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『俺』とゴブ『リン』~俺のスキルは逆テイム?二人三脚、人助け冒険譚~   作者: 新谷望
3章 バークマン領の騒乱編

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14話 決戦前夜




「バーグマン軍が現れました!」


 双子山の麓に陣を張る俺達の前に、バーグマン軍が姿をあらわした。その数およそ150。整然と隊列を整えた兵士達。統一された装備品を身に付け、居並んだ様は正に軍隊と呼ぶに相応しいものだ。


 バーグマン軍は目と鼻の先、およそ300メートル程の場所で停止した。隊列が動き戦闘用の陣形に変化していく。


 翻って俺達の陣営。俺の後ろには、鈍く銀色に光るフルプレートメイルに憑依したリビングアーマー達が控えている。


「それではウィル殿。貴殿の愛馬、しばしの間お借りいたしますぞ」


「うむ。我が愛馬は人を見る。しかし、ヒューゴ殿であれば、なんの心配もありますまいよ」


 ウィルの愛馬、「サンダース」に跨がっているのは元軍団長のヒューゴだ。彼はある目的の為、ウィルから馬を借りていた。黒毛の雄大な馬体は、見る者が感嘆せずにはいられないほど優美で、それでいて雄々しい。


「それでは、奴等の本性を暴いて来るとしますかな。ではルカ様、いって参ります」


「ああ、無理はするなよ、ヒューゴ」


 ルカに馬上礼をした後、ヒューゴは俺の方を向いた。


「ミナト、ルカ様を頼んだぞ!」


「はい。ヒューゴさんも作戦の遂行、よろしくお願いします!」


「おおっ、任せておけ!軍人の血がたぎるわい!がっはっはっは!」


 ヒューゴが気合いを入れると一声鳴いたサンダースは勢いよく敵陣に向かって駆け出していった。


 布陣は既に終えている。準備は万端だ。あとは作戦通りに動くだけ。頼むよ、皆!!


 



  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


 

 

 ……時はさかのぼり、俺が領主の館から戻った昨夜の診療所。そこに主だった面々が集まった。


 普段は待合室に使われている空間に長テーブルと椅子を並べ、仮設の本営とした。上座にはルカとヌシ様、そして「ミナトが総大将なんだから」と俺も座らされた。その隣にエリス、そして、ヒューゴ、シャーロットが座り脇を固めている。そして、ベルド、グラントと続く。リンは今回はエリスの膝の上だ。来るべきバーグマン軍との戦いに備え、戦略会議が開かれた。


「それでは今回、相手となるバーグマン軍と作戦の概要を、ヒューゴさんからお願いします」


 指名されたヒューゴが立ち上がる。


「それでは説明させて頂く。おそらくダニエル側も遅くとも明日中には、ルカ様がこの双子山にいるとの情報を得るはず。元々、明日が軍を村に派兵する日取り。編成した軍をそのまま、この双子山へと向けて来ると思われる。その兵数はざっと150。我々はその兵をこの双子山で迎え撃ち、撃退或いは降伏させるのが勝利条件となる」


「150人か。バーグマン領はそこそこ広い領地だろう。なのに150とは随分と少ないな。まだ館に待機兵力がいるのか?」


 ベルドが疑問を挟む。


「いや、バーグマン軍は元々、初代領主ハロルド様と王家との間に、どの戦いにも派兵免除の契約を結んでいて、そのため予備兵力はほとんどいない。今回も警備兵を転用させている。ゆえに兵隊としての軍事演習も力を入れておらず、練度も高くはない。兵種もほぼ歩兵のみだ」


「俺がバーグマン領主なら、何とも心もとないな。しかし、それなら一度崩せば、簡単に崩壊しそうだ」


 ベルドの発言にミサーク村村長グラントも同意する。


「俺もそう思う。一人一人の練度なら、我が防衛隊の方が上。今回はそのうちの主力30人を連れてきた。双子山にバーグマン軍を誘き寄せ、山中から矢を射かければ奴等は混乱する。さらに我々を追撃するため山中に入ればこちらの思う壺だ」


 森の中での攻防はミサーク防衛隊の十八番だ。山中の戦いに慣れないバーグマン軍相手なら、その力を思う存分発揮できるだろう


 二人の話に頷きつつ、ヒューゴが続ける。


「こちらの戦力はミサーク村から防衛隊30名、街からミナトの呼び掛けに応えた領民が約100名。そしてエリス様、元英雄のベルド殿や狼人族のガウド殿、リザードマンのゲッコウ殿など、腕に覚えのある実力者がおり、更にミナトの従魔、コンラッドが率いるフリール商会の手の者を加えれば、バーグマン軍に劣らぬ戦力となるだろう。なお、我々と連動し、冒険者ギルドも動く事になっている。こちらは街中での活動が主になる」


 これだけの数に、経験豊富な猛者が揃う。個人での技量は兵士よりはるかに高い。戦力的にはバーグマン軍にもひけをとらない。


「しかし、いくら数がいると言っても大半は戦った事もない領民だ。まともにぶつかればかなりの死傷者が出るぜ?」


 確かにベルドの言う通り。しかし、そこは計算済みだ。


「うむ。ゆえに実際にバーグマン軍と交戦することになる人選は、あらかじめ決めてある。のう?ミナト」


 ヒューゴに促され立ち上がる。


「えっと、俺の従魔であるリビングアーマーのウィルは、30人程の亡霊騎士を使役できます。彼らにはフルプレートメイルに憑依してもらい、リビングアーマーになってもらいます。これで30人の騎士団ができます。ウィル達は元騎士であり組織だった行動を得意としています。さらに一度やられても時間が経てば復活できる。バーグマン軍には、まず彼らを当たらせようと思います」


「しかし、ミナト。敵は150人だぞ?30人じゃ流石に少なくはないか?」


 グラントが当然の疑問を口にする。


「それは相手もそう思っているでしょう。「反乱軍の数はそれほどいない」と。ウィル達騎士団は重装歩兵です。機動力は乏しいけどその分、壁役には適任です。彼らには兵数で押してくる敵に対し、戦いの最中に「敵の勢いに押されている」見せかけて徐々に後退してもらいます。そして勢いに乗じたバーグマン兵を双子山の山中に誘い込みます。十分に引き込んだらヌシ様の幻術を発動させ、バーグマン軍を混乱させます」


「幻術?ということは幻を使うのか?」


 グラントが首を傾げた。


「ええ、ここにいるヌシ様は幻術のエキスパートです。幻を見た敵は混乱し、戦うどころではなくなるでしょう」


 ヌシ様の幻術の凄さは、体験した俺が一番よく分かっている。あの状況で冷静を保てる人間は、ほぼいないと言っていい。


「なるほど、そこで幻に惑わされ、混乱した奴等を思う存分討ち果たそうって言うんだな?」


「いえ、捕縛して下さい。理想を言えばなるべく傷つけずに」


 俺の言葉にグラントが怪訝な顔を向ける。


「それは何故だ?奴等は俺達を殺すつもりできているんだ。戦場で綺麗事を言っていては逆にこちらが危ないぞ」


「それは分かっています。しかし、彼らだって決して望んでそうしたい訳ではない。それは俺も同じです。この戦いでの死傷者は極力減らしたい。だって考えてもみて下さいよ。俺達だって、兵士だって同じバーグマン領の領民じゃないですか?何で領民同士で殺し合いなんてしなきゃいけないんですか?しかもそれはダニエルの勝手な野望のためでしょ?こんな馬鹿馬鹿しい話はありませんよ」


 そこまで言った時、今まで一言も声を発しなかったルカが、俺を見上げるように聞いてきた。


「……ミナトは怒っていないのか?以前、お前の村はダニエルによって危機に陥ったと聞いた。此度こたびもそうだ。恨みはないのか?」


 最初に会った時の溌剌はつらつとした笑顔は今は消えている。そんなルカを慰めるように、俺は努めて優しく伝えた。


「あの時は確かに大変でした。でもあの時、大変だったからこそ村はひとつになり、今では以前と比べ物にならないくらい発展してきています。そりゃ、ダニエルに言いたい事は山ほどありますよ。でもあの時、一人の死者も出す事なく済んだことは、やっぱり大きいです。ルカ様だって領民が殺し合うのは嫌でしょう?」


「当然だ!こんな事で我が領民を傷つけたくはない!俺は何も知らなかった……。父上もお祖父様もそんな事は決して望まなかったはずだ……」


 ルカはそう言ったきり、うつ向いてしまった。膝に置いた握り拳が震えている。


 ヌシ様と共に現れたルカは、俺やグラントにミサーク村襲撃事件について、矢継ぎ早に質問を浴びせてきた。そして俺やグラントの証言に大きなショックを受けていたようだった。やはりルカ本人はこの事を知らなかったのだ。


 俺は呼吸を整え、一同に向けて口を開く。


「俺も味方にも敵にも傷ついて欲しくない、こんな事でお互いに禍根を残して欲しくない。そう考えてヒューゴさんと配置を考えました。勿論、戦場は殺し合いの場である事はわかっています。俺の考えは綺麗事であり、理想論であることも理解しています。でももし、それで上手くいくのならこれがルカ様にとっても領民にとってもベストだと思うんです」


 反対の声は上がらない。声一つ立てず俺を見つめている。どうやら皆、了承してくれたようだ。


「ありがとうございます。それでは作戦を伝えます。まず戦力を二手に分けます。片方は主に戦いに慣れた主力、もう片方は領民を中心とした遊軍です。主力の指揮は俺が、遊軍の指揮はベルドさんにお願いします」


「それは構わねえが、具体的に何をするんだ?遊軍とはいっても大半が、戦もしたことのない領民だ。戦力としてはあまり役に立たないだろう?」


「ベルドさん達は、これから双子山の近くにある山に向かい、領民達と伏せて下さい。双子山で戦いが始まったら頃合いを見て、姿を現してもらいます。その際、なるべく沢山の槍や旗、人形を多く立てて、領民には大声をあげさせて、なるべく沢山の軍勢がいるように見せかけて欲しいんです。そして、その中の一部を使って、竜神川にかかる橋に障害物を設置し、退路を塞いで下さい。その際もし、敵が向かって来たら、決して無理に戦わず逃げてください。命に代かえられる物はありませんから」


「伏兵だな。任せておけ。コンラッド、物資はそろっているか?」 


 ベルドが調達担当のコンラッドに水を向ける。


「はい。物資は全て調達済みです。必要なだけお持ち下さい」


「助かるぜ。運搬は俺達ドワーフでやるから急いで用意してくれ。……にしてもビアがいないがどうしてる?」


「総帥は「私は店番があるんだ。あんたがやりな!」と……」


「まぁ、あいつらしいっちゃ、あいつらしいけどな。どうせ、三日三晩徹夜でポーション作りしてたんだろ?」


「おや、総帥からは黙っているように言われてましたのに、バレていましたか」


「アイツとどんだけパーティを組んだと思ってんだ。まぁ、いい年なんだから無理するな、と言っといてくれ。代理、頑張れよ。コンラッド」


「はい。全力でサポートさせていただきます。ポーションもハイポーションも山ほどありますから、怪我をした時はお任せ下さい」


「ははは。その時は頼むぜ。なんせ素人が多いからな。……って訳だ。ミナト、遊軍の指揮は任せておけ。こっちの事は気にしなくていいからな」


「はい。それではベルドさん、お願いします。では、次にグラントさん達ですが……」


 その後、集まった面々にそれぞれ任務を与えていき、全てを伝達してから散会となった。


 事前準備があるベルド達は準備の為、一足先に領民を連れて双子山を離れていった。


 今回の作戦の立案については、軍人として経験のあるヒューゴやウィル、そしてヌシ様とも話し合った。自分でも今できる最善の作戦だと思っている。


 去り際にベルドが


「戦場は魔物だ。どう動くか、誰に牙を向くか分からねぇ。お前が言っているのは、戦場を知らん青っちい小僧の夢想論だ。……ただ俺はその青っちさが好きだ。本当にそれをやろうってんなら、俺は喜んで協力するぜ」


 と言ってくれた。


「なぁに、いざ戦場が動き出せば、戦いは部下に任せておけ。どっしりと構え、動かぬ事が大将の仕事じゃ。大丈夫じゃ。お主が連れてきた仲間達は、決して敗けたりはせんよ」


 とヌシ様は俺の背中をポン、と叩いた。それを聞いて、そこに集った一同が力強く頷いたのだった。




  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇




「本当に……エリス叔母上……なのですか?証拠はあるのですか?」

 

 会議の前に、ルカは叔母であるエリスに初めて会う事になった。一目見てルカはまず、その若さに驚き、そして訝し気にエリスに問いかけた。

 

「ええ、しかし、私はバーグマン家を出た者です。ですからエリス=バーグマンではありません。けれどもルカ様の事は叔母として心配しておりました。ルカ様……アーロ様の小さい頃の面差しがありますね……」


 そう言ってエリスはルカを見つめ、大切に布に包んでいた「風殺の腕輪」をルカに見せた。


 その、バーグマン家の家宝の腕輪と、ヌシ様がエリスに会い「双子山のヌシとしてお主の事はずっと気にかけていた」と涙を流して喜んでいたのを見て、叔母である事に間違いないと認めた。どうやらヌシ様は事前にミサーク村襲撃事件の一部始終を話していたらしい。道理で俺やグラントに色々質問を浴びせた訳だ。


 エリスは泣いて喜ぶヌシ様に「えっ、おじ……、いえ、ヌシ様……?」と、少々戸惑っているようだった。子供の頃のエリスはヌシ様を見た事がなく初対面だったらしい。どうやら元の身体の持ち主であるハンプーサはハロルド以外の人間とは、関わりを持っていなかったようだ。


 エリスがもし、ヌシ様が父親のハロルドだと知ったら、きっと泣いて喜ぶんだろうけど、ヌシ様は正体は明かす気はないみたいだからなぁ。うーん、俺としてはこの際、エリスも喜ばせてあげたかったな……。

 

 バーグマン家の人達の再会を見て、シャーロットが小声でヒューゴに話しかけた。


「ルカ様の時はあれほど厳しかったのに、エリス様には随分違う。あれではルカ様がお気の毒では?」


 とヒューゴに耳打ちする。


「本来ならエリス様と同じように喜び、抱きしめたかったであろう。しかし、ルカ様は当主。優先すべきは家族への情より、当主の責務の自覚。それはアーロ様に対しても同じだった。ハロルド様もさぞおつらかったはずだ」


 と言っていた。


 当主の責務かぁ、俺にはとても無理だなぁ。


 


  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇




「うわぁ、いいお家ね!木の香りもいいわね!」


 家に入り、エリスが歓声をあげる。

 

 会議終了後、皆に「明日は長い一日になる。ミナトは今の内に休んでおけ。いざと言う時に、頭が働かないと困るからな。何か異変があれば知らせる」


と言われ、好意に甘える事にした。ルカやヌシ様も誘ったが、それには及ばんよ、と言って双子山へ戻っていった。


「ミナト、リンおかえり!!」


 と、弾んだ声が 俺達を迎える。ライとラナにエリスを紹介し、二人は行儀よく挨拶した。


 とりあえず、明日の為に早く休もうと寝支度をしていると、ふとラナが俺の服を引っ張りながらつぶやいた。


「……私、ミナトのご飯が好き。……明日も食べれる?」


 ラナを見ると何だか思い詰めたような表情を浮かべている。


「ああ、マジックバッグに作りおきがあるからね。ちゃんと食べられるよ」


「……じゃあ、明日も明後日も……これからもずっと食べられる?」


 そう俺に問いかけるラナ。


「どうしたの?ラナ?」


「……ミナトやライやリンが居なくならない?……また皆で、美味しいご飯をお腹いっぱい食べられる……?」

 

 ラナが、いつもとは違う不安そうな瞳をして俺を見る。


「あらあら、ラナちゃん大丈夫よ?ミー君はいつも皆を助けてくれる。リンリンだって、私だってミー君に助けられた。今だってそう。必ず助けてくれるわ。大丈夫、ああ見えてとっても頼りになるんだから」


「うん!ミナトはすごいんだから!」


「そうだよ!だってミナトさんは、いつでも僕らを助けてくれたじゃないか!今度もきっとやってくれるよ!」


 エリスが、リンが、ライが、ラナを励ます。それを見て思い至る。ラナ……、不安で押しつぶされそうな心を懸命に耐えていたのか……。小さなラナの不安をこれ以上大きくしてはいけない。俺が、ライトラナの平和を、幸せを守るんだ……と。


 腰を下ろし頭を撫でながらラナを見つめる。


「ラナ、俺は必ず勝つよ。誰一人欠ける事はなくね。だから明日も明後日もこれからも、俺はラナにご飯を作るよ。「ミナトのご飯、美味しい」って言ってもらえるようにね。だから安心して」


「……ミナト」


 ラナに笑いかけ、ゆっくりと頷く。


「ミナトォ~!うわぁぁ~ん」


 堰を切ったように泣きだしたラナをしっかりと抱きしめ、頭を撫でた。


 その後、リンが「今日はエリスと寝る!」と言ったので、ライとラナの部屋でラナと一緒に寝る事にした。ライのベッドには、なぜかタヌ男が潜り込んでいる。最近はいつもそうしているらしい。


 考えてみたらラナと寝るのは初めてだったが、ラナは「ん……なんか安心する」と間もなく、すうすうと寝息を立てて眠った。


 ……絶対に守るさ。みんなも、双子山も……だから大丈夫……。俺達には仲間がいるからね……。


 ラナの横で、そう思いながら眠りについた。



  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 


『ミナト様、ルカ様達が山を降り始めたようです。我々も急ぎ支度を』


 家の前で警護をしているウィルの念話が響く。眠れたのは三時間程だが、自分でも驚く程スッキリとした目覚めだ。ライはもとより、普段は目覚めの悪いラナも今日は違う。


 素早く身支度を整えリビングに行くと、既にリンとエリスが待っていた。


「おはよう、エリス、リン」


「おはよー。ミナト!」


「うん、みんな、スッキリした顔してる。よく眠れたみたいね」


「ああ。いよいよだからね」


「ふふっ、そうね。頼りにしてるわよ、ミー君」


 テーブルにつき、作り置きのサンドイッチなどで軽く朝食を済ませた。


「じゃあ、行こうか。みんな、今日は運命の日だ。俺は絶対に勝つ。そして、皆、この戦いが終わったら何が食べたいか考えといてくれ」


「……たくさんあるけどいい?」


「もちろん、何だって作るさ!」


 そう言うとみんな笑顔になった。こういう時、何かカッコいい言葉を言えたらいいんだろうけど、残念ながら浮かんでこなかった。まぁ、俺にはこれくらいがちょうどいいさ。


『間もなくバーグマン軍が館を出るようです。三時間程で姿をあらわすものと思われます』


 偵察に出ていたコタロウからの念話が届く。俺にとって長い長い、そして運命の1日が始まった。





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