温泉に入りたい①
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。
カルトスの街での滞在を終えて、次の支店への移動が始まった。
次の街は、サリバンという街で我がサラン国の北の方に位置する大きな街だ。
この支店巡回の旅も半分に差し掛かって、ずっと思っていることがある。
お風呂に入りたい。
もちろん体を拭いたり、髪を洗ったり、時にはガブリエルの魔法で身体の汚れをクリーンしたりしているが、やっぱりお風呂に浸かりたいのだ。
この世界、ほとんどの宿にはお風呂はない。
我が家は大手商会の会長宅だからお風呂があったが、ほとんどの一般家庭にお風呂はないらしい。
貴族や裕福な家だけにお風呂があるのだ。
しかし日本人の前世を持つ私は特にお風呂に執着がある。
あったかいお湯に全身浸かりたい。
そんな時、馬車での移動中にもくもくと蒸気のような物が見えた。
「お父さん、あれは何?」
私は指を指して聞いた。
「あの煙かい?あれは地下から熱いお湯が湧き出しているんだ。悪魔の池とも呼ばれているんだよ」
父が教えてくれた。
「悪魔の池…熱いお湯…温泉!」
そうだ!温泉だ!
「お父さん、悪魔の池見てみたい」
うまく適温のお湯にできれば温泉に入れるかも。
「すぐ近くだから別にいいが。ここらで休憩にして見に行こう」
「リジーさん達もいいかい?」
「もちろんよ。皆!ここらで休憩にしましょう」
皆思い思いに休憩を取る中、私は父とガブリエルと悪魔の池を見に行った。
大きな露天風呂のような池からもくもくと蒸気が出ている。
人が入るのは無理そうだ。
「この辺りにちょうどいい温度のお風呂があったらいいのに」
そう呟くと少し奥の川辺に私の探し物能力の矢印が現れた。
もしかして。
私はそこに向かって走り出した。
林で隠れて見えなかったが、川の近くに温泉が湧き出ていた。
湯気の量からしてそこまで熱くなさそうだ。
「これってお風呂くらいの温度かな」
私がそういうと、ついてきたガブリエルが温泉に手を入れた。
「はい、お風呂くらいの温度ですね。ちなみに有害物質も検知されないので、ソフィア様が入浴されることが可能です」
やった!お風呂だ!
父が少し遅れてやってきた。
「お父さん!お風呂に入れるよ!」
父はその光景を見て驚いた。
「何度もここを通っているが、こんな物があったなんて…」
「さっそく入ろうよ」
私はもう待ちきれないのだ。
「しかし、まだ温度や水質がわからない以上無闇に入るのは危険だ」
「もうガブリエルに調べてもらって大丈夫だったよ」
「…ガブさんがそういうなら大丈夫だな」
父はうんうんと頷いている。
「じゃあ先にリジーさんと私で入るね、呼んでくる!」
私は急いでリジーさんを呼びに行った。
読んでいただきましてありがとうございました。
感想のお返事返せないことが多いですが、必ず読んでます。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
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