雨宿り~キミとぼく~
若さ。
はじめてのデート・・・デート、でいと、その言葉にぼくは胸の高まりを覚える。
結局、その夜はぼくは一睡も出来なくて、赤い目をしてキミとの待ち合わせ場所に行った。
遠くでキミを見つけ、近づこうとした時、キミはあくびをして、はっとぼくに気づいて恥ずかしそうに目を伏せた。
その目はぼくと同じて真っ赤だった。
似たもの同士ぼくはなんだか嬉しかった。
自転車でサイクリング、心地よい秋風に吹かれて、ぼくらはサイクリングコースを走る。
並んで走るキミのその横顔を見ると、すぐにこっちを向いて、ぼくと視線が合い、思わず恥ずかしくて顔を背ける。
そんなぼくを見て、ニコニコと笑う、キミは意地悪だな。
コンビニでホットスナック、おにぎりとパンを買って、公園で食べたけど、緊張して味が分からなかった。
それ美味しそうと、キミはぼくのナゲットをひとつ取って食べた。
美味しいねとキミ。
美味しいねとぼくほ返す。
曼殊沙華が風に揺れる、自転車は並走する。
急に曇天となり、風が強まると、流された大きな雲の塊がから雨が降る。
ポツポツ、ザーザー。
あっという間にアスファルトは、濃い黒へと染まる。
ぼくらは朽ち果てかけた東屋で雨宿りする。
ずぶ濡れのぼくら、キミを見た。
髪は濡れ、キミはカーディガンを脱ぐとそれを絞った。
コンクリに打ちつけられる水の音。
白いTシャツが透けてブラが見えた。
ぼくの鼓動が高まる抑えきれない衝動が込みあげてきた。
そんなボクを知ってか知らずか、悪戯顔で覗き込む。
「どうしたの?」
と、キミは言う。
「何でもない」
ぼくは慌てて微笑み、己の本能と戦う。
いいね。




