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転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
大学2年

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情報収集

「取り敢えず、近所の公園やドッグランの犬好き仲間に聞いてみて、同じ様な被害や襲撃に遭ったり遭いかけたりした人がどれくらい居るか、確認してみます」

飼い主さん(杉本さんだそうだ)が言った。


「出来れば、何処でいつ起きたのか、こちらの地図に書き込んで貰えますか?」

碧がスマホでマップを個人用に設定し、共有するための入力を始めた。


「メールかチャットアプリでリンクを送ります。

リンクを知っている人間なら誰でも書き込みが出来る様にしてあるので、どんどん知り合いにもシェアして犬仲間ネットワークで犯人の出没エリアを突き止めましょう!」

杉本さんにチャットアプリのIDを教えて貰い、リンクを送って使い方を教えながら碧が拳を握って言い放った。


か〜な〜り、怒ってるね。


杉本さんが指示通りに水鉄砲で襲われた地点に小さな矢印をつけ、日時と犯人の印象を覚えている範囲で書き込んだ。

「良いですね、これ。

どっちからいつ来ているのか分かったら犯人の住処が分かるかも?」


「ですね。

私は近所の獣医さんとかも回って、庭にいた猫や地域猫が襲われたのを治療していないか、聞いてみます」

碧が提案した。


「青木氏にも聞いてみようよ。

それこそ野良猫が殺されている死体とかを不動産屋が処分する羽目になっている可能性もあるし」

酸をかける人が直接猫を虐めて殺しているかは不明だけど、可能性はゼロではないし、庭にいる猫や犬に嫌がらせをされた賃借人から相談を受けている可能性もある。


「私の方は氏子さんの方に自転車で妙に目的も無さげに彷徨いている人物を見た人がいないか、聞いておきます」

黒崎さんが協力を申し出た。


確かに、目撃者が少ない道とかを探す為に下見で彷徨いていそうだよね。


「では取り敢えず探し回って、明日の昼にでももう一度集まりましょうか」

黒崎さんが提案した。


「「「ですね」」」


◆◆◆◆


「ちょっとそこら辺の鴉や猫の霊にでも話を聞けないか、試してみる」

幸いと言うか偶然と言うか(それとも住人が居ないと言う意味で必然なのか?)チャラちゃん襲撃場面は公園の側だったのでそこでポヤポヤしている霊に聞いてみよう。


あまり生きている人間の行動に動物の浮遊霊(人間の霊もだけど)って興味を持たない事が多いのだが、悪意を持った行動をしていると生きていた頃の防衛本能や痛みを思い出すのか、ちょっと注意を引く事があるんだよね。

大抵の野良猫や鳥は子供に石を投げられたり、酷い場合は毒入りの餌を与えられて死んだりしているので、普通に公園で遊んでいる親子連れなんかよりも酸を掛けようと下見している様な人間の方がまだ記憶に残っている可能性がある。


「あ〜、良いかもね。

下手をしたら餌で釣った野良猫とかを殺したり失明させたりしてそう」

顔を顰めながら碧が合意した。


『ここでさっき散歩中の犬が水鉄砲で痛い液体を掛けられたんだけど、やった犯人とかやりそうな人間とか、知らない?』

そこそこの量の魔力を提供しながら辺りにいる動物の浮遊霊に尋ねる。


『石投げる奴は多いからにゃぁ〜。

同じ奴か分からない〜』

『ね〜』


猫霊がふわふわと浮きながら教えてくれた。

やっぱり、野良猫を虐める人間は多いのかぁ。

飢えていて捕まえて食うって言うならまだしも、単に気分転換の為に生きている動物を虐めるってヤバいよねぇ。


それこそ、そう言う事をする人間って学校や職場でも弱者を虐めたり、モンスターペアレントとかハラスメント紛いなクレームを執拗に付けまくる客とかになって周囲にパワハラ的な行為をやる様な人間になりそう。


まあ、場合によってはパワハラや虐めを受けた人間が歪んで更に自分より弱い生き物を虐めるようになるって説もあるけど、虐げられる痛みを知っているのにそれを他者にやる人間って結局はロクデナシだよね。


痛みっていうのを思い至る想像力のない人間が、虐められたり殴られたりして初めて今までの自分の行動を省みて後悔して謝罪したり行動を改めるってケースも前世でも極々稀にあったけど・・・大抵は謝った事に満足して、他の面で周囲に被害を出しても気付かぬまま迷惑を掛けまくっている人間が多かった。


それこそ、私に無限な魔力があるなら公園とか河原とかの動物が虐められる場所に結界を張って、何かに痛みを与えたら同じ痛みを夢で延々と毎晩感じ続けるようにでもしてやりたいところだけど・・・そんな余剰な魔力は無いからねぇ。


『水鉄砲みたいので攻撃してくる奴は?』

石を投げるのに比べ、水鉄砲の方は計画性がある。

数も少ないだろう。


『あ〜、居るね。

前はよく練習に来てたけど、皆が隠れる様になったら来なくなった』

鴉の霊が教えてくれた。


ほう。

『鴉だったら報復出来そうじゃない?

突つき返してやれば良かったのに』

思わず呟く。

猫じゃあサイズが違いすぎてやり返すのは難しいが、鴉が鋭い嘴で突けばそれなりに痛みを与えられるんじゃない?


『人間に攻撃すると執拗に罠をかけられたり攻撃される。

巣穴や雛を狙われない限り、逃げる方が良い』

あっさり私の考えは否定された。


まあ、確かに人間を襲う鴉なんて『子供が襲われたら危険だ!』って事で本格的な業者を呼んで駆除されかねないか。


先に鴉の方を攻撃していても、そんな事を認める訳はないしね。


『どっから来たとか、見た目とか教えて』

ついでに家まで追い掛けて確認してくれてたらもっと良いけど、それは無いだろうなぁ。



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