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ドリス④

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

ドリスの街は夜のイベントに向けてさらに人が増えて、盛り上がってきていた。


「お小遣いももらったことですし、何か食べましょうか」


ガブリエルと屋台を周り串焼きや焼きリンゴなどを食べた。


「そろそろダンスが始まるようですね」


あちらこちらに花冠をつけた女性がパートナーと楽しそうに踊っているのが見える。


花冠をつけてない人達もどんどんダンスに加わり始めた。


「私たちも踊りましょうか」


「うん、祭りは楽しまなくちゃね」


私とガブリエルはダンスの人達の中に入って行った。


ダンスは特に決まった踊りはなく、それぞれが音楽に合わせて楽しそうに踊っている。


私も楽しくなってきて音楽に合わせてピョンピョンと飛び跳ねながら踊っていた。


「おっ、かわいい子がいるじゃないか」


褐色系の肌で、柔らかなブラウンの髪に深いブルーの瞳のワイルド系マッチョイケメンが声をかけてきた。


外国の人のような変わった色合いの洋服を着ていて、はだけた胸元には大きなグリーンの宝石が輝いている。


妖精のコスプレのようなものを着ている人も沢山いるのでこの人もそうなのかな。


「どうだい?祭りを楽しんでるかい?」


「はい、すっごく楽しいです!」


私は踊りながら答えた。


音楽はさらに盛り上がり、紙吹雪が舞っている。


「いいねえ、かわいい子が楽しそうなのは」


にっこりしつつ、こちらも楽しそうなイケメンは目の保養ですと心の中で答える。


「そうだ、お前花冠してないじゃないか。気に入ったから特別に俺から贈ってやろう」


「え?」


そう言うとイケメンはパチンと、指を鳴らした。


すると私の頭の上に色とりどりの花が飾られた花冠が現れた。


「あ、貴方はもしかして…」


ガブリエルが言いかけると、イケメンはパチンとウインクを返した。


「俺はオベリオンだ。また、会おうな、ソフィア」


「え?なんで私の名前」


私がそういうとオベリオンは人混みにさっと消えてしまった。


私がキョロキョロとあたりを見渡していると、ガブリエルがため息をついた。


「あー。また気に入られてしまいましたか…まあ、悪いものではないし、しょうがないですね」



この時はまだオベリオンが何者か全く見当がついていなかった。


次の日。


この日は祭りの山車が出ると言う祭りのクライマックスの日だ。


花で飾られた山車から舞う花びらがそりゃあ綺麗なんだそう。


私とガブリエルと父の3人で祭りを見に行く予定だ。


朝、宿の食堂で朝食を食べているとドリスの支店長が大慌てでやってきた。


「お食事中すいません。実はさっき祭りの実行委員がやってきまして…」


支店長によれば、祭りで山車に乗る予定だった子が3人も急に熱を出してしまったと言うことだ。


もちろん予備の女の子もいるが1人しかいない。


2人も抜けると花びらを撒く量が減ってしまうし、何より見劣りする子も山車に乗せるわけにいかない。


そして衣装のサイズの問題もある。


それを色々考慮して、昨日屋台を手伝っていた私に話がきたそうだ。


「どうする?ソフィア?やってみるかい?」


「是非お願いします!」


「ソフィア様の妖精姿。是非見てみたいです」


ちなみに最後はガブリエルだ。


私でいいのだろうか?


「私この街に住んでないけどいいの?」


「もちろん大丈夫です。ロイド商会のお嬢さんなんでこの街の者と言っても過言ではありません」


そう言うものなのか…。


「じゃあ、なかなかできない体験だし、やってみようかな」


せっかくだから精一杯楽しもう。

読んでいただきましてありがとうございました。

感想のお返事返せないことが多いですが、必ず読んでます。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
妖精役は事前に決まっていたのに貴重な経験が出来る機会が回ってくる幸運。今回は主人公が妖精役になる為に…本来山車に乗るはずだった子達が熱を出した、という事? 主人公の幸運って、他者に不幸をもたらす事が有…
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