コーラル⑥
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。
私とガブリエルで全員にオムライスとポテトを配った。
オムライスにはケチャップをかけ、ポテトには横に別皿でケチャップを添えた。
「さあみなさん召し上がってください。フライドポテトはケチャップをつけて食べてみてくださいね」
と、言う私のセリフに被せるように、
「なんだこれ?ウマっ!」
と妖精王がフライドポテトを頬張っていた。
「うまいぞ!トマトの風味と酸味が米に合うな」
父もオムライスを食べて好感触だ。
「美味しいわ、ソフィアちゃんオムライスの上に乗ってるのは卵料理かしら?ふわふわね」
「このケチャップと言うのはウマいな」
皆にもいい感じだ。
「それでこれは商品化できそうかな」
父が私に尋ねた。
「そうですね、いくつかの問題をクリアできたら商品化できると思います」
「その問題と言うのを聞こうか」
父はフライドポテトを食べる手を止めずに言った。
「まず、ここコーラルのトマトの安定的な仕入れですね」
「それはオレに任せろ。ついでにジャガイモも多めに作らせる」
すっかりフライドポテトにはまったオベリオンだった。
「一つ目の問題は解決したようなので、次の問題は製造工程です」
私は製造工程で細かくすりつぶす事と、更に滑らかさを出すなら裏ごししたいと言うことを伝えた。
どうせ売り出すならガブリエルがいなくても同じ味を作りたい。
「細かく砕く機械があればいいんですが」
例えばミキサーのような。
「なるほど…それならちょうど次の目的地であるリゴールで魔道具を作ってもらうと言うのはどうだろう?」
「次の街で?」
「ああ、リゴールは錬金術の街なんだ。魔道具師も沢山いる。きっとそのケチャップ用の魔道具も作ってもらえるだろう」
錬金術だと。
前世の便利な家電が色々頭をよぎる。
「魔道具!ぜひ作ってもらいたいです」
「あと鶏をもっと飼うことにしよう。オムライスには卵も欠かせない。ジェイコブ!」
「はい、手配しておきます」
そんな私達を無視して、オベリオンはガブリエルにフライドポテトのおかわりを要求した。
次の日、野菜のお土産をこれでもかともらって私たちはコーラルを出発することとなった。
「またいつでもいらしてくださいね」
町の人だけでなくドライアド達も見送ってくれた。
「ありがとう。ほんとにまた来ます。これからも美味しい野菜をお願いします」
「ああ、任せときな」
「わしらは畑が生きがいだからな」
ほんといい人達だ。
これからもここの人達が幸せに暮らせますように。
そう願ったとき、空から声がした。
「その願い、しかと届きましたよ」
フォンテーヌ様の声だ。
しまった、神に願いを届けてしまった。
まあ、いい事だしたまには特別なこともいいか。
私は幸せな気持ちで馬車に乗り込んだ。
読んでいただきましてありがとうございました。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
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