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コーラル②

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

「え?妖精王?どうしてここに?」


オベリオンは小脇にとうもろこしを抱えたまま私達の前までやってきた。


「おーい、もう俺の名前忘れちゃったのか?」


「それは覚えているけど…一応王だし」


「ソフィアには名前を呼んでもらいたいからな。呼び捨てでいいぜ」


「じゃあ、オベリオンどうしてここで農作業してるの?」


「ここはドライアドの住む土地だからな。俺も気にかけて時々見にきてるんだ。農作業は息抜きみたいなもんだ」


「へえ、そうだったんだ」


その服と麦わら帽子が驚くほど合ってないが、イケメンがしているとなんでもかっこよく見えるから不思議だ。


「なんじゃ、王さんとも知り合いだったんか」


おじいさん、妖精王って知ってたの?


「おじいさん、オベリオンのこと知ってるんですか?」


「ファーストネームはオベリオンっていうのかい。それは初めて聞いたな。王さんは時々外国からやってくるドライアド様達の知り合いなんだよ」


ん?話が噛み合ってないような。


「それにしても外国の名前はわしらとはだいぶ違うな。オベリオン=オウさんって言うのか」


うーん、そうきたか。


まあ、本人もそれでいいみたいだからまあいいか。


「おじい、こいつらにも採れたて野菜食わしてやって」


「ああ、もちろん。この町の自慢の野菜だ。沢山食べて行ってくれ」


オベリオンがそう言うと、おじいさんはハサミを持ってきてくれた。


前世でも野菜は買う専門だったので、初めての収穫だ。


私はトマト、ガブリエルはきゅうりをハサミでとった。


「その井戸水で軽く洗ってかぶりついてみなさい」


近くの井戸で軽く野菜を洗いその場でかぶりついた。


「んー!」


美味しい!何これ?


この町のトマトは食べたことがあったが、鮮度が違うと味もこんなに違うのか。


「おいしーい!」


「こっちのきゅうりもすごくみずみずしくて美味しいです」


ガブリエルも目を輝かせている。


「そうじゃろうそうじゃろう。ここの野菜は最高なんじゃ」


おじいさんは得意げだ。


「おや、オウさんじゃないか。いつも手伝ってくれてありがとう」


農作業帰りのおばさんが通りかかった。


「おや?こっちの2人は見ない顔だねえ。え?ロイドさんとこの?皆〜、ロイドさんの娘さんが来てるよ」


私もガブさんも、あっという間に町の人々に囲まれた。


皆フレンドリーな人ばかりだ。


「このとうもろこしを茹でてあげるよ、ウチにおいで」


最初のおばさんがオベリオンからとうもろこしを受け取ってお家に招待してくれた。


「とうもろこしはとってすぐ茹でると格別なんだよ」


この町のとうもろこしか…さぞ美味しいんだろうな。


「ぜひお願いします!」


私達はおばさんの家について行った。


なぜかオベリオンも一緒だ。


「俺が採ったとうもろこしだからな。お前たちが食べるのを見届けるぜ」


もちろん、とうもろこしの味は、私の2つの人生の中でも最高の味だった。


おばさんの家で話し込んでいたら、いつのまにか夕暮れ時になっていた。


私たちはたくさんの野菜をもらって、おばさんにお礼を言って宿に帰った。


「ただいまー。お父さん、沢山野菜もらったよ」


「おかえり。おお、これはすごい量の野菜だな」


沢山の野菜も魔法袋で新鮮に持ち帰れるので便利である。


そして何か忘れているような…。


読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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