コーラル③
昨日は投稿できなかったので今日は早めにあげます。
よろしくお願いします。
誤字脱字などありましたら報告お待ちしてます。
次の朝、早朝からガブリエルが青い顔をして私を起こしにやってきた。
「ソフィア様、起きてください」
「んー?どうしたの、ガブリエル。まだ朝早いじゃない」
私は眠い目をこすりながらベットから起き上がった。
「大変です!昨日教会に行くのを忘れてたので、フォンテーヌ様がお怒りです」
ガブリエルは目に見えて狼狽えている。
「今朝神託が降りてきて、最悪この国を滅ぼしそうな勢いで怒られました。早く教会に行かないと」
「何ですって!?」
昨日何か忘れていると思ったのは教会に行くことだった。
しかし私が行かなかったせいでこの国を滅ぼされては大変だ。
私はベッドから飛び出して慌ててクローゼットに向かった。
「すぐ準備するから下で待ってて」
人間その気になればこんなに早く朝の支度ができるのかと思いながら着替えて、下に降りて行った。
「ガブリエル、お待たせ。教会へ行こう」
まだ薄暗い中、私とガブリエルは教会に到着した。
教会はロイド商会の宿からすぐなのだ。
なのに昨日教会に行くことを何故思い出さなかったのか…。
野菜をたくさんもらって浮かれていた自分に怒りたい。
教会に入って椅子に素早く座り目を閉じた。
するとすぐに白いもやに包まれた…。
そして目の前には背中を向けた女神がいた。
「フォンテーヌ様ごめんなさい!」
私はとりあえず謝った。
女神はとりあえずこちらを向いたが、腕を組んでぷんとふくれ顔だ。
「私がなぜ怒っているかわかる?」
「なかなか神殿に行かなかったからですか?」
私が恐る恐る答える。
「旅をしてるんだもの、忙しいことは、まあわかってるつもりよ」
「はい」
ガブリエルが手をあげた。
「はい、ガブリエル」
女神はガブリエルを指差した。
「昨日行くと言っていたのに忘れて帰ってしまったことですか」
「正解!そうよ!それよ」
女神はぷんぷんだ。
「私は、ついに、やっとソフィアに会えると楽しみにしていたのよ」
女神はガバッと両手を広げて楽しみを表現した。
「しかし待てども待てどもあなた達は来なかった。私は忘れられた…。野菜に負けたのよ」
女神は今度は自らの両腕で自身を抱きしめた。
「本当にすいません」
なんか野菜に負けた女神って申し訳なさ過ぎる。
「ガブリエル、せめてあなたは思い出すべきだったわ。オベリオンは楽しそうにあなた達と食事しているのに、私は待ちぼうけ…。この気持ちあなたにわかる?ガブリエル?」
「申し訳ございません」
ガブリエルは深く90度のお辞儀をした。
「あの、お詫びにもならないと思うのですが、昨日の夜作った人参のパウンドケーキです。この町の人参はとても美味しいので、よければフォンテーヌ様も食べてください」
私は昨夜宿の厨房を借りて、もらった野菜の新しい料理を試していた。
これも昨日作った料理の一つだ。
「え?私に?これはソフィアが作ってくれたの?」
「はい、私が作りました」
ウソは言っていない。
「甘いものは結構好きなのよ。ありがたくもらっておくわ」
少し機嫌が直ったようだ。
パウンドケーキとっさに持ってきておいて良かった。
読んでいただきましてありがとうございました。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
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