表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
〈第二部開幕〉転生聖女の逃亡放浪記  作者: 宮本高嶺
終章 女神の聖域・崩壊黙示録

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

376/389

376 エピローグ・手紙

 リターニア様へ


お久しぶりでございます、ミレイユ・ベオーク・フェオールです。

ようやくこちらも落ち着きを取り戻しまして、こうしてお手紙を認めております。


早いもので、あの恐ろしい出来事の日から三年が過ぎました。

こちらに移住してから、新生フェオール王国を興し、散り散りになっていた民を探して呼び戻したり、近隣各国へ挨拶に伺ったりと大忙しの日々でした。

勿論、それ以外にも多くの事がありましたが、特に貴女へお伝えしたい事が一つ御座います。

現在、私達の下に可愛い子供がおります。

レオーネ様との間に産まれた、第一王子です!

あ、順番が逆になってしまいましたね。

実は、今年になってレオーネ様は王位を継ぎ、正式にフェオール王国の王となられたのです。

お恥ずかしながら、私も王妃となり、日々勉強をしております。

先代国王と王妃様は激動の日々を支え、新たな時代の幕開けと共に若い世代に後を託す、と仰られご隠居なされました。

そして、そんな折に新たな、更なる嬉しい事が分かりまして、現在私のお腹に新たな命が宿っているのです。

産まれるのはまだ先ですが、もう今から楽しみで、長男もまだ幼いながらも毎日はしゃいで喜んでおります。

愛しい我が子達を貴女にお見せ出来る日が来る事を、信じております。


三年前、私達を助けて下さった救世同盟。

現在、レオーネ様もそこに加わり、この世界の事を学んでおります。

あの日以来、邪神やその眷属達は姿を見せておりません。

しかしながら、それでも尚魔物や魔獣の脅威はあり、それらの対応にも追われております。

このような存在と闘い続けてきたこちらの方々には、本当に頭が下がる思いです。


そんな中、私はここ暫くはマンベルの方々と共に調べ物をしております・・・はい、リターニア様の捜索です。

あの日、女神の聖域は突然動きを変え、貴女様の方へと向かって行きました。

それで、グレイス様は見事にお務めを果たされたのだと確信しました・・・同時に、貴女が何をしようとしているのかも。

本当は、止めたかった。

本当は、側に居たかった。

まだお話したい事がたくさんありました。

過去の事も未来の事も、叶うなら貴女と共にそれを見たかった。

いえ、まだ諦めてはいません。

貴女はきっと何処かに居る・・・本当の世界は、私達が生きていた聖域とは比べ物にならない程に広大なのです。

その全てを調べるのに、果たしてどれ程の年月が掛かるか、想像すら出来ません。

ですが、それでも必ず探し出します。

私の代で無理なら、子に託しましょう。

子にも無理なら、その子供に・・・

貴女のお陰で、私は生き永らえたどころか、子をも成す事が出来たのです。

このご恩をお返しするまで、私の想いは決して尽きる事はないでしょう。


だから・・・


だから、どうかお願い・・・


もう一度、貴女に、会いたいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ