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ドリス⑤

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

私は背中に羽の付いたピンクの妖精の衣装を着せてもらって山車に乗り込んだ。


「ソフィア様、すっごくお似合いです」


「ありがとう、ガブリエル」


女の子達は皆んな、頭には花冠を被せられて、それぞれ色違いの妖精の服を着ている。


そして最後に手渡された籠には花びらが沢山入っている。


「さあ、出発するよ」


前の山車には音楽を奏でる楽器を持った奏者達が乗っている。


私達は2番目の山車だ。


出発してすぐ、背中に羽の付いた親指サイズの妖精が周りを飛び始めた。


「見つけた、祝福の子」


「妖精王のお気に入り」


そんなことを呟きながら妖精達は周りを飛び始めた。


「すごいほんとに妖精がいるんだ…」


私が呟くと


「ソフィアちゃんの周り何かキラキラしてるね」


と隣に立っている子が話しかけてきた。


見えてないのかな。


「さあ、そろそろ大通りに入るよ。花びらを撒く準備をしてくれ」


祭りの実行委員の人の合図で花びらの籠を準備する。


音楽が一際大きくなり、花びらを撒くよう指示がでた。


「妖精の祝福を!」


私達はそう声をかけて山車の上から周りに花びらをまく。


その時、山車から見下ろすと通りにいたオベリオンと目が合った。


オベリオンは微笑んで私に何かを言ったが、人が多くて聞こえない。


その時、妖精の1人が私の耳元に囁いた。


「撒くのを手伝ってやるよ、だって」


そう聞こえるや否や、どこからきたのか私の周りを色とりどりの大量の花びらが舞って、広い範囲にふんわりと舞い降り始めた。


「楽しーい」


「もっと、もっと」


花びらの間を妖精たちが笑いながら飛んでいる。


妖精の羽が光を浴びて宝石の粉のようにキラキラ輝いている。


「わあ、綺麗!」


「すごい!キラキラしてる!


道の両脇で花びらを浴びようと待っていた人々が一斉に歓声をあげた。


音楽に合わせて進むうちに妖精達もさらに楽しそうに舞い落ちる花びらで遊んでいる。


私の待つ花びらの入ったカゴにも妖精が2人入って撒くのを手伝ってくれている。


かわいい。


山車は広場の噴水をぐるりと一周するようだ。


「ソフィア様〜」


あ、お父さんにガブリエル、ジェイコブ、紅蓮の剣のみんなも。


「お父さん!ガブ!みんな〜!」


私も山車の上から手を振る。


「あの人達にも花びらあげる?」


妖精がささやいた。


「うん、お願い」


すると小さなつむじ風が花びらを舞いあげ、みんなの上に優しく降らせた。


「わあ、綺麗!」


リジーさん達も嬉しそうだ。


そろそろ花びらを撒くのも終わりが近づいてきた。


山車は別の大通りをゆっくり進みやがてゆっくりと止まった。


「みんなお疲れ様だったね。今年はやけに花びらが多く感じたな。気をつけて降りてくれ」


私達は順番に山車から降りた。


ガブリエルがいつの間にか出迎えにきてくれていた。


「ソフィア様、お疲れ様でした。とても美しかったですよ」


面と向かって恥ずかしいな、この人。


あ、人じゃないか。


「もう、終わっちゃったの?」


妖精が耳元で囁く。


「うん、終わったよ。手伝ってくれてありがとう」


「楽しかったよ!また遊ぼうね」


「うん、私も楽しかった」


キラキラと妖精たちはどこかへ行ってしまった。


ああ、なんてメルヘンな体験だったんだ。


たまには女神様にこの運を感謝しないとね。


「しかしすっかり気に入られましたね」


「え?なんのこと?」


「オベリオンですよ」


確かにオベリオンはさっきもいたが、どういう意味だ?



読んでいただきましてありがとうございました。

感想のお返事返せないことが多いですが、必ず読んでます。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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