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えろのうねりに呑み込まれて……長島カオス☆

誤字脱字報告いただき、ありがとうございました!

そして現在に戻る。

希美と信長、そして織田の軍勢は、その光景を唖然として見ていた。



「南無阿弥陀仏」を大音声で唱えながら後から後から湧いて出る一向門徒の軍勢。

聞く所によると、顕如は兵糧物資の搬入を安芸国の毛利氏に依頼。安芸国は土地柄、安芸門徒と呼ばれる一向門徒の勢力が強い。毛利氏は、えろ使徒による農地改革や開墾、農具改良などの恩恵を受けていたので、えろに含む所はなかったものの、この話を断って東の地で起こっているような一揆の嵐が領内に吹き荒れる事を恐れた。

そこで、毛利元就は「やれ、面倒な」と思いつつも、領内のえろを密かに逃がし、もしくはかくまいつつ、毛利水軍を運搬のみという形で貸し出したのだ。

そこに安芸門徒が援軍として乗り込むのは、知らぬふりをして。

毛利としては、嫡男隆元の急死や出雲尼子氏との戦で、宗教戦争にまで関わっている暇はなかったのである。



そんなわけで、織田軍と対峙する一向一揆勢は、さらに安芸門徒が投入され、その数を膨らませていたのだ。

だが、こちらもえろ大明神である希美の指示により、尾張と伊勢の境で待機していた織田軍と伊賀忍者軍六千十一名、甲賀忍者軍六千十一名を爆投入。

血汗にまみれたイケイケの武者足軽達と、真っ昼間から忍者服のリアルハッ◯リ君とケム◯キ君達が、ガチャガチャシュタタタガチャガチャピョーンピョーンと押し寄せたのである。


「な、なんで昼間から無意味に忍者服?なんで、時折跳躍してんの?阿呆なの……?」


おかしな軍勢のおかしな登場に唖然として見守る信長の隣で、思わず心の声が漏れた希美に、いつの間にか脇に控えていた伊賀忍者の藤林長門守が答えた。


「それは、殿の有難い御心に皆が感じ入ったからに御座る」

「え?私の心?」

「殿は、あの堺での祭において、我等忍びを堂々と活躍できるようにしてくだされた。決して日の当たるはずもなかった忍び衣装を昼間から人前でさらけ出せる。闇に隠れ住まなくてはならなかったあの者達は、あなた様に感謝し、そして忍びのまま存分に光の世界を謳歌しているので御座る」

「だからって、何もあんな跳びはねなくても……」

その問いには、これまた密かに脇に控えていた多羅尾四郎右衛門が答える。

「あれは、伊賀者と競うておるので御座ろう」

「競う?」

「左様。戦で御座る故、隊列を組み、進む速さは合わせねばなりませぬが、それさえこなしておれば、上方向への動きは自由。伊賀者と甲賀者、どちらがより高く跳べるか、せめてこちらで決着をつけようとしておるのですな」


そう言って多羅尾四郎右衛門は、自信ありげに口元に笑みを浮かべながら、藤林長門守をちらと見た。

藤林長門守はその眼差しを、鼻で笑って一蹴した。

「ハッ、互いに集めた兵の数は、六千十一ずつとまったくの同数であったが、高さならわし等の方が勝っておるわ!伊賀者は、幼少の頃より厳しい訓練を積んでおるからの!」

「訓練ならば、甲賀とて厳しいわ!わしの所の者なぞ、皆、わしからの褒美の口吸い(キッス)を目指し、日夜励んでおるぞ!」

「それのどこが褒美なんじゃ!罰じゃろ!」

「ああ?わしの口吸い技は凄いのじゃぞ!お主のド下手な口吸いといっしょにしてもらっては困る」

「馬鹿にするな!わしの口吸いの方が断然上手いわっ」

「馬鹿め。お主の口吸いなど、井の中の蛙よ……」

「なにい!?ならば、わしの口吸いを受けてみよ!」

「お主の口吸いなんぞ、わしの口吸いで返り討ちにしてくれるわ!」

「「いざ、尋常に勝負!!」」


そうして、伊賀忍者おじさんの唇と甲賀忍者おじさんの唇がだんだんと近付いていき……


「やめんかあーーー!!」


伊賀と甲賀の合体は、希美によって無事に阻止された。

「織田&忍者軍団VS一向一揆の激しい戦いをバックに、おじさん忍者同士の熱烈なキスシーンとか、どこの糞ハリウッド映画だ!大コケ決定だ、そんなもん!」

その予想は間違いない。


その時だ。

戦場を一陣の強い風が吹き付けた。

と同時に、更なる怒号ととてつもない熱気、そして悪寒を感じ、希美は顔を上げて辺りを見回した。


向こうから、土煙が見える。

敵か味方か。

来る方向からして、恐らく味方だろうが……、と希美は目を凝らした。


騎馬で先頭を走るのは……髭!髭の女だ!

特注のレディースなかつら型兜を締めて、白粉の白に立派な髭の頬当てをつけた、髭の女武将、てる(元下間頼照)その人だ!

その後ろに続く騎馬隊は、何故か猛スピードの中、体を不自然にびくつかせ、奇声を発している!その数、二千騎をゆうに超す!


「ま、まさか、あれ……。三角鞍の変態木馬野郎共か!?」


「左様ですぞ♪」スパンッ

「うおおおおお!!?懐かしくも二度と味わいたくなかった、この絶妙な解放感んん!!」


いつの間にか脇に控えていた河村久五郎により、希美は一瞬で全裸鎖姿へと変態(メタモルフォーゼ)させられていた。


「色々聞きたい事が山ほどあるが、今一番お前に問いただしたいのは、ただ一つだ!……なんで、全裸鎖?!金具足(ゴールドグソク)は、どうした!?」

「ほぼ休み無しの強行軍の上、最速で駆けて来たのですぞ。あのような重い荷物を抱えて来れる訳が御座いませんぞ!」

「で、あるかーー!!(落胆)」

動揺のあまり、思わず信長の口癖が移ってしまった希美である。


手と膝を地につけて、落胆の四つん這いポーズをきめた希美の尻を最前列で拝む、尻派の多羅尾四郎右衛門と女如使いえろ門徒。

肉体チートにより完成された希美の尻に魅せられし、藤林長門守。

次から次へと湧いてくる変態のうねりに、ただただ戦況を唖然と見守るしかない織田信長。

なんだか、織田本陣もカオスの様相を呈してきた!



さて、髭の女武将と変態騎馬武者達であるが、もちろん普通の騎馬武者も交えながら、「も、もうダメヘエエエ……!!」などの奇声を置き去りにし、織田本陣の横を駆け抜け、一向一揆勢へと雪崩れ込んだ。


そうして、戦場にさらにカオスが生まれる。


跳ねまわりながらクナイを投げる忍者。

喘ぎながら槍を振り回す変態騎馬武者。

「息子はどこじゃあ!!」と若い坊官を片っ端からちぎっては投げる髭の女武将。

普通に敵を倒す普通武者。

反復横跳びで分身技を繰り出す忍者。

火遁の術で門徒もろとも甲賀忍者の尻を炙り、甲賀忍者から毒霧(痒み発症)を浴びせかけられる伊賀忍者。

普通に槍で突っ込む普通の足軽。

自らも昇天(精神)しながら、敵を昇天(物理)させる変態騎馬武者。


そして、そんなカオスな織田軍に為す術もなく呑み込まれた、哀れな一向一揆勢。

変態武者の喘ぎ声にかき消された「南無阿弥陀仏」の空しさよ……。

彼らは、えろのもたらす地獄を味わう事となった。



決着は、あっという間だった。

一刻も経たぬうちに、坊主坊官が逃げ出したのだ。

それに伴い、一向一揆勢は戦意を失い撤退を始めた。

織田軍は、その勢いで長島願証寺を取り囲んだ。


願証寺には隠れえろ門徒がいる。仏罰も気にする将達の意見もあり、火攻めよりは兵糧攻めと願証寺への対応が決まった頃、山門が内側から開かれた。


出てきたのは、願証寺次代の証意である。

彼は父親を説得し、降伏の証として自ら、願証寺の門を織田軍に開いたのだった。



ここに、長島一向一揆は終結を迎える事となる。







『えろ真宗願証寺』 じゅるん観光ガイドより


★★★★☆ 4.0(口コミ1件)


■願証寺について

えろ真宗の寺で、本尊に手印上品下生の阿弥陀如来像と、手淫上品下生のえろ大明神像が安置されている。

「朝柴物語」の襖絵や、着衣人形師えろ太郎の弟子で知られる服部半蔵に依頼したと言われる、親鸞上人の等身大着衣人形が祀られている。


■口コミ

総合 ★★★★☆ 4.0(1件)

"えろみ"

願証寺に行きました。えろ真宗のお寺です。

えろ大明神像の佇まいや、親鸞上人の口回りがやたら色が変わっているのを見て、とても"えろみ"を感じて過ごせました。



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