別荘②
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。
クロエの家の別荘の居間に案内された私とガブリエルは、クロエとクロエ母と向き合った。
あ、そうだ手土産を渡すのを忘れていた。
「ガブさん、お饅頭まだある?」
私はロイド商会で最近お饅頭というものを売り出したのだ。
もちろん、あんこを小麦粉で作った皮で包んで蒸した日本の温泉地のお土産でよくあるお饅頭だ。
どうしてもあんこが食べたくなって商会の力を使って小豆を入手し売り出したのだ。
12個入りと24個入りだ。
これがなかなかのヒット商品で、連日売り切れらしく幻のお菓子となっているらしい。
「はい、ソフィアさま。どうぞ」
ガブリエルは鞄からお饅頭の箱を取り出した。
他の人がいる時は、持っている鞄から物を出しているように見せている。
インベントリはこの世界では目立ちすぎるので、魔法鞄ということにしているのだ。
わたしはお饅頭24個入りの箱をクロエ母に差し出した。
「これ、良かったらどうぞ」
「こ!これは!最近我が国の貴族の間で入手困難と話題のお菓子では?」
クロエ母はお饅頭の箱を持ってプルプルと震え出した。
「そうなんですか?最近うちで売り出した商品なんですよ。私のお気に入りなんです」
「ソフィアちゃんってひょっとして、あのロイド商会の…」
「はい、娘です」
「そうだったのね。なんだか只者じゃない感じがすると思ったら…ロイド商会の娘さんだったのね」
只者じゃない感じとはどういう感じだろう。
聞かなかったことにしよう。
そして、私達は美味しいお茶とお菓子と共に楽しいひと時を過ごしたのだった。
帰る時、クロエが恥ずかしそうに言った。
「今日お兄様がいないって言った時変な反応しちゃってごめんね」
「え?なんのこと?」
全く覚えがないが。
「気づいてないならいいんだけど、お兄様とお近づきになりたい女性が私に仲良くしたいと声をかけてくることが多くて」
「え?そんな人が!?」
「残念ながら、何度か仲良くなり始めた人がしつこくお兄様を追いかけて迷惑になったの」
イケメンも大変なんだな。
「だからソフィアがお兄様じゃなくて私と仲良くなりたいと思っていると知って嬉しかった」
「もちろん、クロエと仲良くなりたいよ」
お兄様の名前が未だ思い出せないくらいだ。
私の持論ではイケメンはトラブルを生む。
ガブリエルだけで十分だ。
私達は手紙のやり取りをしようと約束した。
私はもう少し旅を続けるが、クロエはしばらくこの街でゆっくりするらしい。
私への手紙はロイド商会の支店に出してもらえれば届くだろう。
「またうちにも遊びに来てね」
そう言って私とガブリエルは父の元に帰った。
その夜、父にクロエのことを話したら年の近い同性の友達ができたことをとても喜んでくれた。
貴族なのに全然偉ぶってないのがまたいいそうだ。
ロイド商会はクロエの国ランベール王国とも取引があるので、また行くこともあるだろうということだ。
その時はお互い成長していることだろう。
また会える日がたのしみだ。
読んでいただきましてありがとうございました。
感想のお返事返せないことが多いですが、必ず読んでます。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
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