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リゴール⑥

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

「こちらが食堂です」


食堂のテーブルには、干し肉、干した果物、干したイモ…色々な保存食が置かれていた。


「あ、この干し芋結構美味しいですよ」


「…」


「え?」


イーツ君が聞き返す。


「こんなの食事じゃない…」


「えっと…」


イーツ君が戸惑う中、ほぼ使われていないキッチンに向かった。


「キッチンお借りしますね。ここって全員で何人くらいですか?」


「えーと、親方も入れて確か32人です」


「了解。ガブリエル、寸胴鍋とにんじん玉ねぎジャガイモ、それと鶏肉出して」


私はガブリエルが出してくれた鍋に魔法で水を入れ火にかけ、野菜を切り出した。


「わあ、魔法袋ですが?すごいですね」


イーツ君の目が輝きだした。


「僕、魔法袋みるの初めてなんです。ぜひじっくり見せて欲しいなあ」


「無理です」


そうだよね。


正確には魔法袋じゃないもんね。


「そうですか…残念です」


イーツ君はしゅんとしてしまった。


その間にも私は肉や野菜を鍋に入れていく。


「ガブリエル、ソーセージまだある?」


「はい、ありますよ。どうぞ」


ソーセージも入れよう。


キャベツとブロッコリーを入れて、コンソメを入れて煮込んだらポトフの出来上がりだ。


「いい匂い」


イーツ君がお鍋を覗き込む。


「何を作っているのですか?」


「これはポトフって煮込み料理だよ。肉も野菜もたっぷり取れるから栄養満点だよ」


疲れた頭と身体には優しい煮込み料理がいいよね。


人数多いし。


「ソフィア様の料理は絶品ですよ」


ガブリエルが調理器具を片付けながら言った。


「さあ、皆呼んできてくれる?食べてもらえるといいけど」


「はい、久しぶりのちゃんとした食事、皆さんもきっと喜びます」


そう言っていると、食堂のドアがあいて、数人の職人達が入ってきた。


「なんだ?すごくいい匂いがするんだが」


「こちらの依頼者の方が、私達に料理を作ってくれたんです」


私とガブリエルはお皿を出して盛り付け始めた。


「皆さんどうぞ食べてください。パンもありますよ」


「やったぞ、食事だ!他の奴らも呼んでこい」


他の人を呼びに行った1人を除き、どんどんポトフとパンを受け取っていく。


「うまっ、身体に染み渡るわ〜」


「こんな温かい料理久しぶりだ」


他の職人さん達も続々とやってきてポトフの入った皿を受け取って席に着く。


食事を取った人は顔色も良くなり少しだが元気が出たように思う。


「ソフィア様の料理には人を元気にする力がありますね」


ガブリエルがそう呟いた。


私の料理に本当に少しでも人を元気にする力があるとしたら、それはとても嬉しい事だ。







読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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