表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
大学4年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1425/1427

岡田家

 岡田家(妻の実家)から歩いて30メートルぐらいなところに小さな公園があったので、そこのベンチに座って碧が待つ間に私はハネナガに岡田家に調査に入って貰う事になった。

 こういう住宅地の中に突然ある小さな公園って何のためにあるんだろ?

 鉄棒とベンチしかないんだけど。

 下手にスイングして近くにいる子供に当たったり、子供が落ちたりするかも知れないブランコよりは鉄棒の方が安全かもだけど、今時鉄棒を回る様な子供ってそうそう居ないと思うけど。

 しかも二つ有る方の片方はかなり高いから、あれって懸垂が出来なきゃ使えなくない??

 ワンチャン近所のマッチョおっさんが懸垂する為にあるのかもだけど、その想像図は微妙に夢がない。それともお父さんが鉄棒の上に子供を持ち上げて、大車輪(?)をやらせてあげる為にあるとか?

 母親でもいいけど。身軽な子供だったら横に鉄棒からつたって自分で登るのも多分可能かも?


 鉄棒の使用者と使用目的はさておき、公園そのものはキャッチボールとか縄跳びの練習をするためのスペースなのかね?

 だとしたらちょっと狭いと思うけど。

 それとも、現代版井戸端会議用のスペースなのか。

 今じゃあ近所の人と立ち止まって話すよりもSNSで色々チャットしそうだが、考えてみたら若くない年代は普通に人と話す場所を求めるのかな?

 というか、鉄棒やベンチのボロさを見るに、この公園はSNSが流行る前に整備されたのかも。


 考えてみたら、2000年でも携帯を持っている人はそこまで多くなかったし、持っている人も基本的に通話用のガラケーだったからSNSなんて存在しなかったって母が言ってたっけ。

 そう考えると、この公園の角にあるぶっとい桜の木って携帯電話が世に出る前から生きてるのかも?


 う〜む。

 ちょっと時代の流れが大きく感じるねぇ。20年ちょっとで世界がガラッと変わった感じ。

 まあ、それを言うなら私の両親が生まれた頃だった高度成長期の三種の神器はテレビと冷蔵庫と何かもう一つだったって聞いた記憶があるから、つまりうちの親が子供だった時代って下手したら冷蔵庫が家になかったんだよね??

 SNSどころじゃない文明度の違いだなぁ……。


 それはさておき。

 ハネナガが岡田家に辿り着き、中に入った。

 あれ、誰もいない?

 祖父がまだ定年退職前で仕事に出ているにしても、祖母はいるかと思ったんだけど。

 一階を見て回ると、やはりちゃんと主婦がいる家らしく、それなりに整理されている。

 新聞がリビングに置いてあるのはちょっと目新しい。

 今時、デジタルじゃなくて物理的に新聞を取っている人なんてまだ居るんだね〜。

 ウチの親も最近はデジタル版に切り替えたって言っていたのに。


 雑誌もそれなりにある。

 どうやら岡田夫妻は物理的な媒体を読む派らしい。

 角にある書斎っぽい部屋にPCとプリンターがあるが、本棚と大量の本もある。

 子供が描いたらしき絵や工作っぽい何かが棚や壁に飾ってあるが、デジタルフォトフレームには幼児と中年(初老?)夫婦の写真が数十秒ごとに切り替わって表示されている。


 幸いにも子供は愛されているみたいだ。けど、父親の写真が一度も出てこないのはどうしてなのかね〜?

 と思っていたら、一枚だけ何やら若い男性に肩車されて幼児が木の枝に手を伸ばしている写真が出てきた。

 おう。

 どうやら没交渉では無いらしい。

 良かった。


 リビングにも子供のおもちゃが幾つか籠の中に転がっているし、食卓には子供用の椅子がある。

 あれ?

 考えてみたら、父親の部屋には子供用の椅子が無かったね?

 どうやって食事を食べさせるんだろう?

 椅子の上に箱でも乗せて高さを調整するのだろうか。


『2階も回ってみてくれる?』

 取り敢えずざっと1階を見終わったので、ハネナガに頼む。


『うむ』

 階段を上がった先の階では、夫婦の部屋らしいシングルベッドが二つ並んでいる部屋が正面にあり、横は子供部屋だった。

 セミダブルぐらいのサイズのマットレスが床に置いてあり、部屋一面にクッションマットレスっぽいのが敷き詰められており、子供の服やおもちゃが整理されているとは言え、溢れるほどある。

 うん、どうやら子供はそれなりに大切にされているっぽいね。良かった。父親の所の服とオモチャだけじゃあちょっと少ないと思ったんだよね。


 取り敢えず。

 あの子供の主たる生活の場は、ここみたい?

 まあ、シングルファーザーが乳幼児を一人で働きながら育てるのは難しいんだろうけど。

 これって小学生とか中学生になると父親のところに戻るんかね?


『下に人が来たぞ』

 ちょっと悩んで(まあ、私が悩む話じゃないけど)いたら、ハネナガが教えてくれた。


 祖母が帰ってきたのかな?

 出来れば先にお向かいの家にいた猫の話を聞いておきたかったんだけど、まあ取り敢えず様子を見させてもらおう。

 子供を連れて帰って来たならだけどね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
>20年ちょっとで世界がガラッと変わった感じ ホントにそうですよね かつて全盛だった出版文化はネットに取って代わられ 個人同士のコミュニケーションが発達したことでマスコミの化けの皮がすっかり剥がされて…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ