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コーラル④

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

人参ケーキで少し機嫌が直った女神様はいつものように聞いてくれた。


「それで、ソフィア。最近は困ったことはない?」


「はい、フォンテーヌ様。困った事は特にないです」


私は今世は、今の所周りの人にも恵まれて幸せだ。


「ガブリエル、しっかりとソフィアを守ってる?」


「はい、女神フォンテーヌ様。変わったことといえばオベリオンに祝福を受けたくらいです」


「オベリオンね…。ソフィアの魂と外見は妖精にとっても魅力的でしょうね。祝福はまあいいとして、あの子が何か無茶を言うようならしっかり止めるんですよ」


「はい、かしこまりました。女神様」


妖精王をあの子呼ばわり、さすが女神。


「妖精とはどのような存在なのですか?」


絵本の妖精は自由気ままなイメージだが、ここのドライアドは町の為に働いていた。


「妖精とは本来何にも縛られない自由な存在です。楽しいことが好きで、気に入った者を助けたり、逆にイタズラしたりします」


妖精のイメージそのままのようだ。


「妖精王はその妖精達の王で、妖精達は王と王妃には無条件で従うようになっているのです。もちろん、妖精王の祝福を受けたソフィアも妖精達の力を借りることができますよ」


オベリオン奥さんいたんだ。


いやそれよりも、今なんて?


「妖精王の祝福を受けたら妖精達の力を借りられる…」


「はい、そうですよ。例えば風の妖精の力を受けてさらに攻撃力をあげたり、空を飛んだりできると思いますよ」


空を飛ぶなんて夢があるな。


でも待って、今まで旅してきて空を飛んでる人なんて会った事ない。


「それってもしかしてチートって事なんじゃないですか?」


私がそう聞くと、明らかに女神とガブリエルはしまったと言う顔になった。


「いやいや、チートと言うわけではないですよ。妖精が力を貸すことは特に珍しいことではないですし」


「でも空飛んでる人なんて、ガブリエルと魔人しか見たことないです」


私が食い下がると


「たまたま会ってないだけで、人間でもスキルで空を飛んでる人はいますよ」


女神が言うとガブリエルも


「それに、精霊の力を借りる人は珍しくないですが、その中で空を飛ぶと言うのはあくまでも稀なたとえです。ソフィア様が飛ぶかどうかはソフィア様次第ですよ」


「そうなの?」


「そう、ソフィア様が飛ぶ必要性を感じなければ飛ばなくてもいいんです」


「ふーん、そう言うものか」


「そうなんです」


ガブリエルはきっぱりと言い切った。


「ところでソフィア、昨日はコーラルの野菜をもらって大層喜んでいましたが、何かに使うのですか?」


そうなのだ。


昨日私は沢山もらった野菜で色々料理をしていた。


「ここの野菜で何か商品が作れないかと思って」


ここの高品質な野菜を使った商品なら絶対売れるに違いない。


人参ケーキもその一つだ。


しかし、保存が効かないというデメリットがあり悩んでいるのだ。


誰もが魔法袋やアイテムボックスを持っているわけではない。


普通の方法で色んな人に楽しんでもらえる商品ができればなあ。


野菜も日持ちするものじゃないと、遠くまでは運べないらしいし。


こんなに美味しいのにもったいない…。


「保存がきく商品とはどんなものがあるんですか?」


ガブリエルが聞いてきた。


「そうだね、今現状では保存食品として出回っているのは、干した肉、魚。缶詰、瓶詰め…」


「なるほど、野菜を瓶詰めするのは難しいですね」


「そうねえ、保存魔法をかければ一発なんだけど」


女神様の力は借りられない。


瓶詰め、缶詰、干し野菜。


そういえばこの世界にケチャップってあるのかな。


ケチャップなら瓶詰めで販売できるかも。


「ケチャップを作ろうと思います」


私が言うと2人は驚いた顔でこちらを見た。


「ケチャップとは何ですか?」


「私の世界にあるトマトを使った調味料の一種で、炒めても良し、かけても良しの万能調味料だよ」


私は女神様に向かって聞いた。


「この世界に味噌や醤油はあるからケチャップもありますか?」


「ケチャップねえ…私は聞いた事ないから、あったとしてもそこまで浸透してないんじゃない?」


あったとしてもここのトマトを使ったものの方が絶対美味しいはず。


「ではさっそくケチャップ作りを始めようと思います」



読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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