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大天使ガブリエル

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

天界にて。


ガブリエルは退屈な毎日に辟易していた、


毎日毎日同じ顔ぶれ、同じ日常。


戯れに他の天使たちに戦いを挑んだりしていたが、いつのまにか自分より強いものはいなくなってしまった。


「ああ、退屈だ」


そんな頃、女神フォンテーヌが異界から魂を迎え入れたことを聞いた。


女神フォンテーヌの姉によって不遇な人生を送ってきた魂は、女神フォンテーヌによってこの世界で何不自由ない幸せな人生を贈られたはずだった。


が、その魂は贈られるはずだった能力を断り、平凡な人生を送ることを望んだらしい。


人とは求めるだけの強欲な生き物だと思っていたガブリエルにとって衝撃だった。


どんな人生を送るのだろう。


見てみたい。


天使からすれば一瞬とも言える人間の人生を見てみよう。


軽い気持ちで天界から覗いたら、一目で虜になってしまった。


それは天使にとって仕方ないことだった。


なぜなら天使にとっての絶対的な畏敬、崇拝の対象である女神フォンテーヌが自らが愛する対象として作り出した外見。


さらに加えて、前世で過酷な状況で積んだ徳の高い輝く魂。


それは女神だけでなく、よくも悪くもあらゆる物を惹きつけてしまう。


「ああ、ソフィア様。この手で彼女を守ることができたら」


天界で最強と言われる自分なら、あの美しい肉体に傷などつけさせないのに。


見れば見るほど思いだけが募っていく。


そんな日々の中、ある時女神が上級天使達に召集をかけた。


召集なんていつぶりだろう。


前回は、地上に魔界のものが攻めてきた時だったか。


あれば千年以上前じゃないか。


集めた上級天使達女神はおっしゃった。


「ソフィアが3度目の誘拐にあいました」


その事はガブリエルも自分が側で守れたらと悔しい思いをしていた。


そうしたら誘拐なんてさせないのに。


「そこで、上級天使の中から人間のふりをしてソフィアを守って欲しいのです」


なんたる幸運。


その役目何としても我が勝ち取らなければ、まぁ誰が相手でも譲る気は絶対ないが。


ほぼ全員がソフィアの護衛を希望する中で、無事に女神に選ばれることができた。


「命に変えてもソフィア様をお守りします」


ガブリエルのつまらない日々が突然輝き出した。


ソフィア様、ずっとそばで必ずお守りします。


ガブリエルはそして地上を目指した。


「あの辺りにするか」


バサバサッ。


ガブリエルは港町トリスタンからほど近い街道沿いの林に着地し、羽を畳んだ。


「さて、まずは人間のふりをするのでしたね」


ガブリエルはその美貌はそのままに、羽と頭の上で光を放っていたエンジェルリングを消し、背中まであった髪を短くした。


輝く銀色の髪に銀色の瞳、スラリと背が高い細マッチョの絶世のイケメンが出来上がった。


「服もこれでは目立ちますね」


そう言ってドレープが効いた白い天界の衣装から旅の商人のような服に一瞬で着替えた。


「これで完全にどこにでもいる普通の人間ですね」


ガブリエルはそう言って空中に鏡を出して自身を観察した。


他の人間が見れば、その人とは思えない美貌で一目で普通ではないと思うのだが。


「さあ、次は自然な出会いですね」


ガブリエルは街道の先を見つめた。


「どういう風にしたら自然に側にいれるでしょう」


ガブリエルは考えた。


「そうだ!魔物に襲われて逃げてきた旅の商人というのはどうでしょう」


ガブリエルはインベントリからバックを取り出した。


「服も汚しておきましょうか」


一瞬で服に汚れが着いた。


「これで大丈夫」


ガブリエルは街道をトリスタンの街の方角に歩き出した。





読んでいただきましてありがとうございました。

感想のお返事返せないことが多いですが、必ず読んでます。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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