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【10/15 発売】肉食令嬢は、肉のために結婚することにした。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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57/87

57:赤竜。

 



 戦闘部隊が山頂を越えて、国境の向こう側へと行きました。

 レオン様とケヴィン様は山頂付近で、青い騎士服の方と何やら話し込まれています。


「こちらが妻のクラウディアです」


 レオン様に手招きされ、お側に寄ると『妻』だと紹介されました。なんだかむず痒いですが、笑顔を作りカーテシーをしました。


「これはこれは。噂に違わぬとても美しい奥方だな」

「お褒めに与り、光栄ですわ」

「――――さて。話を戻すか」

「はい」


 隣国の騎士様だと思っていましたら、騎士服の男性は第三王子殿下で、ゼルファー様とのことでした。

 レオン様たちは、現状と共闘作戦の内容について軽くすり合わせしていました。支援部隊の待機位置等の指示もいただき、早速行動開始です。


「赤竜は下って百メートルほどのところだが、たぶん直ぐに見えてくる。馬鹿でかいぞ。それから、まだ少し飛べるから気をつけろよ」

「「はいっ」」




 赤竜は山を東方向に下った場所にいるそうです。私たち支援部隊はそこから北に五十メートルほど離れたとろこにある隣国本部の横に、救護所や補給所などの展開をするように言われました。 


 山頂を越えてすぐでした。

 人々が走り回っている音と声、何かを薙ぎ倒すような音、鼓膜をビリビリと揺らす咆哮が聞こえてきました。

 赤竜と、騎士たちですね。


 それぞれの音を聞きつつ、慎重に山を移動し続けていると、徐々に視界が開けて来ました。

 

「あれが――――」


 人の何倍とかそんなものではありませんでした。

 三階建ての建物のように大きく、真っ赤に燃えているトカゲのようでいて、鱗を持った鳥のようでもあります。羽はコウモリのような形で、あれを羽ばたかせたら周囲の人はなぎ倒されるのでは?と思うほどに巨大です。

 体も瞳も真っ赤。特に瞳は宝石のように輝いていました。

 大きな口からは濃灰の煙が立ち昇っています。

 赤竜は、火を吐けるのだとか。


 赤竜が咆哮を上げるたび、全身がビリビリとした波動を感じます。

 人は、あれに勝てるのでしょうか?

 少しだけ、不安に思いましたが、私がレオン様たちを信じなくてどうするのか!と両頬を自分で叩きました。


「っ、よし。さあ、やるわよ!」

「「はいっ」」


 隣国の本部にいる方々に挨拶をして、支援部隊の面々に指示を出しながら、飲料や治療道具などを用意して行きます。

 準備途中も隣国本部には何人もの騎士が戻ってきては、軽く治療を受け、飲み物を煽るように飲み、また走って戻って行っていました。


 私たちももうすぐああいった状況になるのかと理解し、飲み物はもちろん、軽食も急いで追加しました。

 赤竜のおかげである程度の魔獣たちさえも隠れているらしく、無駄な戦闘はないのでたすかるものの、食料を現地調達することは厳しそうです。

 

 ――――レオン様に感謝ね。


 フォレストボアのお肉はまだ余っています。

 一口大に切って、串焼きを作りましょう。




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◇◆◇ 10/15発売! ◇◆◇


肉食令嬢は、肉のために結婚することにした。
書籍表紙


表紙&挿絵は『春名ソマリ』先生っ!
お肉お肉なクラウディアと、甘やかし上手なレオンがめちゃくちゃ幸せそうに描かれてるぅ!

そして、どえらくラブラブな挿絵に悶えてけろ!!!!

♣ カクコン10受賞作! ♣
KADOKAWA ビーズログ文庫様より、10/15 発売です。
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

販売店舗一例としてリンクボタンを置いておきます。


▷▶▷ KADOKAWA

▷▶▷ ビーズログ文庫

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▷▶▷ シーモア

― 新着の感想 ―
[良い点] メインディッシュ(竜肉)の前にお肉(ボア肉)で腹ごしらえ( ̄▽ ̄;) さすがドラゴン、そうあっさりとお肉になってはくれなさそうです^^; [気になる点] ≻「これはこれは。噂に違わぬとても…
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