表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
大学4年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1423/1427

転居先

『あそこが事故物件になったきっかけと思われる夫婦が住んでいたのは4年前でした。

 妻の自殺後に直ぐにあそこを出て、子育てを手伝うと言ってくれた妻の実家のそばに引っ越したようですね』

 事故物件の事前調査を終えた数日後、ちょっと最後の物件の夫婦の子供がどうなったか調べて欲しいと私達から頼まれた青木氏が電話してきた。


 退去した後って一応連絡先を渡すから、何度も引っ越さなければ何処にいるか不動産屋なら分かるのか〜。

 普段だったら個人情報って事で同じ業界内でも情報の共有は難しいだろうけど、事故物件だからねぇ。

 非公式に協力関係があるんだろう。

 もしくは青木氏の人徳かも?


「その妻の実家と、夫の引越し先の住所を教えて貰えます?

 娘さんが無事なのかだけ、そっと確認したいので」

 妻を実質殺した従姉妹が夫と結婚しているかどうかは流石に青木氏も知らないだろうから、これはクルミかハネナガに確認を頼もう。と言うか、再婚していたら元妻の実家を頼るのをやめているだろうから、引っ越しているだろうなぁ。

 そう考えると、言われた住所に住んでいなかったら子供の状況はかなり危険かも。


『個人情報なので本当はよくないのですが……。

 子供の命に関わるかも知れませんからね。確認が取れたら破棄するよう、お願いします』

 ふうっとため息を吐いてから青木氏が腹を括ったように言って、住所を教えてくれた。

 こないだの事故物件より、もう少し郊外な地域だね。

 住所を見る限り、妻の両親は戸建て、夫はマンションなようだが。

 考えてみたら乳幼児を父親がシングルファーザーとして育てるのなんて、可能なのかな?

 保育園に預けるにしたって24時間って訳にはいかない。夜は引き取りに行かなきゃいけないし、寝かせる前にお風呂とか入れなきゃいけないんじゃないかな? 

 異臭がする程不潔だったら保育園で入浴させてくれるかもだが、それが常態だったら児童保護当局に通報されそうな気もする。

 妻が産後鬱になっても手をこまねいていたと思われる夫が乳幼児ケアに必要な技能を身に付けていたのか、ちょっと疑問だ。

 ご飯だって食べさせなきゃだしねぇ。

 最初は粉ミルクでいいとしても、そのうち離乳食をあげなきゃだし、男親一人じゃあやはり無理じゃない??

 まあ、だからこそ妻の両親が手伝うって言ったんだろうけど。

 妻の両親にしたって老後になって突然乳幼児の世話をするのは大変そう。

 隈のせいで年齢は分かりにくかったが、あの女性の霊は多分30歳前後だったんじゃないかな?

 だとすると、親は50〜60歳ぐらい?

 下手をしたらまだどちらも働いていた可能性だってある。

 手伝うと言ったんだから祖母が働いていないか、仕事を辞めて良いと思ったんだろうけど、初老で乳幼児な孫の世話は大変そう。

 祖父の方がどのくらい乳幼児の面倒を見るのに役に立つかは不明だし。


 娘が自殺しそうな程に落ち込んでいるのに気づかなかった(と思われる)婿に孫を任せきる気になれなくて手伝うとと言ったのかもだが、おばあさんも大変だね。

 と言うか。

 娘が鬱になって助けてくれとシグナルを出していたのに、気付かなかったか無視したかなのを悔やんでその償いのつもりなのかも?


 まあ、取り敢えず行って調べてみなきゃそこら辺は全く分からないけど。

「今から行ってみる?」

 碧が声を掛けてきた。


「うん、取り敢えず場所だけでも確認して、ハネナガかクルミを貼り付けてくる」

 昼食直後でまだ時間があるからね。

 4歳か5歳の子が居るとして、何時に保育園から帰ってくるのか知らないけど。

 と言うか、保育園に預けてたら虐待はしてないか?

 流石にバレるよね??

 小学校は義務教育だから通わせていた虐待児はいるみたいだけど、虐待している子を態々保育園に通わせる事はないか。

 と言うか。

 今でも妻の実家のそばに夫は住んでいるのか。

 それが一番簡単に確認できて、露骨そうな兆候だよね。


 青木氏のくれた住所って、4年前に受け取った連絡先だろうと思われる。としたら、今は全然関係ない人が住んでる可能性もそれなりにある。

 その点を知っているのか、青木氏に確認すれば良かったな。

 まあ、どちらにせよ少なくとも妻の両親経由で何か分かると期待して、たとえ夫側が引っ越していてもそこに調べに行くのが最初のステップになるけど。


「じゃあ、寒くなる前にさっさと行こうか。

 最近は日中は暖かくても3時半ぐらいから冷え始めるからねぇ」

 碧が携帯を手に取って立ち上がった。


 おや。

 私一人で行こうかと思っていたんだけど、碧も付き合ってくれるらしい。

 まあ、あの怒り狂った女性霊の声は碧も聞いたからね。

 気になるんだろう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
>個人情報なので本当はよくないのですが 子供の健全な成長の為の例外措置ですね 条例にも有りますし
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ