぶよ」


 ゼルファー様はクスクスと笑いながら、本部のテントの中へと入って行かれました。


 ゼルファー様は、指揮を。

 レオン様は、最前線で戦闘を。


 昔から、この役割分担なのだそうです。


 ――――どうか、ご無事で。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◇◆◇ 10/15発売! ◇◆◇


肉食令嬢は、肉のために結婚することにした。
書籍表紙


表紙&挿絵は『春名ソマリ』先生っ!
お肉お肉なクラウディアと、甘やかし上手なレオンがめちゃくちゃ幸せそうに描かれてるぅ!

そして、どえらくラブラブな挿絵に悶えてけろ!!!!

♣ カクコン10受賞作! ♣
KADOKAWA ビーズログ文庫様より、10/15 発売です。
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

販売店舗一例としてリンクボタンを置いておきます。


▷▶▷ KADOKAWA

▷▶▷ ビーズログ文庫

▷▶▷ amazon

▷▶▷ シーモア

― 新着の感想 ―
[一言] 食い物の匂いに釣られて赤龍か仲間になるルートだと信じてる(信じてない)
[良い点] レオン、結婚を機に丸くなる? (肉体的な意味ではない…今のところ) [気になる点] ≻背中から斬られたくないのでな ヤるなら多分真正面からじゃないかな(^▽^;) [一言] 更新感謝です^…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ