魔人
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。
いつそこまで近くに来ていたのか全く気が付かなかった。
「この子気に入っちゃった。もらってくね」
黒い服のその男は結界で守られているはずの私を抱き上げ、黒い翼を広げて空へ飛び上がった。
「待て!ソフィアを返せ!」
父が叫んだのが聞こえた。
その男は父の声も、ワイバーンとの戦闘も全く気にしてないようで、私を抱いたまま高度を上げていく。
「ちょっと!放してよ!」
私はジタバタともがいた。
「へえ、泣き叫んだりしないんだ。ますます気に入った」
男は楽しそうに私を見た。
こっちは全く気に入られたくないから。
そうこうしているうちにすごい勢いでガブリエルが飛んでくるのが見えた。
「ソフィア様!」
「ガブリエル!助けて!」
私を抱えてる男がゲッと声をあげた。
「天使…それも大天使かよ。なんでこんなとこにいるんだ」
「お前、魔人か!ソフィア様を放せ」
「嫌だね、これはオレがもらう」
もらうな!
ガブリエルは私がいるせいで上手く攻撃できずにいる。
「放して!」
そう言って魔人の腕に噛み付くが全く効いてない。
それならこれはどうだ。
次は思いっきり目潰ししてやった。
「わっ!何?」
魔人でも目潰しは効くらしい、魔人は思わず両手で目を押さえた。
そしてその結果…。
「キャー」
落ちてる!落ちてるから!
ここが空中ということをすっかり忘れていた。
「ソフィア様!」
ガブリエルが私を掴もうと手を伸ばす。
私もガブリエルに向かって手を伸ばした。
「させるか!」
悪魔が目潰しから立ち直ってガブリエルに向かって攻撃を放った。
「ガブリエル!後ろ!」
ガブリエルが振り返って攻撃を防いだ。
お、落ちる…。
この世界で生まれてからの記憶が流れていく。
2度目の走馬灯は短すぎる。
もっと色んなことがしたかった。
次も今みたいな家族の元に生まれ変わりたい。
ありがとう…皆。
「ソフィア様!!」
ドゴン!!
…。
「あーあ、壊れちゃった。せっかく良い物見つけたのに。ま、しょうがないからまた代わりを探すか」
そう言って魔人はどこかに転移していった。
「ソフィア様!すぐに治しますから目を開けてください」
…。
ばち。
「痛っ!痛った〜!」
私はガバっと起き上がって腰をさすった。
「あれ?生きてる?」
ガブリエルがすぐに腰に治癒魔法をかけてくれる。
「大丈夫ですか?あんな高いところから落ちて、さぞ怖かったでしょう」
…?
「なんで私生きてるの?」
「そりゃあソフィア様は丈夫にできてますから、あの高さから落ちたくらいでは傷一つできません」
「どういうこと?」
今の、丈夫で片付けられること?
読んでいただきましてありがとうございました。
感想のお返事返せないことが多いですが、必ず読んでます。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
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