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鉱山②

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

「こりゃあすごいな…」


「こんな方法で本当に見つかるなんて…」


ダニエルさんとジャックが驚いている。


「…」


父は声も出ないようだ。


開けた空間に入り辺りを照らすと、そこは壁一面にキラキラとした原石が輝いていた。


「ガブリエルお疲れ様」


私がガブリエルをなでなですると彼はとても嬉しそうにした。


「これくらいなんでもないです。ソフィア様もお疲れ様でした」


私はガブリエルに抱っこされて指差していただけなんで全く疲れてない。


「すごい!ルビーにサファイヤ、エメラルド、どれも品質も良さそうだ」


「これならこの街もまた活気つくでしょう。本当にありがとうございます」


無事に見つかって良かった。


「こんなにあるとは…」


父はまだ呆けている。


「書面で契約しておいて良かった」


あ、父の意識が戻ってきた。


「さっそく見本にいくつか掘って行って、鉱山を登録せねばな」


ダニエルさんは早速掘り出した。


掘り終わったあとは、昼食がてらの休憩をとって来た道を戻った。


私は行きと同じようにガブリエルに抱っこされて戻ったのだが、皆も疲れなど吹っ飛んだように軽い足取りだった。


街に戻って、新しい鉱脈の発見を商業ギルドに報告するとサリバンの街は大騒ぎになった。


「鉱脈が見つかったというのは本当か!?」


商業ギルドで手続きを終えて外に出ると、ジャックの父のマイケルさんが息を切らせてやってきた。


「本当ですよ、父上」


「でかした!これで我がスミス商会も安泰だ」


マイケルさんはすごい喜びようだ。


「権利はこちらのダニエルさんとロイド商会とウチで3分割です」


とジャックがいうと、


「何故だ!お前は我がスミス商会で権利を独占しなかったのか!?」


ジャックさんはため息をつくとマイケルさんに向かった言った。


「父上、この鉱脈の大まかな位置の予想を立てたのはこちらのダニエルさんで、細かな位置を指示したのはソフィアさんです。そして実際に掘り進んだのはこちらのガブさん。私は後をついていっただけで何もしていないのに3分の1の権利をもらったのです」


「なんだって?」


マイケルさんの表情が変わった。


「オレもついて行っただけだな」


「私もだ」


「静かに!」


ダニエルさんと父が何やら言い出したので黙らせた。


空気を読め。


「父上がこれ以上迷惑な態度を取るようなら3分の1の権利を放棄しますよ」


「待て待て、早まるな。3分の1の権利で十分だ」


マイケルさんは慌てて態度を急変させた。


「わかったら後で詳しく説明しますから、これ以上彼らの機嫌を損ねないうちに先に家にお戻りください」


「わかった、わかったから権利の放棄なんて早まった真似はするなよ」


そう言ってマイケルさんは帰って行った。


「皆さん父がお騒がせしました」


ほんと息子はいい人なのになあ。


「私から父にはしっかり言っておきますので。ロイド会長、ソフィアさん、ガブさん、今日は本当にありがとうございました。いずれこのご恩は必ずお返しします」


「いや、私達も権利をもらったし、恩なんて感じなくていいですよ」


「そうです、ソフィア様は心が広いので全くもって大丈夫です」


私とガブリエルが慌てて答える。


「しかしそれでは私の気がすみませんので」


ジャックがなかなか折れないので困っていると、


「それならあの鉱脈で出た質のいい宝石をソフィアが1つもらうというのはどうだい?」


と父が言い出した。


「そんなことで良いなら安いくらいです。奥様の分もお渡しします。いいですか?ダニエルさん」


「ああ、もちろんだ。それでもこっちがもらいすぎだ」


何かトントン拍子に母の分までもらうことになってしまった。


「良かったな、ソフィア。母さんも喜ぶぞ」


丸く収まったようだし、母が喜ぶならまあいいか。





読んでいただきましてありがとうございました。

感想のお返事返せないことが多いですが、必ず読んでます。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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