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転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
医療行為の要請

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実務的な話

「ちなみに、展示ケースに結界を張るとして、その展示会の間中は夜もずっとそのままケースに宝冠を入れておくんですか?

毎晩ケースから取り出して金庫にしまうとなると結界を解除して再設定する必要があります。

その上、金庫の方も結界を設置が必要で1日2回も行かなきゃいけないなんて事になるならお断りしますよ?」

碧が田端氏に警告しつつ尋ねた。


そうだよねぇ。

ある意味、白魔術持ちだったら碧の結界を比較的簡単に解除したり一時的に無効化出来るかも知れないが、そんな人間が警視庁や警備会社に勤めているならここで碧のヘルプを求めていないだろうし。


「あ〜。

確かに万全のセキュリティを講じた展示ケースから出して『安全』な金庫に入れるために毎日決まった時間に人の手で持ち運ぶのはセキュリティ上から見たら意味がない行為だな。

そこは動かさないよう説得しよう」

田端氏が頷く。


それに、1回術をかけて二週間後に解除するならまだしも、毎日2回二週間連続で術をかけるとなったら費用が爆上がりするしね。

基本的に魔術師の報酬は使った魔力の量と拘束された時間に比例するのだ。

協会が足元を見て値を吊り上げる事はあるかもだけど、取り敢えず普通の昏睡結界だったら時間の方が報酬面では大きいぐらいの筈。


「ちなみに、日中でも展示ケースの結界に触れたら見に来たお客さんも昏倒しちゃいますが、うっかり見物客が触らない様にできます?」

碧が確認する。


確かに『触れないで下さい』と警告文が貼ってあるにしても見物者が触れて昏倒すると問題になりそう。

しかも倒れる際に展示ケースの方の倒れ込んだらどさくさ紛れに宝冠を盗もうとする人が出てくるかもだし。


「元々、外側のガラスケースの中にほぼ目に見えない薄い膜の様な湿度と温度を調整する用のケースがある。この内側のケースに術を掛けて貰えればいいだろう」

田端氏が応じた。


「その外側のケースだけを触れて持ち上げても中の宝冠は持ち去れないんですね?

夜中だったら時間をかけて内側の結界に触れずに外側のケースごと持ち去るなんて事も出来そうですが」

何度かは失敗するかもだが、挑戦者が複数いるならそのうち結界に触れずに持ち出せる人間が出てくる可能性がある。


と言うか、色んな人材が盗みに来るかもって言うなら裏社会の魔術師が来る可能性も考えて、碧と私の両方が術を掛けると良いかも。

碧のは睡眠で眠らせる術、私のは意識を刈り取って昏睡状態にさせる術と多少は違いがあり、どちらも意識不明状態にするのに変わりはないが、一応対応策は変わる。

そして白魔術師と黒魔術師の両方が協力して宝石なんぞを盗みに来る確率は限りなくゼロに近いだろう。


まあ、この点については特に言及しないが。

警視庁側から警備情報が漏れる可能性だってゼロじゃ無いだろう。

今時だったらとんでもなく高性能な盗聴器とかもありそうだし、意外と日本のお役所って不用心そうだし。


「・・・見物客が絶対に触れない角度の部分はガラスケースが無い様にして、絶対に結界に触れずに宝冠を持ち去れないように設計させるよ」

田端氏が約束した。


「まあ、六本木に行ってちゃちゃっと結界を2つ設置するだけならちゃんと退魔協会の報酬額を払ってくれるならやっても良いですよ。

勿論、一回ぐらいは宝石展の展示物を見せて貰えるんですよね?」

この仕事をやっても良いって事は来る前に私と碧とで合意していたので、問題点を指摘し終わったところで碧が言った。


「勿論だよ!

いやぁ、助かる!

退魔協会は君への指名依頼を何だかんだ言って邪魔するからね。

どうやって話を持っていくか、悩んでいたんだ」

にっこり嬉しそうに笑いながら田端氏が言った。


おやぁ?

碧を指名すると実力よりも安いランクの報酬になるから基本的に碧が前もって合意していないと指名依頼はできないって話は聞いたけど、退魔協会は話を持ちかける事すらブロックしてるの??


ちょっと意外。

碧への指名をしたがる客が多すぎるせい?

それとも碧に頼まれると報酬額(つまりは協会に入る仲介料も)が安くなるからそれとなく妨害しているの?


警察相手でもそんな事をしているとは、中々退魔協会も強気だね。

その癖政治家が頼めば依頼未満な話も持ってくるんだから、何だかなぁ・・・。

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