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ドリス③

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

かき氷を買ってもらえる方法を思いついた。


あまりやりたくないが、やるしかない。


屋台の皆とコソコソ作戦を伝える。


行くぞ!


「お父さん!あれなあに?」


私は、ホットドッグの列の横で隣のかき氷の屋台を指差した。


「ん?あれかい?お父さんも知らないなあ。店員さんに聞いてみよう」


いわゆる、さくらだ。


ちなみに父親役はジェイコブだ。


ガブリエルは下手すぎる。


「お嬢ちゃん、これはね、かき氷って言うデザートですよ。氷を細かく削って、フルーツのシロップをかけてさらにフルーツを乗せています。冷たくてすっごく美味しいですよ」


少々説明くさいが女性スタッフさんも頑張ってくれている。


「美味しそう!お父さん、私これ食べたい!」


頑張って大きな声で。


「うん、美味しそうだね。2つもらおう」


「かしこまりました」


ちなみにガブリエルのセリフはこれだけだ。


「お嬢ちゃん、はいどうぞ。溶けやすいから早めに食べてね」


「うわーっ、美味しそう!いただきます」


私は練乳かけ苺、ジェイコブは桃のかき氷を食べ始める。


もちろん焼き鳥とホットドックの客に見えるように。


「うん、冷たくてフワフワで美味しい!」


「フルーツのさっぱりとした甘さが最高だな」


ジェイコブの食レポうまいな。


幸せそうに食べる私たちを列に並んでいる人はもちろん街行く人も見ている。


あからさまに食べているものを覗き込んで行く人もいる。


「美味しいね、お父さん」


「ああ、もう一度食べたいくらいだ」


よしこれくらいでどうかな、とかき氷の屋台をチラホラ見ると早速2人ほど並んでいた。


よしよし、いいぞ。


慌てて帽子を脱いでエプロンをつける。


ジェイコブも帽子と上着を脱いで腰から下のエプロンをつけた。


その間もどんどんお客さんが並んでいく。


ひとまず作戦成功のようだ。


「ミルク掛け苺一つ」


「こっちは桃2つ」


どんどんかき氷を渡していく。


私は会計と返却された器のお金を返す係だ。


「ミルク掛け苺、銅貨5枚です」


ミルクは銅貨1枚プラスのオプションだ。


「ありがとうございます、食器返却代銅貨1枚です」


買ってくれた人が食べているかき氷を見て、また他のお客さんが買ってくれる。


あっと言う間にかき氷の列は隣のホットドッグと同じくらいになり、さらに長くなった。


「食器を洗うのは俺たちに任せろ」


他の屋台をしていたロイド商会の人も手伝ってくれ始めた。


「ソフィア、手が冷たくて限界だ」


ジェイコブがギブアップしてシロップにまわり、代わりに女性スタッフが器に氷をのせてくれる。


「すみませんが頑張ってください」


ガブリエルの励ましで、女性スタッフの氷をのせる勢いが増した。


昼過ぎにミルクが終了して夕方を待たずに他のシロップもなくなった。


「売り切れた。終わった…」


皆んなぐったりと後ろにあったベンチに座り込んだ。


「屋台って大変なんだね」


「これは異例の忙しさだよ。こんなに人気が出るとは」


ジェイコブが答えた。


「みんなお疲れ様。すごい人気だったな」


「あ、お父さん」


一体今までどこにいたんだと思ったが、お偉いさんは祭りの責任者として色々あるらしい。


「後片付けはこっちでやっておくからソフィア達は祭りを楽しんできたらどうだい?」


「え?いいの?」


「もちろんだよ。だいぶ稼いだようだからかき氷スタッフに特別お小遣いもあげよう」


やった!


女性スタッフさんも嬉しそうだ。


「ガブさん、良ければこのあと一緒に祭りをまわりませんか?」


と女性スタッフがガブリエルを誘ったが、ガブリエルは


「ソフィア様と2人で祭りを楽しむので無理です」


と塩対応を返していた。


き、きまずい。








読んでいただきましてありがとうございました。

感想のお返事返せないことが多いですが、必ず読んでます。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

よければ評価ブックマークもお願いします。

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