バーリ②
順番を間違えて先に投稿してしまったものです
先に読んでしまった方々本当にすみませんでした。
以後気をつけますので変わらずお読みいただけると嬉しいです。
次の日。
「シエル!出かける準備はできてる?」
私はシエル達の部屋のドアをノックした。
「ああ、今行く」
ガチャリと音がしてシエルが現れた。
おお、普段の冒険者スタイルと違って、街歩き姿もかっこいいじゃないか。
「ソフィアちゃん、コイツ楽しみにしてたから、いい服見繕ってやって」
「シドさんは行かないんですか?」
私が答えると、
「俺そんな野暮じゃないからね」
という答えが返ったきた。
5歳と10歳の初めてのおつかいという感じだろうか。
ガブリエルもいるけど。
「うるさいオヤジ。ソフィア、さっさと行こうぜ」
シエルくんが私の手をとって歩き出した。
バーリの街はおしゃれな雰囲気のお店が多い。
もちろん洋服や帽子、靴などの服飾関係のお店が圧倒的に多いが、レストランやカフェなどの飲食関係も充実しているようだ。
「洋服屋多いな」
「どこからみたらいいのか迷うね」
店の多さに立ち往生していると、1人の女性が近づいてきた。
「えっ?なに?天使?天使の親子が立ち往生?」
危ない人だ。
ガブリエルが天使だと気づいたのか。
「やだー!この子達めっちゃ好みなんだけど。待って待って、創作意欲が溢れて止まんないわ」
どういう状況?
隣を見るとシエルも怪訝な目をしている。
「あっ、会長!やっと見つけた。何してんですか。怪しいですよ」
「ウィル!いいところに。紙とペン。早く」
会長と呼ばれた女性が若い男性に紙とペンを要求し出した。
「閃いちゃった感じですか!?待ってください、今紙とペンを出しますから」
若い男性は鞄から沢山の白い紙とペンを取り出し女性に差し出した。
女性は紙とペンを受け取ると街中にもかかわらず地面に紙を置いて何やら描き始めた。
「えっと〜、どういう状況ですか?」
ガブリエルが前にでて若い男性に尋ねた。
「あっ、怪しくてすいません。私はこの街に本店を持つバレンシア商会の秘書をしておりますウィルと申します」
バレンシア商会とは私も聞いたことのある大きい商会だ。
「こちらの怪しい女性は会長のマーガレットです。会長がご迷惑をおかけして申し訳ありません」
「ええと。身元のしっかりした人というのはわかったんですが、この状況は一体…」
私が尋ねると、
「小さいのにしっかりしたお嬢さんですね。会長は好みの人を見つけると、洋服のデザインがひらめくという変わった人でして」
さっきのはそれか…。
「あなた方親子はまさに会長の好みど真ん中です。会長のデザインはこの街の宝です。ぜひご協力お願いします」
ウィルさんが目を輝かせて力説してくる。
「俺たちは親子じゃないし、今から洋服を買いに行く所なのでそろそろ失礼します」
シエルがキッパリ言った。
偉い!
「えっ?服を買いに行く?だったらうちに来て!是非是非服をプレゼントさせて。むしろうちの服を着てくださいお願いします」
ひたすら地面でデザイン画を描いてたマーガレットさんがガバッと起き上がり、私の手をとった。
「悪意は無いようですがどうしますか?」
ガブリエルが私達に聞いた。
「ここまで言われて断りづらいけど、シエルはどう思う?」
「タダでくれるんなら、まあ行ってもいいか」
「ほんとに!ありがとう!さあ行きましょう、すぐ行きましょう」
そういうと、マーガレットさんはウィルが乗ってきた馬車の方に私たちを連れて行った。
まさかまた誘拐じゃあないよね。
読んでいただきましてありがとうございました。
感想のお返事返せないことが多いですが、必ず読んでます。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
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