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リゴール⑤

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

「え?あの、どういう事がよくわからないのですが、どうして見習いであるはずのイーツ君がお一人で作られてるんですか?」


私は、よくわからず再び聞き返した。


「実はお恥ずかしい話なんですが、この工房は仕事が多すぎて皆さんずっと休みなく働いている状況なんです」


なんですと?


「親方が仕事に打ち込みすぎて、家族を蔑ろにし過ぎた結果、奥さんが子供を連れて出て行ってしまって」


なんと!


「ショックで親方は飲んだくれになり、毎日仕事もせずに酒場に入り浸りになってしまいまして」


それは大変だ。


「更に自暴自棄になった親方に嫌気がさした人達がかなりの人数やめてしまったんです」


そんな典型的な落ちぶれ方ある?


「結果仕事量に対して圧倒的に人員が足りず、かと言って注文を疎かにすることも出来ず、皆休みもなく、寝る暇も削って働いているわけです」


それで皆さん青白い隈のある顔で働いているわけだ。


ブラック企業の出来上がりだ。


「それでイーツさんが依頼の調理家電を作っているわけは…」


「それは見習いである私が一番手が空いているからです。他の職人たちは受けている定期的な大量注文の品を納期までに作るので手がいっぱいで。あ、評判はいいので品質は悪くないと思いますよ」


そんな理由か。


イーツ君に依頼するなら申し訳ないがステータスを見せていただこう。


「すいません、ちょっと確認させていただきます」


ステータス。


ええ!なんだこのステータスは。


水と火と土の3属性持ちはともかく、レベルが高い!

紅蓮の剣の皆を超えているってどういうこと?


戦闘系のステータスはないっぽいけど、この錬金の申し子って称号すごいんじゃない?


「すごい!!」


私が思わず呟くと、


「すごいって何がですか?」


とかわいい感じで聞いてきた。


見た目と実力のギャップがいいね。


「とにかく、イーツさんの実力が凄いのはよく分かりました。それで魔道具を依頼したいのですが、体力的に本当に大丈夫なんですか?」


そんな青白い顔で体のことも心配だ。


「大丈夫、大丈夫。まだ3徹目なんで、あと2日は余裕です」


大丈夫じゃない!


「ちなみに食事はちゃんと取ってますか?」


せめて栄養ある食事があればいいが。


「食事はとってますよ。皆お腹が空いたら、食堂に置いてある保存食を取りに行って机で作業しながら食べています。効率いいですよね。干し肉美味しいし」


はい、アウト。


「だめですよ」


「え?なんて?」


「寝ない、食べない、で仕事をするなんて絶対にだめです」


「え?」


「特に成長期の子供がそんな生活を送っていいわけがないです」


「え?でも、現状仕方ないというか」


私は立ち上がった。


「食堂に案内してください」


「は、はい。こちらです」


私のただならぬ剣幕に押されたのかイーツ君は急いで食堂まで案内し始めた。







読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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