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ワイバーン

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

鉱山の件もまとまって私達は次の街へと向かうことにした。


権利をダニエルさんにも分割したことにより、ジャックとノエルの結婚も認めてもらえるだろう。


そこまで考えていたなんてさすがは父だ。


あの2人には幸せになって欲しい。


さて、次の目的地はバーリという街で、服飾が盛んな街、つまりファッションの街らしい。


元は織物業が盛んだったのが、いつしかその布地を使った既製服やオーダーメイドの洋服を売り出し、今や帽子に靴、アクセサリーまでファッションの流行はバーリから始まると言っても過言ではない。


そんな街にも我がロイド商会の支店がある。


しかし次の街に行くにはこの旅最大の難所があるらしいのだ。


そこは草木のほとんど生えない荒野の地帯で、近くにはワイバーンの生息地がある。


じゃあそんなところを通らなければいいのだが、そこを回り道するとさらに1週間荒れた土地を進むことになるのだ。


まあ、よほど運が悪くなければ襲われることはないらしい。


今世の私は運がいいので大丈夫だろう。


「そろそろ危険地帯だ。大きい物音を立てるなよ」


マルコスさんの指示で私達は話すのをやめた。


ゴトゴトゴト。


馬車の物音だけが響き渡る。


ヒヒーン!ヒヒーン!


何故かその時、馬が一斉に鳴いて暴れ出した。


「なんだ?どうした?」


御者台にいるランガさんも慌てだした。


「皆んな危ないからとりあえず馬車を降りて離れてくれ」


その時、バサリと言う音とともに強い風が吹き、ワイバーンが現れた。


しかも1体でも冒険者数人がかりで討伐する魔獣であるワイバーンが10体近くいるだろうか。


明らかに馬たちを狙っている。


「ガブリエル!馬を助けて!」


私が言うとガブリエルは


「かしこまりました」


と馬の周りを結界で覆った。


馬を思うように襲う事ができないワイバーンの群れは今度は私達の方を目掛けて飛んでくる。


バンッ!!


もちろん私達にもガブリエルは結界を張っている。


「しかしこれでは先に進めないですね」


「ワイバーン達が諦めてくれればいいのだけどな」


父とマルコスさんが話し合っているが打開策はないようだ。


「俺たちじゃ複数のワイバーン相手じゃ難しいしな。A級かS級がいれば別だが」


ワイバーン達は諦めるつもりはないようだ。


覚悟を決めてガブリエルに討伐を頼もうか。


そう思っていたところに突然ザシュッと音がして、目の前のワイバーンの頭が落ち、続いて身体が落ちた。


視界の隅をすごい速さで銀色の何かが通り過ぎた。


「どうやら助っ人が来てくれたようです」


ガブリエルが指差した方を見ると、銀髪の男性が剣と火魔法でワイバーンと戦っているのが見えた。


その向こうではキラキラ光る剣で戦っている小柄な人も見える。


「あの人はもしかして…よし、我々も参戦しよう」


紅蓮の剣メンバーも参戦を決めたようだ。


「結界があれば大丈夫だから、ガブさんもワイバーンを倒すのを手伝って」


「しかしソフィア様から離れてもしものことがあれば…」


ガブリエルは渋っていたが、私が頼むとワイバーンがいる方へと行ってくれた。


「すぐ倒してすぐ帰って来るので、ここから動かないでくださいね」


結界に残ったのは私と父とジェイコブ。


「すごい!皆強い!」


ガブリエルの強さは桁違いだが、銀髪の2人も空飛ぶワイバーン相手に単独で軽々と戦っているように見える。


「ソフィア、あんまり騒ぐな。危ないぞ」


父がそう言った時だった。


「いいものみ〜つけた」


語尾にハートが付きそうな猫撫で声がすぐ近くで聞こえた。


振り向くとそこには黒髪、赤い目、黒い服に黒いつばさを持った、人間にはありえないほど美しい男性がにっこりと笑って、空中に浮いていた。





読んでいただきましてありがとうございました。

感想のお返事返せないことが多いですが、必ず読んでます。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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